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序・神話をはじめるその前に

プロローグだけ投稿する勇気

物心ついた時から俺は魂が見えた。それは石も冷蔵庫も犬も人間も、どんなものでも体に透けて重なるようにして持っているもので、大きさは砂粒か大きくても豆粒ぐらい。色は色々で、材質は酷く柔らかく、豆腐並に潰れやすい上、ねっちょりしていて触ると納豆並に糸を引く。ほとんど豆製品だ。

その魂の存在は俺にとってはあって当たり前のものだったが、俺以外の人にとっては当たり前ではなかったらしく、俺が「視える」と言ったり「視える」素振りを見せると両親は嫌がった。はっきりとは言わなかったが、何か悪いアニメか絵本の影響を受けてしまったと思ったらしい。

両親はオカルト信仰ゼロで科学礼賛タイプだったから、俺は幼くして妄想の世界に浸るヤベーやつに見えた事だろう。今なら親として心配になってやめさせようとしたのも分かる。


当時は何故嫌そうにされるのかは分からなかったが、「視える」と言うたびに気まずい空気になるのは分かったので、その変な空気が嫌で、やがてお口にチャックする事を覚えた。親の遠回しな言外の圧力に屈し、視えないフリをするようになったのだ。

以来、この力について誰にも言っていない。


俺の人生はこの不思議な力で周りを振り回し、振り回されてきた。


ほとんどの魂は石コロか安っぽいプラスチックのようだったが、時々とんでもなく美しいものがあって、俺は小さな頃からそれが欲しくて欲しくてたまらなかった。そういう一部の魂には宝石のような美しさだけではなく、カリスマや魔性といった魅力を押し固めたような抗い難い吸引力があり、俺の心を虜にした。


魂は見るだけでなく触れる。触る時、俺は自分が持っている塊を変形させ、見えない手のようなものを作る。俺の塊は例外的に巨大で、サッカーボールぐらいの大きさがあった。柔らかさはゴムぐらいで、ベタつかないしパサつかない。

欲しければ手に入れようとするのは当然の話で、俺はこの見えざる手で何度も何度も魂を肉体から引っこ抜いて自分のものにしようとしたのだが、魂は宿っているモノから抜いた途端に例外なく雲散霧消してしまった。

魂は一度消えると二度と再生しない。素晴らしく美しい魂の数々は永遠に失われたのだ。


よくゲームや漫画では魂を失うと廃人になったり死んだりするが実際はそんなことはなく、何も起きない。正確には何も起きなくなる。

クラスメイトの泰平くんは、磨き抜いたオパールのような輝きの魂を持っていた。何にでも挑戦し、大成功したり手酷く失敗したり、見ていて楽しいヤツだった。しかし俺がペロペロしたい欲に負けて魂を引っこ抜いて以来、彼は相変わらずアグレッシブに挑戦を続けていたが、何をやっても佳作とか四位とか小吉とか、良くも悪くもパッとしない結果しか出さなくなってしまった。

魂が無くなっても不健康になる訳でも性格が変わる訳でもない。ただ、平坦になる。特別な事は何も起こらず、のっぺりした山なし谷なしの日々を過ごす事になるのだ。

ゲーム的に表現するなら魂はイベントやクエストの発生源だ。


魂は体から引き抜くと消えて二度と戻らず人生の波を消してしまうという事を経験則で知るまで、俺は何十もの魂を無駄に消してしまった。悪い事をしてしまったという後悔もあるが、それ以上にあれほど美しい魂たちを無駄に消してしまったショックの方が大きかった。

 魂を消すつもりなんてなかったんだ。俺はただ、綺麗な魂をペロペロもぐもぐしたかっただけなんだ。それだけなんだ……


 どこかに心を打つ綺麗な魂は無いものかとねっとり観察を続け、何千何万もの魂を見ている内に、俺は魂の目利きができるようになった。中学生の頃の話だ。魂を見れば持ち主がどんな存在なのか分かる。


 まず、綺麗な魂の持ち主は我が強い。そしてだいたい変わり者だ。

 例えばクラスのリーダー京子ちゃんだったり、教室の隅でいつも俯いて本を読んでブツブツ言っている翔くんだったり、意地でも見物客に背中しか向けない地元動物園のパンダ兄貴だったり。

 京子ちゃんはリーダー症候群を発症していて、自分がリーダーを張っていないと気が済まない。他の誰かにリーダー役を取られるとあの手この手で追い落としてなり代わろうとする。

 翔くんは小説家(志望)だ。原稿用紙三枚以上の自由作文の課題が出た時、三百枚書いてきて周りをドン引きさせた伝説がある。

 パンダ兄貴は逆ゴルゴだ。決して人間を前に立たせず、前に立とうものなら例え数年来の付き合いの飼育員でさえ野性を剥き出しにして襲いかかる。理由は知らないが。

 彼らは絶対に自分のこだわりを譲らない。信念とか執念とか、そういう決して揺るがない物を持っている。そしてそのこだわりが強固なほど魂は美しく輝く。

 逆に言えば才能に溢れてなんでもできても、移り気だったりちょっとしたストレスで心が折れるような奴の魂は賞味期限切れの納豆以下なのだ。ばっちくて見るに耐えない。


 そして大きな魂の持ち主はだいたい山や海などの雄大な自然だが、生き物の場合は有名人であったり権力者であったり将来大物になりそうな奴だったりする。

 どうやら魂の大きさは影響力だとか可能性の大きさを表しているらしい。


 世の中にはビー玉ぐらいの大きな魂を持っているのに下水管に張り付いたネチャッとしたよくわからない汚れより汚れている奴がいる。

 力強く輝いているのに砂粒どころかよく見ないと分からないほど魂が小さい奴もいる。

 大きくて綺麗でペロペロもぐもぐすーはーしたくなる最高の魂はなかなか見つからない。悲しい。

 なぜ社会は美男美女で愛想が良く才能に溢れハイスペックなだけの奴をもてはやすのか、これがわからない。魂を見ろ、魂を!


 身近にある綺麗な魂は小さい頃にほとんど潰してしまっていたから、中学時代の俺はなかなか綺麗な魂をじっくり鑑賞できなくてイライラしていた。京子ちゃんの魂を見つめているとキモいとかストーカーとかいわれのある迫害を受けるし、翔くんは中学に上がってすぐに転校してしまった。パンダ兄貴に逢いに行く入園料も馬鹿にならない。


 そこで俺は魂を磨く事にした。魂育成計画だ。綺麗な魂が無いなら作ればいい。


 一番最初に目をつけたのは自分の魂だ。何しろサッカーボールぐらいある。富士山の魂(ゴルフボール大)より断然デカい。 他に類を見ない異常なデカさだ。

 しかし悲しいかな、あんまり綺麗ではない。透明なガラス玉のような感じだ。汚くはないが、玄関に置いてあると訪問客が一瞬目を向けておっと思うけどすぐに忘れるとか、その程度の魅力しかない。俺には信念が足りないらしい。

 が、これを綺麗に磨き上げ輝かせる事ができればいつでも見放題。お触りもオッケー!最高かよ。


 魂は見えざる手で触れるが、磨ける訳ではない。何物にも揺るがない強い精神こそが魂を美しくする。要は精神修行だ。俺は早速精神を鍛えた。


 冬休みを丸々使って滝行をした。凍傷で右耳がもげただけだった。

 坐禅を組んで瞑想した。お昼寝が気持ちいい事を再確認しただけだった。

 四日間断食断水した。衰弱死寸前で救急搬送されただけだった。

 親にかなり無理を言って海外の絶景・感動スポット巡りをさせてもらった。観光より観魂に夢中になっただけだった。


 二年ぐらいそうして思いつく限りの心を揺さぶる事をしてみたが、効果はなかった。魂を輝かせたい、という下心満載だから駄目なのかも知れない。これだけやれば魂綺麗になるやろ!綺麗になぁれ……っ!なんて純粋な邪念に溢れていたらまあ確かに駄目なんだろう。そもそも自分がどんな信念・こだわりを持っているのかもはっきりしない。

 そりゃあもちろん綺麗な魂は好きだ。しかしそれは食べるのが好きとか寝るのが好きという生理反応と大差ない。綺麗な魂を見たら当然誰だってペロペロもぐもぐすーはースリスリしたくなる。魂鑑賞が俺の特別な信念とは言い難い。


 そんな訳で自分の魂を磨くのは諦め(こうやって諦めてしまうところが魂が輝かない理由なのだろう)、見込みのある他人の魂を磨こうと考えたのだが、最初はどうすれば良いのか分からなかった。

 魂の美しさは我の強さで決まる。しかし精神修行の効果が疑わしい事は身をもって証明してしまっていたし、他人の意思を強くする方法なんて見当もつかない。

 見込みのある魂の持ち主に片っ端から「君の夢、応援してるよ!頑張れ!」「どうして諦めるんだそこで! ネバーギブアップ!」なんて声をかけてみたりもしたが、困惑されただけだった。声をかけた俺もこんなんでいいのかなと困惑していた。誰も幸せにならない声かけ事案だった。


 どうしたものかと悩んでいたある朝。

 目が覚めたら俺の魂に糸が繋がっていた。

 めちゃくちゃ驚いた。


 魂はネバネバしているから、触ればもちろん糸を引く。どうやらこの糸もそういう糸らしく見えた。

 糸が伸びる先を辿ると掠れて薄くなり虚空に消えていて、しかもこの糸、ミシン糸ぐらいの太さしかないのに鋼鉄ワイヤーより断然頑丈だ。千切ろうとした俺の手の方が千切れそうになったぐらいだ。


 俺は誰かが魂に糸を繋いだんだ、と直感的に思った。


 誰の仕業かわからないし、どうやったのかも何が目的かもわからない。

 こんなに硬い糸を俺は作れない。自分で寝ぼけてやったのを忘れているなんて有り得ない。だから、俺ではないどこかの誰かがやったのだ。


 試しに鉛筆の魂から糸を伸ばして自分の魂に付けてみると、しっかり粘着した。しかし糸は蜘蛛の糸より細くて貧弱で、ちょっと触っただけですぐ切れた。

 やろうと思った事もなかったので知らなかったが、魂と魂は糸でくっつける事ができるらしい。


 俺の魂から伸びる糸を手繰り寄せたり解したりしようとしたがビクともせず、数日は得体の知れない糸に何が起きるのか戦々恐々としていたが、何も起こらないのですぐに危機感は薄れていった。

 魂に正体不明の糸を繋がれる、というのは心臓を鷲掴みにされるような恐ろしさがある。しかし鷲掴みにするだけで何もして来なければ、居心地は悪いが恐怖は麻痺していく。


 糸の正体は想像するしかないというより妄想するしかなかったが、唐突に現れたこの糸は新たな発見をもたらしてくれた。

 魂と魂を繋ぐ糸は運命の役割を果たすらしい。

 よく運命の赤い糸で結ばれた云々、というが、そんな感じだ。


 糸で塊を結ぶといつか必ず出会い、大なり小なり運命的な何かが起こる。

 郵便配達のお兄さんの塊と庭に干してあったハンカチを糸で結んだら、ハンカチが強風で飛んでお兄さんの顔に被さった。

 石と蟻を結んだら、蟻は石の下に巣を作り始めた。

 鉛筆と自動車を結んだら、転んだ表紙にランドセルが開いて筆箱が飛び出てそれを偶然通りかかった自動車が粉々に轢き潰した。

 親戚のおじさんと隣町で見かけた綺麗なお姉さんを結んだら、三年後に二人は会社の同僚になっていた。

 嫌でも運命の赤い糸だとか、因果という言葉が連想された。


 すると俺も俺の魂と頑強な糸で繋がっているどこかの何かといつか必ず出会い、なんかする事になる。

 自分でも抽象的過ぎてよく分からないが、そういう事だ。


 まあそんな事はどうでもよろしい。重要なのは、意図的に運命を、特別な出会いを作れるという事だ。

 出会いは人を成長させるって校長先生が言ってた。磨けば光る見込みのある魂に運命を繋ぎまくれば、成長チャンスのフィーバータイムだ。たぶん。


 高校生になった俺は運命をそりゃもう乱造した。俺の魂なんて糸だらけでモッサモサになった。

 綺麗な魂を、デカい魂を、磨けば光りそうな魂を、片っ端から繋げて繋げて繋げまくった。


 当然、物凄い事になった。


 俺の周りは毎日が大事件だった。

 高校の事務室に住み着いている野良猫姉貴が不審者を引っ掻いて撃退した次の日には廃屋でボヤ騒ぎが起き消防隊が焼け跡から数十年前の白骨死体を見つけ、その日の深夜に俺が階段から転げ落ちたまたま訪日していた世界的名医の手術で奇跡的に一命を取り留める、とか。

 運命は幾重にも複雑に絡み合い、それはある時はヘドロのような汚物魂を見違えるように輝かせ、またある時は真っ白な魂をドス黒く染め上げた。

 俺の魂は傷だらけで変な形に変形したまま固まってしまい、綺麗にはならなかったが、何かこう、底知れない重みを持つようになった。


 大学生になる頃には、俺の周りには奇妙奇天烈な人脈ができていた。

 警察に徹底マークされ、大学へは日本有数の暴力団に丁重に送迎され、アイドル顔負けの美少女婚約者がいて、その子からは死ぬほど憎まれている。

 五回引っ越し六社を倒産させ七回死にかけ八つの特許を取得し九ヶ国を旅した。

 迫真の演技で大ヒットを飛ばし一躍時の人になった映画俳優とは毎週末に飲みに行く仲で、地元市長からは会う度にネチネチ嫌味を言われ、元大統領からは毎年誕生日プレゼントが贈られてくるし、大体半年おきに骨折するか監禁されるか拷問される。

 俺が住む邸宅は奇人変人悪人聖人有名人のサロンと化し、訪問者が絶えないし討論も出会い喧嘩も和解も感動の再会も絶えない。


 俺の事を神か悪魔かと人は言う。

 神でも悪魔でもいい。綺麗な魂が見れるなら、俺は喜んで運命に弄ばれるし弄ぶ。


 そんな波瀾万丈に過ぎるある日の真夜中の事だ。

 俺は出資している研究者の一人から電話を受けた。興奮していたが、世紀の発見だとかなんとか言っていて是非来てくれというから、翌日の講義に遅刻するのを覚悟して欠伸を抑えながら研究所に向かった。


 そこでは俺の八つの特許を使い、九ヶ国から招聘した良い魂した奴らが共同開発をしていたはずだ。分野は違えど全員の志は一つ。


『異世界に行きたい』


 そんな中学生の妄想のような願望を極めて真面目に人生をかけて追い求める楽しい連中の巣窟だ。

 俺は異世界なんてどーでもいいが、綺麗な魂を更に輝かせるためなら出資は惜しまない。財産管理は秘書に任せているからはっきり把握していないが、小国の国家予算並の金をぶち込んでいた気がする。


 広々とした研究所のエントランスで出迎えてくれた主任研究員は俺の手を掴んでぶんぶん振って狂喜しながら大発見について早口に説明してくれたが、俺は彼の魂を見えざる手でスリスリするのに忙しくて耳に入らなかった。

 彼の魂は少し見ないうちにまた明度を増し、美しくなっていた。ここの研究員達はアタリの原石(魂)が多くてナイスだ。

 つくづく摘出して飾れないのが惜しい。誰か魂の摘出保存技術を開発してくれないだろうか。くれないだろうな……


 手を引かれるまま研究所の奥まった部屋にある摩訶不思議な大型装置の前に連れて行かれる。

 それを見て俺は数年ぶりに度肝を抜かれた。普通なら人生に一度あるか無いかの一大イベントを日課の如くこなしてきたおかげでここ最近は驚く事も少なかったが、今回ばかりは驚いた。


 それは幾何学的な構造の五メートルぐらいの大きさの機械だ。大小様々な金属質の円環が11輪重なり合い、向きも速さもバラバラに回転している。

 機械本体の周りには観測機器とコードが所狭しと並び、その間を縫うようにして研究者達が忙しなく動き回っている。設置されたモニターの一つには円環の中心点がめちゃくちゃに歪んだ立体モデルが刻一刻と形を変えながら映し出されていた。

 主任は震える手で円環の中心点を指し、言った。


「一時間前、あの先に異世界の存在を観測しました」

「それは見れば分かる」

「!?」


 分かるから驚いたのだ。

 俺の魂から伸びる運命の糸が、真っ直ぐ円環の中心へ伸びて吸い込まれていた。


 なるほど。

 そういう事だったのか。

 一瞬めちゃくちゃ驚いたが、驚きが過ぎれば一周回って納得しかない。


 運命で繋がったモノは必ず出会う。

 俺の運命は異世界に繋がっていた。例え行き着く先が異世界でも、運命で繋がっているなら必ず出会う。

 なんの事はない。俺もまたこの運命に操られていたのだ。

 八つの特許技術を閃いたのも。それを活かせる研究者達を九ヶ国から見つけ出したのも。こうして結果がでたのも。そうならなければ異世界に存在する何かと俺は出会えないからだったのだ。

 もしかしたらあの糸が俺の魂に繋がった瞬間から、俺の意思だと思っていた全てはここに行き着くために誘導されていたのかも知れない。


 恐ろしい予想だったが、悪い気はしなかった。操られていた、というのは後ろ向きな表現だ。俺は導かれていたのだ。

 というか今まで散々自分で自分の運命を弄んでいたのだから今更である。


 俺は自分の魂に繋がるこの運命の先に何があるのか改めて気になった。


「アームストロング船長に勝るとも劣らない偉大な一歩の前進だ。おめでとう。それであの先はどこに繋がってるんだ?」

「変動中です。端的に言えばこの世界ではない世界とランダムに接続が切り替わっています」

「あの中に入るとどうなる」

「目下研究中ですが、天文学的幸運に恵まれない限り異世界への侵入物質は瞬時に最低でも素粒子まで分解される説が有力です」


 なにそれヤバそう。

 ヤバそうだけど好奇心が抑えられない。

 あの円環の先に長年俺の運命の相手がいるのだ。俺が作った運命ではない、未知の何かが。


 これまで数えるのも面倒なほど運命を作ってきたが、未だに運命の糸をあんなに固くはできない。納豆の糸がしつけ糸ぐらいの丈夫さになっただけだ。

 この先にいる何かは、世界の壁を超えて運命を繋ぐ術を知っている。運命を並外れて頑丈に作る方法を知っている。

 もしかしたら、もっと効率の良い魂の磨き方も知っているのでは……!?

 もしかしたら、もしかしたら! 俺と同じ巨大魂の持ち主で、しかもギンギラギンに輝いているなんて事もあるんじゃないだろうか!


 ソワソワしてきた。あの先にいる何か(の魂)を見たくて見たくてどうしようもない。

 ひゃあ、我慢できねぇ! 突撃だぁ!


「たましー! たのしー!」

「え、ちょっ待って下さ、おい誰か止めろ!いつもより発狂してる!」


 床に描かれた赤線を踏み越え、助走をつけて円環の中心点に身投げする。駆け寄った研究員が慌てて伸ばした手が届く前に、俺の身体は世界の壁を越えた。


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― 新着の感想 ―
うひょひょーい なんか半ギレ味を感じるぜ ひゃっはああああああ!!!!!
うーん、やっぱハガネ先生のキャラ好きすぎる。奇想天外マン多すぎwww
[気になる点] ここで切る!? [一言] 冒頭のコメントが… 続きが気になります。
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