06 私はもう冒険者です！
急いで書いたので少し短めになりました。
ついに・・・ついに来たぁ！
今私はシースさんと一緒に冒険者ギルドまで来ています！ちなみにセムも一緒です。
セムについては従魔登録をしないといけないらしいです。
ちなみに今の私の口調は、シースさんに「もう少し女の子らしくしたら？」と言われたので練習中です。
シースさんに連れられて、建物の中に入っていきます。
ところが、私達が中に入った瞬間、中にいた冒険者の人達に睨まれたのです。
・・・そういえばシースさんは商人でしたね。まぁそこはしょうがないんでしょうか・・・
だけど、みんなセムを見た瞬間こわばって目をそらしました。あ、怖いんですね。流石です、セム。
シースさんは気にせず受付の方に歩いていきます。受付には結構ゴツいおじさんがいました。
「何だ・・・」
「冒険者登録と売却だ。あ、あと星狼の従魔登録もな」
おうおう・・・シースさんも怖いですよ・・・
おじさんもセムを見てかなり驚いてました。
「登録はこのお嬢ちゃんだ」
うわ・・・おじさんが睨んできました・・・
怖いです。あっち向いてください。
「分かった。必要事項を書いてから俺に渡せ。従魔契約については準備が終わるまで少し待ってろ」
おじさんはそう言いながら私に何か書類のような物とペンを渡して来ました。
おじさんは後ろの人に何か耳打ちしています。まあいいです。
名前、年齢、特技、スキルの欄があります。
スキルについては全部書いたらやばいですね。
名前は普通にユミルと、年齢は・・・もうっ！ 7歳でいいですっ！
特技は魔術、スキルは魔の才と書いておじさんに渡します。
おじさんはそれを見て、
「ほう・・・魔の才を持っているのか。なかなかだな・・・」
と言うのです。神様はチートって言いましたが、そんなに珍しくないようです。
「おいお嬢ちゃん。魔の才のレベルってわからんか？」
と聞いて来たのです。さすがに正直に99って答えるわけにはいきません。この数字だけは異常です。
言うわけにいかないので、「教えません」と言って睨んでおきました。
おじさんは「そうか」と言って奥の方にひっこんでしまいました。
何か悪いことしたでしょうか・・・いや、いちいち気にする必要ありませんけどね・・・
しばらくしておじさんが一枚のカードを持って出てきました。
「これが冒険者カードだ。最初のランクはFだな。精々、がんばるこった」
ふむ・・・冒険者ランクまでもFですか・・・
「うん、わかった。おじさんありがとう！」
にっこり笑ってみましたが、おじさん変化無しです。クソッ・・・
さて、次は売却ですね。黄金鳥はどれくらいの値段なんでしょう・・・
ここに来る前にシースさんに聞きましたが、例えばこの街で一週間住むには、3000ミール程がいるらしいです。通貨の単位がミールだと言うこともこの時知りました。
買取カウンターにシースさんが黄金鳥を持っていきます。
袋から出した瞬間、カウンターの人(今度はお姉さん)の動きが止まりました。
「これの買取を頼む」
ん？お姉さん応答無しですね・・・よく見たら硬直しています。・・・と思ったら現実に戻ってきたようです。
「へ？・・・あ！はいっ！えっと、これ全部ですか？」
「うむ。代金は全部こっちの嬢ちゃんに渡してくれ」
周りの人に再度注目されましたが、セムが睨み返したので目線は散りました。もうあんま見ないで・・・
あれ？従魔契約はどこでやるのでしょうか・・・
「わ、わかりました！少し鑑定にお時間をいただきます。それまではあちらの椅子でお待ちください」
シースさんはそう言われると椅子の方に歩いて行きました。
私も当然ついていきます。
20分ほど待たされました。
買取額は170万ミールだそうです。なんかやけに安いですね。5キロはありましたよ？
金の相場が違うと言うことでしょうか・・・
まぁ、どっちにしろ、ありえないほどの大金です。大事に使いましょう・・・
お金は全て冒険者カードの方に振り込まれたようです。170万・・・さすがにこの額はバレたらやばいようですね。シースさんと使い道について話しています。
「お家を買ったほうがいいですかね？」
「いや、まだユミルちゃんがここに滞在するって決まっていないでしょ？」
う・・・言われてみればそうです。どこに住むかは旅をして決めるのでした。セムと一緒に住めるとこがいいな・・・
あ、あとは・・・猫を飼いたいですね・・・のんびり暮らしたいです。
・・・じゃあこれからしばらくは貯金に精を出しましょーか！
「えっとですね、もう少し世界を巡って見たいと思います。住む場所もその時決めます！」
「ふーん、いいんじゃないかな？でも、狙われないように気をつけてね？」
「そ、そこはセムが守ってくれるかと・・・」
《・・・そうだな》
安全については良さそうです。さて、従魔登録まだですかね。待ちくたびれたし、お腹が空きました。
「おーい、従魔登録するって言ってたやつー！ これからやるからこっちこーい！」
呼ばれました。・・・呼ばれたのはいいんですが・・・注目されてます。
「さ、ユミルちゃん、行っておいで」
「・・・はい」
はやく登録してここを出ていきましょう。ささ、行きますよとアイコンタクトでセムに伝えます。
なんか灰色の壁の部屋に来ました。机しかない質素(？)な部屋です。
「じゃあ、これから従魔登録をはじめるぞ。まず、お嬢ちゃん。机の上の魔法陣に手を乗せてくれ」
机の上に手の2倍くらいの大きさの魔方陣があります。ここに乗せればいいんですね？
手を乗せると魔方陣が青白く光り始めました。
「じゃあ次にそこの星狼。手を置いてくれ」
私は手を退けて様子を見守ります。というかセムは手を乗せられるんでしょうか・・・
あ、軽々と乗せてます。
セムが手を乗せるとセムの手の上に何かの紋章(？)が浮かび上がりました。
ぼーっと見ていると、私の手の甲に熱を感じました。見てみると・・・セムとおなじ紋章が浮き上がってます。セムと共通なのを確認してホッとしました。
「さ、従魔登録は完了だ。ロビーの帰るぞ」
シースさんのところに戻って、従魔登録が完了したことを伝えます。
「じゃあユミルちゃんは宿をとらないとね。明日はラーファスの観光案内をしてあげるよ」
「ホントですか！？ ありがとうございます！」
明日が急に楽しみになりました。
さあ、さっさと宿に行っちゃいましょう♪
ちょっと今回は文章に自信がありません。
変なところがあったら指摘をお願います。
