05 初めての街ラーファス
書き方を少し変えてみました。
どっちが読みやすいんだろう…
ーーー目が覚めた。異世界初めての目覚め!とか毎回言ってるときりがないので以後省略。
というか目覚めに限ったら初めてじゃないか・・・
さあ、おはようの挨拶です。
セムは馬車の周りをグルグル走ってた。
「セム、おはよー。何してんの?」
《ユミルか。朝の運動だな。これくらいはしないと身体が鈍る》
そ、そうなのか・・・ボクの体力向上にも効果あるかな?
「セムー、それってボクの体力上げれるかなー?」
《どうだろうな。毎日欠かさずやれば上がるかもしれんが、効率がちと悪いな》
そ、そうですか・・・。でも一生非力の少女なんてやだよ! せめて同年代の男の子レベル・・・それじゃ少ないか・・・
まぁ、体力については追々やっていくとしてー
シースさんのところにも挨拶にー
シースさんは馬の世話をしていた。
「シースさん、おはようございます!」
「お、ユミルちゃん、おはよう」
馬の方に歩いていって正面に立ってみる。僕の体が小さいせいか迫力ハンパないな。
「で、でかい・・・」
「いや、この馬はまだ小さい方だよ。軍馬のいいやつなんかこれの2倍くらいあるかなー?」
に、2倍だと・・・。それは走らせるだけで脅威だな・・・
にしてもデカイ・・・ボクの今の身長が130無いくらいだから、こいつは頭のてっぺんの高さが2メートルくらいか?
でももう一頭はどうした?
「あれ?もう一頭いませんでした?」
「あぁ、あっちはエドがやってるよ」
「・・・エドって誰ですか?」
「あー、まだ紹介してなかったね。あの赤髪の護衛さ」
「あぁ、あの人ですか」
赤髪の護衛さん。最初に会った人ですね。
「ちょっとあっちも見て来まーす」
「うん。もう少ししたら朝飯だからね。エドは馬車の反対側にいるよ」
「わかりましたー」
そう返事して馬車の反対側まで走る。
「エドさん、おはようございます!」
「ん?あぁおはよう。・・・俺って名前教えたか?」
あー、まだ本人からは聞いてなかったか。
「いえ、シースさんに聞きました」
「そうか」
エドさんが世話している馬もさっきと同じ大きさだ。ほとんど姿は変わんないな。
「で、ここへ何しに来た?」
「え?いえ、ちょっと馬を見に来ただけです」
「そうか・・・こっちはいいからあの星狼の世話をしてやれ」
あー、セムもお手入れとかいるのかなー。まあ聞いてみるか。
「わかりましたー」
そう言ってセムのところまで走る。でも、セムの手入れがいるとなればその道具とかもいるんじゃないか?うーん、浄化魔法とかあればいいんだけど・・・
「セムー」
《ん?なんだ?》
「セムってさー、お手入れする必要あるの?」
《いや、汚れについては自分で浄化魔法をかけるからいいな。だが、毛についてはたまに毛繕いをしてほしいものだ》
「う・・・わかったー。週一くらいでいいかな?あと今は道具がないから無理だねー」
《うむ、いいぞ。まぁ街にはあと1日ほどで着くだろう》
「そうか・・・」
ん?ちょっと待て。ボクはそんな道具を買うお金なんてないぞ?
ま、まぁシースさんに・・・。いや、そんな迷惑はかけられない。うーん、どうしたものか・・・あ!セムだ!セムに何か獲って来てもらって街で売ればいいじゃんか!
「そういえばセム、街に着くまでにさ、少し何か売れるものを獲って来てもらえる?できれば荷物を増やしたくないから街に着く直前にねー」
《うむ、いいだろう》
よしっ!お金問題クリア!これでなんとか生活はしていけそうだ。よかった・・・。話が終わったところで朝飯に呼ばれた。さてどんなご飯かな?今度はさすがに貧相なものだろうがな・・・あまり期待しないでおこう。
朝食は黒いパンに干し肉の戻したもの(?)がサンドしてあるやつだった。決して美味しくはないが不味くもなかった。
この日はずっとセムに乗って馬車と並走していた。すごい楽しかったけど、かなりの長時間なので退屈でもあった。
そしてまた夜がやって来た。
「ユミルちゃん、明日の昼には街に着くけど、街に入るときのことについて相談しようか」
そう言われて気がついた。身分証も無ければ、お金もないのだ。さてどうするかシースさんと話し合った結果・・・ボクは密輸品になることになった。
荷物は中までは調べられることはないらしいから、多分大丈夫なんだそうだ。
街の門が見えたら荷物の中に潜り込む、という簡単な計画である。
街の中に入った後のことについては、
「どこかのギルドの加入料くらいは払ってあげるよ」
と言ってくれたので、身分証については大丈夫だろう。あとはお金の問題なのだが・・・
「シースさん、街に入る直前に、換金用の魔物をセムに獲ってきてもらってもいいですか?」
「うーん・・・そんなにかさばらない物ならいいよ」
「ありがとうございます!」
ふぅ・・・これであっちの宿にも泊まれるかな? あーでも、セムが泊まれるような所あるのかな・・・
「シースさん、街の宿にセムが泊まれるようなとこってありますか?」
「うーん、少し高いだろうけど、あると思うよ」
あるみたいだ。少し高い程度ならセムの獲物の収入に任せればいいかな?
色々相談した後に夕飯を食べた。シースさんに早めに寝るように言われたから今日は早く寝るようにした。
―――目が覚めた!3日目だ!
外に出るとシースさんがもう出発の準備をしていた。寝坊しちゃったかな?
「おはようございます」
「おはよう。ちゃんと眠れた?昨日よりかなり長かったようだけど」
「はい、結構眠れました」
「うん、じゃあ昼前くらいには荷物の中に紛れてもらうからね」
「はい、わかりました」
「朝食はもう少し待っててね」
「はーい」
セムの所に向かう。
「セムおはよー」
《うむ。魔物はいつごろに獲ってくればいい?》
どうしよう・・・まぁボクが荷物の中に入る直前でいいか。
「じゃあ昼前におねがーい。なるべく小さくて強いやつね」
《分かった》
強いやつというのは多分高く売れるからだ。売るなら高い方がいい。長期とまではいかなくても情報集めは今向かってる街でやるつもりだからな。
朝食を食べたら出発した。昼の休憩までは昨日と一緒だ。だけど休憩直前に馬車に乗り移った。セムはものすごい速度でどこかに行ってしまった。
それにしてもやっぱり馬車はすごい揺れる。今回はまだ気持ち悪くなってないが、こんな揺れの中で眠れたのは奇跡に等しい・・・
ボーっと考え事してたら昼の休憩になった。馬車が止まる。外に出るとふらふらする・・・まあそんなに酷くないからいいか。
セムが帰ってきた。・・・・・・ナアニソノキンノトリ・・・
僕くらいの大きさの黄金色の鳥をセムが咥えている。どんなものかわかんないから知之主に聞いてみた。
「この鳥ってなに?」
【・・・これは黄金鳥です】
思いっきりそのまんまじゃないか・・・これどうする?
【この鳥の羽と肉は黄金と等しい価値があると言われています。売却には最適と思われます】
そうなのか・・・セムにお礼を言っておく
「ありがとう。それ売るのにはいいらしいからねー」
《うむ。こいつは普通に貴重な鳥だからな。見つけるのに結構な距離を走って来てしまった》
「ふーん・・・じゃあそれはシースさんに渡してこようか」
《うむ》
シースさんは鳥を見て一瞬呆けて、その後悲鳴を上げた・・・
羽の一枚を欲しがったので一枚だけあげた。やっぱり貴重なようだ。
昼飯を食べたら荷物の中に入るように言われたので、牛の皮(?)がたくさん入っている袋と床の隙間に入った。
セムはもう少し大きい隙間に入ったようだ。あの大きさで入ったんだな・・・
馬車が動き出した・・・やばい。座ってた場所よりもかなり揺れる。でも街に入るためなので我慢・・・
1時間くらい走り続けると馬車が止まった。シースさんが話しかけてこないのでもう街の門なのだろう。話し声はコソコソと何か聞こえてくるくらいだ。
止まって1分くらいするとまた走り出した。今度はかなりゆっくりだ。少し進んだところでシースさんに話しかけられた。
「もう外に出ていいよ。星狼もいいよ」
外に出てふらふらしながら周りを見回す。・・・綺麗な街並みだ。中世ヨーロッパ?それよりは進んでいる。現代風の古びた石造り?って感じだ。
周りにはあまり人がいない。
「ここらへんはあんまり人がいないんだ。さて、ユミルちゃん」
「はい?」
「・・・ラーファスの街へようこそ!」
笑顔でそう言われた。
つ、ついに街についた・・・
次回はユミルが冒険者に!
次回の投稿はもう少し後になります
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