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04 狼さんとの出会い

狼さん来ました!

狼が現れたのは馬車の後ろの方からのようだ。全速力でそっちの方へ走る。

現場に着くと、赤い狼の群れと護衛の人たちが戦っていた・・・


「だ、大丈夫ですか!?」


護衛の一人が振り向いて、


「おい!危ないから来るんじゃない!」


と叫んできたけど知るもんか。さっき神様がお供に狼をくれるって言ってたんだから。

四人の護衛の内一人は負傷している。肩から血を流している。うわー・・・痛そう・・・それに対して赤い狼はあと5匹ほどだ。

おそらくこのままじゃ負けてしまうだろう。なんとかしないと・・・


「グルゥゥ・・・」


驚いて背後を振り向くと、赤い狼が1匹ボクの方を狙っていた。


「チッ・・・おい、知之主、どうする」


【主様は回避に専念してください。こちらが動きを予測します】


「了解っとぉ・・・」


飛び込んできた狼の体当たりをすかさず避けて距離をとる。

あの狼がこちらにまた体当たりをかまそうとして、踏み込もうと・・・


《静まれ》


!・・・何かが話しかけてきた。知之主ではなさそうだし、他の人たちも驚いているようだからあっちにも聞こえたのだろう。


「おいおい、嘘だろ・・・」


なんか護衛の一人が呟いてる。視線の先を見ると、深い紺色の毛並みをしたさっきのよりも一回り大きい狼がそこにいた。


「ありゃなんだ?」


【おそらく星狼(スターウルフ)でしょう。赤狼(レッドウルフ)の群れに便乗しているのかと】


おぉ、あれが神様からの・・・デカイな・・・


星狼(スターウルフ)ねぇ・・・」


そう呟くと護衛のみんながさらに驚いたようにこっちを見てきた。反応に困るので困惑顔を返しておいたが・・・


《そこの少女に話がある。》


うおっ、あー、呼び出されちゃった。少女って言われるのも気に食わんけど、まず少女って言えるほどの年齢か?


《こっちへ来い》


「は、はい・・・」


乗せてもらう時に話した赤髪の護衛の一人が身構えていたので、


「大丈夫です」


と声をかけておいた。一応構えは解いてくれた。

ボクはゆっくりと狼の方へ歩いていく。

目の前に立ってみて、驚いた。赤狼がこの体で胸くらいの高さだったのに対し、星狼は頭の高さよりも高い。


「な、なんでしょうか・・・」


《そう怯えるな》


重く響く声にビクゥッってなった。怖い怖い・・・


《我は星狼のセムルスという。星神様からの指示でお前のお供をすることになった。よろしく頼む》


「せ、セムルスさん?」


《うむ》


「よ、よろしくお願いします。ボクはユミルと言います」


《まぁそう怯えるな。これから長く一緒にいるのだからな》


そう言ってセムルスはフッと笑った。少し楽になった気がする。


「じゃあ、セムルスのことをセムって呼んでいいですか?」


《・・・うむ、いいだろう》


少し考えた後にセムルスはそう言ってくれた。


「じゃあセム、これからよろしくお願いします!」


《うむ》


こうしてセムはボクのお供になってくれたんだが・・・


「す、星狼(スターウルフ)を従魔に!?どういうことだ・・・」


「い、いえこれは・・・」


護衛さん、すごく怯えてます・・・



「ほ、本当に安全なのかい?」


「はい、怒らせでもしなければ大丈夫だと思います」


そう言うとシースさんは安心してくれたのだが・・・



星狼(スターウルフ)ってそんなにすごいのか?って思ったから聞いてみる。


「あの、星狼(スターウルフ)ってそんなにすごいんですか?」


「「「「凄いに決まっている!!!」」」」


と護衛の人たちに口を揃えて言われてしまった。

シースさんが、


「あのね、ユミルちゃん。星狼(スターウルフ)っていうのは、D級からS級までの魔物の中でも最上級であるS級に属する魔物なんだよ」


と言われてしまった。前から思ってたけどこの人の喋り方って中性的だな。


結局セムが


《安心しろ。ユミルに手を出さない限りは我も暴れたりはしない。》


と言ってくれたので引き続き一緒に街に行ってくれることになったが


《ただし、ユミルに手を出した場合は死を覚悟しろ》


なんて怖いセリフを言ったせいで、場の空気が再び張り詰めた。

もうしょうがないので、


「ま、まぁいいじゃないですか。ボクに手を出しそうな人はここにはいないですし。」


と言って話を終わらせておいた。

赤狼についてはセムが全て排除してくれた。あいつらやっぱり仲間じゃなかったんだ・・・

静かだったのは怯えてたのかな?

とにかくセムの件については落着してくれた。


―――ついにこの時間がきた!

そう、夕飯である。夕飯はシースさんが用意してくれる。と言ってもパンと干し肉と水程度だろうが・・・

そういえば・・・セムに狩ってきて貰えばいいんじゃね?

頼んでみた。


「セムー、何か食べれる魔物を狩ってきてくれない?」


《分かった。ただし、我にも分けてくれよ?》


「うん、シースさんに言っておくー」


そう言うとセムは闇の中に駆けていった。

ボクはシースさんのところに向かった。


「シースさん!」


「なんだい?」


「セムに何か食べれるものを狩ってきてと頼んでおいたので、準備をお願いできますか?」


「え!?それは本当かい?」


「えぇ、あと、セムも食べるらしいです。」


「分かったよ。準備しておくね。でも味付けは素っ気ないからね。」


「はい!ありがとうございます!」


よし、これでオーケーだな。あとはセムが帰ってくるのを待つかー

ーーー5分くらい経つと、セムが何かを咥えて帰ってきた。なんか怖い


「セム?それ何?」


《これは石猪(ストーンボア)だな。生きているうちは皮が硬いが、死ぬと普通の皮に戻る》


「う、うん、分かった。じゃあそれをシースさんのところに持って行こうか」


石猪(ストーンボア)を持ってシースさんのところに向かった。

シースさんに見せてみると、


「え!これ!?これって石猪(ストーンボア)だろ!?よくこんなの獲れたな。こいつはB+の魔物だぞ?」


「あ、セムに獲ってきてもらいました。」


「マジでか・・・本当に星狼(スターウルフ)だったんだな・・・」


《当たり前だ》


「それでシースさん、それで夕飯って作れますか?」


「あ?あぁ、作れるよ。というか贅沢な夕飯になりそうだ。ところでユミルちゃん。この石猪(ストーンボア)の皮を貰えないかな?」


そうだな・・・街についたら売れそうな感じもするけど、シースさんにもお世話になってるしなぁ。まぁ、また獲ってきてもらえばいいし、これは渡してもいいかな?


「はい、いいですよー」


「おぉ、ありがとう! じゃあ今から準備するからできるまで待っててねー」


よし、夕飯ができるまではセムと遊んでおくか。どんな夕飯が出来上がるのか楽しみだなー。


セムと戯れあって1時間ほど待ったらシースさんに呼ばれた。


「さ、出来たよ。今日は疲れただろう?しっかり食べなさい」


「はーい。いただきます」


手を合わせるボクの仕草にシースさんは首を傾げているが、構わず食べることにした。

猪肉の入ったシチュー(?)みたいだ。じゃあ猪さん、いただきまーす。・・・パクリ


「・・・おいしい!」


「そうだろう?これでも料理には少し自信があるんだよ」


シースさんの話を無視して食べ続ける。

そういえば味は素っ気ないって自分で言ってなかったか?奮発してくれたのかな?まぁいいか。

昼に食べたネズミと比べてはいけないくらい美味しいのだ。ばくばく食べていると皿の中身がなくなった。いつもならお代わりするところだが、この体じゃそんなに入らないのだ。今日はここでやめておこう。


「・・・ごちそうさまでした」


「おや?もういいのかい?まだあるけど?」


「いえ、そんなに食べられないんです。ありがとうございます」


「そうかい、じゃあ残りは護衛の人たちにあげようかね。」


「はい、お願いします」


ご飯のあと、セムの所に戻った。

セムは何か食べているようだ。


「セムー、何食べてるのー?」


《ん?あぁ、あの猪を焼いたやつだな。さっき商人のやつが持ってきた》


シースさん、いつの間にここまで運んできたんだろ・・・。ボクが夢中で食べてた時かな?

それにしても眠い。今日はもう寝るかーーー。


「セムー、馬車に戻って寝てるから、セムも食べたらボクのとこにきて一緒に寝よーか」


《うむー、分かった。先に寝ているといい》


「うん、おやふみー」


あくびを含んだおやすみを言ってから馬車に戻った。


そういえば、護衛の人たちってどれくらいの強さなんだろ。明日鑑定してみるかー

さて、もう寝よう。街に着くのは明後日らしいからねー。

こうして異世界生活1日目が終わった。

やっと1日目が終わった、、、。遅い、遅すぎる。

次回やっと街に着きます。


感想・意見、お待ちしています!

今日はもう一回20時に投稿します。

誤字などがありましたら教えてください。

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