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02 魔の才

前回と比べてすこし短めです。


だいたい10メートルくらい先。耳が長いネズミ(?)が草をモサモサ食べてる。

そぉーっと近づいて・・・


《・・・火炎弾(ファイアボール)!》


頭上に直径2cmくらいの火の玉が現れて、耳長ネズミ(?)に飛んで行った。


―――ボンッ!!


うわぁ・・・破壊力はそんなにないみたいだから変なネズミの死骸は消え去ってなかった・・・けど・・・


「・・・コワィ・・・」

声が震えた。魔法ってこんなに怖いものなの・・・。

そぉーっと近づいてみて、ネズミが死んでるのを確認した。


「まぁ、あんな爆発で・・・生きてるわけないよな・・・」


死骸のまわりの直径1メートルくらいのあたり地面が焦げていた。草も消し炭だ。


「・・・これ・・・食えなくなったり・・・してないよな?」


確認してみる。・・・よかった、焦げてるのは皮の部分だけみたいだ。


「ねぇ、調理方法ってある?」


【火属性の初級魔術の"点火(イグナイト)"で火をつけることなら可能です。】


「でもそれってここら一面燃えたりしない?」


【・・・・・・】


・・・あ、そういえば、ネズミの死骸んとこ更地だよな・・・


「あそこに草を燃料として火をつければいいんじゃない?」


【それで良いと思われます。】


じゃあ早速・・・まず草をむしってこないと・・・


―――手が痛い・・・。

子供の体ってこんなに傷付きやすいのか・・・。今後気をつけないと、どうなるか・・・。

ある程度の量は集まったから、火をつけようか・・・。


「・・・点火(イグナイト)


ポンッ、て低い音がして、指先に火がついた。


「・・・熱くは・・・ないね」


その火を草に近づけて・・・


「よし、点火完了っと」


あとは、そこら辺に落ちてた木の棒にネズミをブスっと・・・って・・・あ・・・


「これってこのままたべれるの?」


【このネズミを食べる場合には、皮をむき、内臓を取り出してから焼くのが普通の食べ方です。】


ガーン・・・って効果音が必要なくらい落ち込んだわ・・・


「はぅ・・・肉・・・」


くっ・・・これは試練なのかっ・・・しょうがない、やるか・・・はぁ


「・・・どうやってやるの・・・」


【現在は刃物などを所持していないため、素手で解体を行う必要がありますが、よろしいですか?】


げぇぇ・・・キモチワリィ・・・くそっ!


「・・・あぁ、それでいいよ・・・」


【了。それでは説明を開始します。まずーーー】


と、知之主の言う通りにやっていったんだが・・・


「・・・ウプッ・・・・・・オェェェェ・・・」


皮を思いっきり剥いだ瞬間吐きました・・・

涙目になりながら作業続行・・・


「・・・ハァ、ハァ、終わったぁぁぁぁ!」


というか女の子の体って力なさすぎ!皮剥くだけでも大変だよ!


【お疲れ様でした。皮は焦げてしまっている為、ここでの破棄を推奨します。】


「・・・ハァ、じゃぁ皮も燃料に・・・ってぇ!全部燃え尽きちゃってるじゃん!」


ま、またあの痛い痛い草むしりですか・・・。


「・・・勘弁してくれぇ(グスッ」


また涙目になりながら今度は草むしり・・・


「や、やっと・・・ごはん・・・」


じゃぁもう一回・・・


「・・・い、点火(イグナイト)・・・」


弱々しい火が指先に灯った。今にも消えてしまいそうだからあわてて草に近づけた。


「ふぅ・・・点火完了。」


ネズミの皮も焼べちゃって、串刺しにした肉を焼く。


「はやく、焼けないかな・・・」


―――5分間・・・それは苦痛の時間であった―――


「もうOK?」(通算70回目)


【もうよろしいかt・・・】


知之主が答え終わるのも待たず、肉にかぶりついた。


「ハグハグ・・・モグモグ・・・ゴクリ・・・ガブッ」


お世辞にも美味しいと言える肉ではないが、この瞬間は最高に幸せだった。


「・・・ふぅ」


体が小さくなってるせいか、少しの肉の量で十分お腹が膨れた。


「・・・みず・・・」


【・・・水属性初級魔法"湧き水(ウォーター)"を取得しました。使用可能です。】


「・・・湧き水(ウォーター)・・・」


手のひらの上に水が生成され、ボクはそれを無我夢中で飲み干した。


「・・・ふぅ、なんか眠い・・・」


お腹が膨れたからなのか、突然睡魔に襲われて・・・おそらく体力が限界だったんだろう、そのまま眠っ

てしまった。



【主様、起きてください。】


「・・・んー。・・・・・・もーすこし寝かせてぇ・・・」


【魔の才の魔力感知により、何かしらの生物が近づいているのが確認されています】


「!?・・・それって魔物?」


僕は飛び起きて周りを見回した。


【いえ、街道に沿って移動している為、高確率で人間の一行と思われます。】


「ふむ、何人だ?」


【7つの反応があります】


「距離は?」


【2キロほどです。主が進んでいる進路方向で移動中です。】


ふむ、反応の内、2つは馬でいいのか? いや、盗賊ってのもありえるな・・・。うーん・・・まぁすこし様子を見るか・・・。


「じゃあ、距離が700メートルになったらもう一回教えて」


【了解しました】


そしてボクは、この世界で初めて人間と対面することになる。


【主様、距離700メートルです】


「OK、話し合いできそうな人たちかなぁ・・・」


それから数分後・・・


「お、見えてきた」


曲がり道のかげから、馬車を率いた集団が姿を現した。


「できれば行き先まで連れて行ってくれる人たちだといいんだけど・・・・・・すいませぇぇ

んっ!!!」


できる限り大声で叫んだつもりだが、気づかなかったようだ。


「しょうがない、あっちまで走るかー」


ということで走り出したのだが・・・


「やっぱり・・・ハァ・・・全然・・・進まない・・・」


あ、先頭の人と目が合った。あちらも僕に気づいたみたいだ。

やっと馬車の近くまでたどり着いた。


「あ、あの!この先の街まで・・・ハァ・・・連れて行ってもらえませんか?」


やばい、すこし走っただけで足が限界になった。


「お前、誰だ?」


「え?あ、ぼ、ボクはユミルって言います。」


あ、一人称ボクでよかったかな?


「ちょっと待ってろ」


男の人は誰かのところに行ってしまった。

歩きながら待っていると、


「お、お嬢ちゃんかい?街まで連れて行ってほしいってのは」


若そうな男の人がやってきた。


「は、はい。ぼ・・・わ、わたしはユミルっていいます。あの、一緒に連れて行ってもらえないでしょう

か・・・」


「あぁ、私はシースという。旅の商人だ。えっと、ユミルちゃんは何か身分証持ってるかな?」


「み、身分証ですか!?・・・えっと、すいません、持ってないです」


そう言うとシースさんはちょっと驚いた顔で、


「じゃあ、どこにお家があるんだい?」


「え、えっと・・・わかりません・・・」


ヤバい、もう話の流れがやばすぎる。


「はぁ・・・まあいいか。じゃあ馬車の荷物のところに乗ってください。狭いですけど我慢してください」


「えっ、あ、ありがとうございます!」


いいのかい!


「いや、いいよ。ところでユミルちゃん、何か得意なことってあるかい?」


「え?えっと、水と火の初期魔法しかできません。それに魔力容量が少ないのであまり使えませ

ん・・・」


で、いいのかな?まぁ事実だし。


「わかったよ。じゃあ乗りな。」


「あ、ホントにありがとうございます。お、お邪魔します。」


「あ、他の奴らは後で紹介してやるからね。ゆっくり休んでおくといいよ」


「はい、わかりました」


「じゃ、困ったときは呼んでくれ」


と言って、シースさんは前の方へ行ってしまった。


ふぅ、やっと街へ行けるめどがついたぁ・・・やっと安心して寝られる・・・

そういえば帰る場所がないって言い切っちゃったけど、大丈夫なのかな・・・

そんな事を思考しながら、眠りに落ちていった。

簡単に乗せてもらいましたw

感想などをくださったら嬉しいです!

次の投稿はおそらく今週のどこか、、、

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