16 幽霊退治しましょう!
少し短くなりました。
シースさんと展望台に行って思ったこと・・・こんなに高い建物を中世ヨーロッパが造れるわけないですよね・・・まあ、魔法があるから造れるんでしょうけど、文明レベルの認識を改めた方が良さそうです・・・
ごはんの味は普通に美味しかったです。ただ、少し早かったのか、デザートを食べたら動きづらくなりました。
そういえばこの体になって、食べれる量はどれ位減ったんでしょうか・・・減ったという認識しかなくて、あまり食べる量については考えてないんですけど、不死不老でも体型が変わらないとは限らないですし・・・
・・・まあ、それはおいておいて・・・
この後午後からは、買った家を見に行くそうです! といっても、自分の家のはずなんですが・・・あまり実感がありませんね。生前はただの男子中学生でしたし・・・
そういえば、この世界に他の転生者はいるんでしょうか。まあ、不老ですし、ゆっくり探して行きましょう。といっても、何百年、何千年と生きて行くほどの自信はありませんけど・・・
あ、もう出発するみたいですね。幽霊って・・・ゲームとかにあったような怖いやつとかじゃ無いですよね・・・
「ユミルちゃんって光属性魔法って使えるのかい?」
やっぱり聞いてきますね!
「はい、一応使えますよ? アンデッドには何級位の魔法だったら通用するんでしょうか」
初級魔法だけ習得して、通用しなくて知之主での取得に手間取ってダメージ食らうのはいやですから・・・不死ですけど・・・
「そうだね、単体なら中級の聖閃光程度で大丈夫だと思うよ? まあ、うじゃうじゃ出てきたら、上級魔法の聖域で範囲攻撃を食らわせれば大丈夫だと思うよ?」
「そ、そうですか・・・」
ち、知之主っ! なんだか知らない魔法が出てきましたよっ!? この二つの魔法について説明お願いします!
【了。まず、聖閃光ですが、光属性中級に属する単発魔法です。次に、聖域ですが、光属性上級に属する範囲魔法です。尚、主様は聖閃光の同時発射数、聖域の効果範囲を操作することができます】
えっと・・・光って上位属性ですよね・・・? そんな簡単にできるようになるんですか?
【問題ありません。主様にはスキルがありますので】
あ、そうですか・・・
そんなことを話しているうちに、件の家に着きました。や、もう屋敷って言っていい大きさですけどね・・・
それにしても・・・
「・・・外見は綺麗なのに、なんだか不気味な感じがしますね・・・」
「うん、アンデッドモンスターが住み着いている証拠かな。ここの屋敷のアンデッドは、全体的にレベルは低いけれど、数が多くてね・・・下手に冒険者を突入させると囲まれちゃうせいでこれまで放置されてきたんだけどね」
・・・全体的にレベルが低いなら、聖域で一気に潰した方がいいでしょうか・・・
【肯定します】
じゃあ、シースさんに提案してみましょうか。
「シースさん、光属性の範囲魔法で殲滅すれば問題ありませんか?」
「え? あぁ、そうだね。でもユミルちゃん、そんな魔法使えるの? 光の範囲魔法なんて、上級以上にしかないはずだよ?」
「はい、問題ありません」
「そ、それじゃあ、やってみようか」
それにしても、シースさんの驚きよう・・・上級魔法ってそんなにできる人少ないんですか?
【肯定します。上級魔法を行使できる人族は、この世界には1万人程しかいません。尚、この世界の全人口は、27890万人です】
約2億8千万人ですか・・・多いか少ないか微妙なところですね。
そういえば、上級魔法ってまだ使ったことありませんけど、魔力量は大丈夫なんですか?
【目の前の屋敷の敷地内全てに聖域の効果を及ぼす場合は、現存魔力を全て使用します】
えっ!? それって、また気を失うってことですか!?
【肯定します】
それはちょっと・・・でも今回はシースさんがいますし・・・迷惑ですけど・・・まあいいですよね?
さて、じゃあやりますか!
「シースさん、今から
聖域で敷地内のアンデッドを殲滅しますね」
「う、うん、わかったよ。がんばってね、ユミルちゃん」
「はい、あと、今回は上級魔法ですので、使った後魔力切れで倒れるでしょうから、そのあとはこの屋敷の中に運んでもらえますか?」
「うん、わかったよ」
「それじゃあ、いきますね」
じゃあ、知之主、光属性魔法を上級まで全て取得お願いします。
【了。光属性初級、中級、上級魔法を取得します・・・取得しました。使用可能になった魔法は、初級4つ、中級3つ、上級5つの合計12の光属性魔法です】
あれ? なんだか通知の内容が詳しくなってますね・・・まあいいです。
「それでは・・・聖域っ!」
魔法を行使すると、屋敷の敷地内のみが光り出して・・・直後意識を失いました。
ーーーシース視点ーーー
今さっき、女の子・・・ユミルちゃんは目の前ですごいことをしてくれた。屋敷内のアンデッドを光魔法で一掃したのだ。流石にこれには驚かないといけない。まだ見た目6歳か7歳の幼い女の子が、光属性の上級魔法を行使したのだ。そしてなにより、詠唱をしていなかった。無詠唱魔法はスキルで使うことができるが、先天スキルはこれ程強力なものを持った人は見たことがない。神に選ばれた子なのだろうか・・・と、神様を信じてもいないのに考えてしまう。まあ、今はこの子を屋敷の中で眠らせてあげるだけだ。流石にこれ程の才能があっても、魔力量は未発達のようだ。エルフってわけでもないようだし・・・
それにしても、この子と一緒にいると楽しいなぁ・・・家を王都に買ったってことは、ここを拠点にするんだろう。学校にでも通うんだろうか。まあ、その時は推薦状を書いてあげよう。まあ、僕は門外漢だからあまり意味はないかもしれないけれど。
「・・・んぅっ・・・んー・・・」
どうやら、起きたみたいだ。それにしてもこの子、言葉遣いを教えた時に思ったんだけど、物覚えがよすぎないか? そういう系のスキルとかも持っているかもしれないな・・・
ーーーユミル視点ーーー
「・・・んぅっ・・・んー・・・」
目が・・・覚めました・・・これは・・・灼熱空間の時の魔力切れよりもきついですね・・・
「ユミルちゃん、起きたかい?」
「んぅ・・・はい・・・何分くらい寝ていましたか?」
「15分くらいかな。ああ、ここは屋敷のリビングだよ」
・・・広すぎませんか? もう、セムを部屋飼いできますね、そうしましょう。飼うって言っていいのかはわかりませんが・・・
それにしても頭がクラクラしますね。もう少し寝かしてもらいましょう。
「シースさん、もう少し眠っていてもいいですか?」
「うん? いいよ。じゃあ僕は屋敷内にモンスターが残っていないか見てくるね」
「はい、気をつけてくださいね」
それにしても、随分あっさりした幽霊退治でしたね・・・
そのまま私は再度眠りました。
思ったより書くのが進まない…
多分ここで「旅と家探し編」終了です。
次は多分ダンジョンとかですね。




