11 王都行きの旅
予定通り更新できました・・・
地竜事件が解決(?)してから一週間が経ちました。
なぜ一週間もラーファスにとどまっていたのかと言うと、私の名前が広まりすぎて、外に出ると大変だったのです。
おかげで、報酬もまだ受け取ってません・・・といっても、報酬はたいしたことないのです。殆どの地竜は、私が呆然としている間に皆んなが持って行っちゃいましたから・・・
結局私が手に入れたのは、最初にぶっ放した魔法で倒したやつの7匹程度です。まあ、お金はある程度あるので気にしなくていいんですけどね・・・
それよりも問題なのは・・・
「あ! ユミルちゃん、おはよう!」
「お! 遂に出て来たかー!」
「ユミル姉、おはようっす!」
「おぉ! 紅の姫のお出ましか!」
これです。この騒ぎです。最初の2人はいい・・・ユミル姉って、7歳の幼女にお姉さん呼ばわりですか!?
つーか、紅の姫ってなんですまそれ。まだそんなにこの世界に来て時間が経ってないのに・・・
「あーもうっ! 五月蝿いですから退いてくださいっ!!」
怒鳴りましたけどやっぱり・・・
「怒るユミルちゃんも可愛いねぇ」
「うん、やっぱり可愛いな。あれだけ恐ろしい魔法を使うと言うのに・・・」
もうっ! なんですか! これは!
「ですから! 報酬を受け取りに行くので、退いてください!!」
やーっと道を開けてくれました。はぁ・・・
ロリコンどもめっ!
「すいません、この前の地竜の報酬と、素材売却をお願いします」
「はい、ギルドカードを見せてもらえますか?」
ギルドカードを渡すと、何か水晶の板みたいなものにカードを当てていますね。おそらくあれで、カードに記録されている魔物討伐記録が表示されるんでしょうね。まあ、私の場合魔物使いにも該当するので、そこに表示されていなくても、魔物の死骸さえあればいいそうですが・・・
「じゃあ、素材売却は倉庫の方にお願いします。あと、ギルドカードをお返ししますね。報酬は、赤地竜7体で、7万ミールになります。銀貨7枚ですね 。お受け取りください。では、倉庫まで行きますので、ついて来てください」
今日の素材の持ち合わせはこの前の地竜しかないので・・・それほど期待は出来なさそうですね・・・
「んじゃ、お嬢ちゃん。ここに出してもらえるかい?」
「はーい」
赤地竜をそこにぶちまけます。
「うん、状態は良好。でも少し頭の部分が焦げているね」
うぐっ・・・当たったのはすべてヘッドショットだったんだから、いいじゃないですか!
ああ、そんなに安くなければオーケーですけどね。
「うん、全部ほぼ同じ状態だから、1匹2万ミールで、合計14万ミールだね。あとはカウンターでお願い」
受付のお姉さんは頷いてロビーの方に歩いていきます。
「では、素材報酬の14万ミールです。金貨1枚と銀貨4枚ですね。お受取ください」
受け取ってから私は冒険者ギルドを後にします。
じゃあ、知之主、野宿に必要なものを挙げてくれる?
【了。寝袋、水、食料、ランタン、調理器具、テント、食器類などです。また、安全面を考えると結界の魔結晶の購入の必要もありますが、主様の魔法で十分かと思われます。水も同様です】
りょうかいっ!
その後私は、雑貨屋とかを回って道具を買い集めました。あとは・・・王都までの護衛依頼があればいいんですけど・・・
冒険者ギルドに再度向かいます・・・
「すいません、王都までの護衛依頼ってありますか? 報酬額は気にしなくていいので」
「はい、少々お待ちください」
そう言ってお姉さんは奥の方に引っ込んで行きました。・・・あれ? 依頼って掲示板にあるんじゃないの?
そんなこと考えていると、お姉さんが戻って来ました。
「えーとですね、報酬少な目ですが、これなら今日の夕方には出発できますよ。何故か出発が夕方なので他の冒険者たちは無視ししちゃってるんですよね・・・」
「え? なんで出発が夕方だと避けられるんですか?」
「夜の方が魔物が活性化するんです。だからこの人、何でそんな時間帯に出るんだって言われて、誰も寄って来てないみたいなんです。この前本人に聞いてみたら・・・夜は人が並んでないからとか・・・ふざけてんじゃないの? って思いました・・・」
うーん・・・確かにこの町に入るときは少し並んだから、出て行くときも並ぶのかなぁ。
「それに報酬が少ないから、益々・・・」
うーん、これって大丈夫だと思う?
【安全上問題ないかと思われます。魔物、野盗については、魔の才の索敵能力で感知可能です】
りょーかい!
「じゃあ、それを受けようと思います!」
「え? じゃあ、ギルドカードを出してください」
そのまま依頼登録をしました。
「では、午後7時に北の門に集合となっています。また、他のパーティはいませんので、気をつけて行ってください」
「はーい!」
午後7時ですか・・・
そうそう、この世界の時間は、1日の長さは地球と同じで、一年が400日と結構長め。春、夏、秋、冬で100日ずつになっているそうです。今日は春の53日目らしいですけど・・・因みに、魔物が一番活性化している時期は、夏と秋らしいです。当たり前ですね・・・
まあ、7時までは時間を潰していましょうか。それとセムの手入れもやっときましょう!
–––さあ、6時半くらいになりました。因みに時間はこの町の中央に時計塔が建っているので、そこで確認できるようです。
まあ兎も角北門に向かいましょう。
門の前の広場には馬車は・・・一つしかありませんね。やっぱりこの時間帯に出発するのは私の依頼の馬車以外は無いようです。
「すいません! あなたが依頼者さんですか?」
「んん? 君は・・・あぁ、ギルド職員が言ってた通りだな。そうだよ、依頼主のキルと言います。これから一週間宜しく!」
「あ、ユミルです。よろしくお願いします・・・」
依頼主は・・・見た感じただの青年だった。まあ、確かにめんどくさがりやには見えますね・・・てか一週間もかかるんですか・・・
「それで・・・君だけなんだよね? 大丈夫かな・・・」
「え? あぁ、近接戦闘はこっちの従魔のセムに任せちゃって、私は後衛の魔法使いですね」
「あぁ、そうかい。じゃあ宜しくね。それで君は・・・」
「あぁ、私はセムに乗って行くので、ご心配なく・・・」
「うん、わかったよ。じゃあ早速出発しようか!」
「はーい」
さあ! 王都までの旅、スタートです!
「セム! 1週間宜しく!」
「うむ、それで、速度はどれくらいなのだ?」
「うーん、たいして速くないと思うよ。商人の馬車だし、シースさんと来た時と同じ速さかな?」
「むむむ・・・遅いな。まあわかった。」
「あ、あと、旅の途中に狩がしたくなったら私に言ってね? 死骸の処理が面倒だから・・・」
「うむ、分かった」
さてと・・・じゃああとは
知之主、魔力感知の範囲を常時起動できる範囲で最大にしておいてくれる?
【了。主様の場合は、魔力回復能力が高いため、最大範囲で常時起動が可能のようです。最大範囲で起動しますか?】
うん、宜しく!
【了。起動完了しました】
さて、じゃあしゅっぱーつ!!
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