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思惑

蓮を救う為に、俺は何度も過去へと戻った。その度に失敗して、失敗して、もう今は数えるのを止めた。

正直、しんどいし、面倒だし、止めてしまいたい。けれど、それが出来ない理由が俺にはある。どうしても蓮の事を救わなくてはいけない理由が、そこには固くあるんだ。

「蓮がもう少し、結衣以外の事にも関心と興味を持って、大事にしてくれたらいいんだけどな。」

ポツリと呟く言葉。その言葉が言霊となって叶えてくれたらいいのにと、何度願った事か。願って願って、結局神様は叶えてくれず、ここまで来てしまった。俺は、過去へと戻り続けるし、蓮は命を手放し続ける。もううんざりだ。

しかし、それは今までの事。今回の蓮は少し違う。過去のというか、違う世界線の出来事を微かにではあるけれど、覚えているような、思い出しているような感じだった。それが良いことなのか、悪い事なのかは、全くもって分からない。けど、こんなことは初めてで、今までとは違う何かが起きるのではないかと、少しだがワクワク、そして不安を感じる自分がいる。

あの時はとっさに、蓮を社に近づけたくないと嘘をついた。だけど、社の事を蓮に教えても良いのかもしれない。でも、それで失敗している例もある。社がどういうモノなのかは教えずに、俺も蓮あの社で記憶がーなんて、言うのは有りかもしれない。しかしそれだと、蓮が社に興味を持って勝手に行ってしまう危険性があるかもしれない。

一体どうすればいいのか。蓮が結衣の事が薄れるくらいに、何かに夢中になってくれればいいんだが。

いや、まてよ?前の世界、いや、前の前の世界だったかな?蓮は俺と過ごしている内に、少しづつ元気を取り戻して、結衣の事が少しばかり薄れていたような?

そうだ。蓮は結衣の事に夢中になり過ぎて、友達と呼べる人間がいないんだった。その隙間に俺が入り込んで、うまい事やれば、蓮は助かるかも?

俺達は別の世界でも会ってたのかもなー、なんて他の人には無いつながりもある。そこを強みに、他のどんなやつらよりも、俺は蓮と仲良くなってやる。そして、なるべく社には近づけさせない。扉の事を知られるなんて事はもってのほかだ。蓮を救う。絶対に。そして、蓮を救う事は自分自身を救う事にも繋がる。もう失敗はいやだ。嫌なんだ。

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