二話 転校生
「しかし……改めて感じると、俺一人なんだよな…」
外見はごく普通の校舎を見て呟いた。
もちろん銃等は返却する。うっかり銃刀法違反で捕まったら大変だからな。
正直言って、クラスメイトが欲しいと思ったことはある。だけどそれはもういないし、都合良くこんな学校に転校してきた、ってこともなさそうだしさ。だから今はひたすら生き延びるしかない。俺は今高校二年。学校生活も後半分もない。それまで生きるしかない。
……って待てよ。俺が卒業した後はどうなるんだ? また新しい奴が入って来るなんてことはないだろう。考えてもキリがない。とりあえず今日は帰ろう。
「じゃあ、行ってきます。」
今日も学校。いつも通りの通学路を歩き、いつも通りの一人の教室に……。
「んーー! んん! んう!」
教室には口を塞がれ、動きを封じられた女子。制服はこの学校の制服。とりあえず拘束を解いてやった。
「ぷはぁっ、…あ、ありがとう……私、丹生谷香菜。高校一年生。」
この子は転校生なのか? いや、そんなことより、この子はここの事を知っているのか?
「それにしても、なんであんな事されたんだろ……この教室もあなたしかいないし、なんか銃とかあるし…」
どうやら知らないようだ、うん。
「えっと、落ち着いて聞いてくれ。実はな……かくかくしかじか…」
俺はゆっくり、分かりやすく説明した。まあこんな有り得ないこと分かるかどうか分からないけどな。
「……えっ、えっ、えっ? どゆこと?」
そんな事をしている間に予鈴がなった。ずっとここで説明をするわけにはいかない。
「ああ! もう!」
俺は咄嗟に香菜とかいう子の手を引き、全速力で出口まで走った。途中、襲いかかる化け物を撃ちながら。
その内、人間としての危機を察知したのか、香菜も自分で走り出した。これで少しは楽になるかとホッとした。その瞬間、
「ぐぅ!? がはっ……」
俺は化け物の重たいパンチをまともに腹にくらった。銃が吹き飛ぶ音がぼやけた視界の中から聞こえた。
あー、油断した。俺の命もここまでか。
そう思った時、横から耳に響く銃声が聞こえた。もちろん化け物が銃を使える筈もない。そう、香菜だ。
「ぁ…あ…」
香菜は自分でも何が起きたか分からないような状況だった。お陰で助かったけど。
「早く!」
出口は直ぐ側。俺は香菜の手を引いて出口から飛び出た。




