前へ目次 PR 10/10 名も無き人 名も無き人 駅の改札口から 水みたいに流れこんでくるどす黒いオーラ 目が細い、 なんか人間っぽくないな そしてその生き者は言った 「仕事なんだよ」 そしてその生き者は喜んだ 「安定してるよ」 やがてその生き者は老いた 「退職します」 それから彼は自分を探した 今までの略歴を 震える手で書き出した ついに最期その廃れた心は思った 「私に名前はない」と *********************************************