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蝶々というよりbutterflyが刻まれたzippo。背面に小さく…OtoMと、刻まれていた。
この刻印を偶然、怜生は見てしまった。怜生はOが誰なのか気が気じゃなかった。
修がzippoを送ったのは、職場と子どもたちへの配慮からだったが、健康面から考えればイイものではない。修は、タクシードライバー。仙台はタクシー激戦区だ。
修の月給は歩合制だ。そこも、真梨の結婚へ踏み切れない足枷だった。
安定した給料は自分で稼いでいる真梨。修は精神的な支えになっているけれど、怜生はまだ会っていない。
修の口から、お前の子どもは俺の子どもという言葉は言われてなかったし、事実だから訊くにも聞けない。
不安があるが、修がいなくなっては支えがなくなる。