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電話が鳴る…
俺のケータイだった。
デスプレイには、良一の名前…
こんな時に…そんな思いでケータイを見る。
鳴り続けるケータイ。
朔良が言う「誰から? おにいなんで、出ないの?」
怜生は、その電話を切った。朔良には聞かれたくない気がして。
また、電話が鳴る…
今度は、綾香からのメールだった。
綾香先輩
レオ君、あたしがいるから!
綾香
怜生は、思わず笑みをこぼす。
「な!」と言って、怜生はその画面を朔良に見せ、「言ったろ?」
と言って、良一の存在をごまかした。
綾香に返信するふりをして、良一に
『今、朔良と居るから無理。』
と、送り…
綾香には「先輩、タイミングナイスです。」と、送った。
送った後に何故綾香が、自分のアドレスを知っているのか疑問がわいた。