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「修さん…」
真梨は、修を呼んだ。
「いよいよ、子どもたちと会うわね。」
真梨は、修の返事も訊かず話し続ける…
「怜生が一番心配なのよ。思春期だし…」
そういって、徐に煙草に火を点け…天を仰ぐ。
危険な寝煙草ではない。そして目を瞑り…考える…
…決めたように目を開け修を見た。
「それでも、あなたがいないのは嫌。」
真梨は子どもっぽい口調になったが、修はまんざらじゃない顔をした。
真梨と修は、中休みをもらって逢引きという名の最終作戦会議をしていた。
真梨は、必死だ。仕事が手につかなくなるほどに。
二人には聞こえない飛行機の音…だが…
このホテルの名は「空港」だった。