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第38話:星の病、始まる
レオンが目を覚ました時、すでに空は異様に染まっていた。
世界各地で、“星の病”――記憶の断裂と精神の崩壊が広がり始めていた。
「アステリアの封印が不完全のまま揺らいでいる……!」
記憶を吸われた人々は、家族も自分の名も忘れてしまい、呆然とさまよっていた。
ユリオは未だ目を覚まさず、リュミエールは疲弊していた。
そんな中、世界の西端にある大陸――ゼオリカが、星の重力に引かれ、崩落を始めたという報せが届く。
「大陸が……沈む……?」
星の病は、世界の“構造”そのものを食い始めていた。