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第18話:空中都市ザグラド
空中都市「ザグラド」は、浮遊石と魔動機関によって維持された巨大都市。
地上を軽蔑し、合理性を最上とする社会。住民は皆、星の存在すら「迷信」としていた。
皇帝グランツは、理知的な男だった。
「星の鍵? 君たちが探しているのは、我が帝国の最深部――“忘却の区画”に眠っているものかもしれんな」
だが彼は明かす。
「問題は、その区画は誰も入れないことだ。扉を開くには、古代巫女の“記憶コード”が必要だ」
レオンたちは、一度追い返されるも、かつて星の巫女だったセファの残した記憶を思い出す。
「忘却の区画を開け、星の喉元に触れる者よ――“灰の因子”を持つ者だけが扉を開ける」
リュミエールがレオンを見た。
「……行けるのは、あなただけ」