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其の二 其の三

「そういう顔してる。体とか、全然強くなさそうだけど、心が水に見える。そういうやつは大体いい魔法使い。濁ると、自分のために使えなくなる。結局、パフォーマー止まり。君は生活に活かせる魔法使い。そういうのが一番いいいよね。でも、ここに来たからには体も鍛えてね。」

「はあ。」

 唐突に言われたことだが、心当たりはあった。超能力研究会にいたから。しかし、涙太は何とも言えない返事をした。心が水と言われたことは悪い気がしなかった。

「私はリナ。よろしくね。握手。」

 白い手を差し出されたので自分の手が汚いような気がして、だけどついさっきこの部屋に入るときに消毒液を塗布したので、あまり考えないようにして握手をした。

「ありがと。よろしくね。」


 飽和だ。結論が付いたのはやはり本屋に癒されようと赴き、立ち読みを繰り返しては全く頭に入ってこなくて困っていたところからの天啓だった。

 インプットとアウトプットのバランスが崩壊して、インプットの天秤皿が重たくなっている。レポートを書くのをいつまでも渋って、古典の授業や、第二言語フランス語などの授業ばかり取りすぎた。一年の前期だった。サークルに入るのは入学してすぐがいいのは分かってはいたのだが、どうも大学のシステムに慣れなくて……。と一人言い訳を心の中でつぶやく。今は雨で、湿気で本をめくる音が静かだ。そろそろ文字を書くことを始めた方がいいと自覚した。

 自分のことは天才だという確信は私の中で徐々に膨らみ、それを何で表現するのかがまだ定まらず、表現者になるのは決めているのだが、学部はとりあえず総合学部にした次第。

 最近は音波について、音がもたらす私に対する癒しに興味が尽きなくて、振動医学の書物を読みたくなって、第二言語をドイツ語にしなかったのを少しリグレットしている。


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