テスト後の余韻
キンコンカンコンと聞き慣れたチャイム音が俺の耳に響き、その音と共に教壇に立っていた先生が答案用紙を回収しにかかる。
しばらくして回収し終わったらしい先生は教室を出ていき、その様子をクラスメイトと共に見守る。
そして……。
「ヒャッハー!終わったぜいえーい!」
先生が教室を出て一拍空けた後に流星が第一声を上げ、それを拍子に周りもざわざわと談笑し始める。
「フユくん、どうだ、った?」
「ん?ああ、いつもどうりって感じだな。解けない問題は基本的に無かった」
隣の席のアキも俺に話しかけてきたのでそう告げると、「流石だね」とお褒めの言葉を頂いた。
「そっちはどうだった?」
興味本位で聞いてみると、アキはご満悦そうに人差し指と親指で丸を作った。
どうやら余裕だったらしい。今回は少々難しい問題が多かったが余裕とは、流石白銀の妖精といったところか。
「ほー」と感嘆の声を漏らすと、アキは「ふふん」と鼻を鳴らしてどや顔を作る。
「多分、陽和ちゃんを超、えてる、と思う」
「いや、さすがにそれは……」
アキは自信満々に言うが、陽和のテストの成績は毎回ほぼ満点。一回、全教科満点も見たことがあるくらいなのだからそう易々とは超えられないだろう。
まあアキなら陽和と並ぶことはできるだろうし、もし全力でやった俺でも並ぶか並ばないかくらいが限界なので、それくらいはアキには余裕だろう。
そんなことを考えていると、いつの間にか流星が俺の席に近づいていた。
「おいおい涼!お前、もっと喜べよ!」
「なんでそんなに荒ぶってるんだよ」
やれやれと言わんばかりにため息をつくと、流星は「だってよ」と興奮気味に口を開く。
「来週のテスト結果発表が終われば冬休みだぞ!」
「あー、そういえばそうだったな」
すっかり忘れてた。確か冬休みは来週の土曜日。つまり24日からだ。
なのでその土曜がクリスマスパーティーなのだが、今考えてみると意外に時間がないと実感してしまう。
「流星、今日は皆集まれるか?」
突然ながらも流星にそう尋ねると、流星は「もちろん」と察したように返答した。
今回のクリスマスパーティーは内密に運営しないといけないので、この会話にクリスマスパーティーという単語は一切出さない。
アキも察したようで、小さく首肯を俺に向けた。
残りは陽和だけなのでメールで確認しようとスマホを手に取ると、同時にピロンとメールの受信音が俺のスマホから鳴る。
送り主をすぐさま見てみると、送り主は陽和だった。
内容は『今日はクリスマスパーティーの運営の準備ですよね』というものだった。
流石世界一可愛い美少女と謳われるだけあって、タイミングバッチリである。
俺は苦笑しつつ、クリスマスパーティーの準備をするために教室を後にした。




