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序章 四聖竜の誕生と混沌の復活

幾千幾万の粒子が結実し、一つの混沌が生まれた。


 やがて粒子は4つの領域に分かたれる。


 全ての運動の源となる熱を生み出す素粒子――――「

 全ての生命維持の源となる水を生み出す素粒子――「みず

 全ての命を育む源となる大地を生み出す素粒子――「つち

 全ての時間と変化の流れを生み出す素粒子――――「かぜ


 それぞれの粒子は互いに協調し、競合し、衝突しやがて世界の形が形成された。


 そうして、それぞれ4つに分かたれた粒子はさらに結束を強め、やがてそれぞれの原初たる力の顕現を生み出す。


 四聖竜――――


 火を司るものの顕現たる赤き竜、赤炎竜ウォルフレイム—―

 水を司るものの顕現たる青き竜、青氷竜アクエリアス―――

 土を司るものの顕現たる緑の竜、緑土竜ウルペトラ――――

 風を司るものの顕現たる黒き竜、黒雷竜ケラヴナシス―――


 永遠とも呼べる原初の世界から生命があふれ出し、動物を生み出し、様々な人類が生み出された――


 人類は各々の文明を競い争い、殺し合い、破壊し合い、征服し合い、幾百年もの永き永き戦乱が繰り返され、やがて一つの終結点を見る。


――――ドラゴニック・デタランス・セオリー。竜抑止力理論。


 いくつかに分かたれた人類の集合体はやがて四聖竜との契約(ドラゴンズ・プレッジ)をもつ四大王国とそれを持たない小国に大きく区分された。


 「保有国プレッジャー」と「非保有国ノンプレッジャー」。


 四聖竜の力は強大である。その一つでも世界を破壊しつくす力がある。聖竜同士は同族ゆえ殺し合いはしない。仮に衝突したとしても互いに互いを消滅させる結果が待っているのみである。しかし、地上にいるものは聖竜とは無縁のものである。それを破壊しつくしたとしても、また新たな生命が芽吹くのを待てばいいだけなのだ。


 保有国同士の争いの結末は、四聖竜の力による互いの消滅、ひいては世界の消滅、現世代の全生命の消滅を意味する。そのような結末が明らかなのであれば、互いに相争うことは躊躇ためらわれる。つまり、戦争を抑止することになるというのだ。


 これが、竜抑止力理論の根幹である。


 そうして人々は、これまで続いていた闘争の歴史に、ようやく幕がおろされたと信じて疑わなかった。

 

 そう、()()が現れるまでは――。

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