リレー詩集【季節の花を編んで絆に】

フクシア：フクシアのドレスの裾は揺れて

ドレスを両手で摘まんだような

フクシアの花が揺れる

デビュタントの心はそぞろ

第三王子はどなたと踊る？

そこにひとりの公爵令嬢

いとも優雅なカーテシー

軽やかにステップを踏む

「こちらを見てはくださらないかしら？」

私の心はあの方へ向かう

兄の乗馬会の応援に行って

あの方の華麗な跳躍をみた

殿方と見まがうばかりに

それは清（すが）しい姿だった

第三王子と踊るより

あの方と言葉を交わしたい

そんな切ない私の心を知らぬげに

ドレスの裾は揺れて踊る……

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