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秋明菊:見透かす視線

  


白の秋明菊はあのひと

畳の匂いに抹茶の薫り

和服ですっきり背筋を伸ばし

黙々とお点前する横顔


和菓子と彼目当てで茶道部は

女子部員でいっぱいだけど

私はひとり楽焼き茶碗を洗う


女子部員には目もくれず

一部の隙も見せないまま

お点前を終えるあのひと


次のお点前は私

水屋で息を整える


主客の席に座られると近すぎて

柄杓を持つ手が震えてしまう

末席に座られると背中に視線

見られてもいない顔が赤くなる


あのひとは一輪の秋明菊

顔色ひとつ変えないで

床の間の花入れからでも

私の心を見透かしている


あのひとは一輪の白い秋明菊……


 

挿絵(By みてみん)



挿絵(By みてみん)

提供/加純さま

どうもありがとうございました。


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― 新着の感想 ―
[良い点] 写真を拝見して! 「菊」で想像していたお花とまるで違ったことにビックリしました!! 柔らかで繊細そうな花びら 優しく開いていてキレイ!! 作中に登場する「あるひと」はこういうお花のイメー…
[一言] 秋明菊の曇りのない白さと、彼の冷静さ。お手前の緊張感と恋心のときめきと。 きりりとした空気の中で、ときめきだけが揺れている。 主席はそれでなくとも緊張するのです。ましてや気になる彼の視線ま…
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