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最終章-1 たった一人の英雄
巨大な門を開き、一人の男が足を踏み入れる。
『あなた一人ですか、ここまできたのは』
「……」
『今回は、どれだけ殺したんですか?』
「……だま…れ」
『本当に愚かですね、何度繰り返すのか』
「…だま…れ」
『何を言っても無駄ですか。では始めましょうか。結果は変わりませんが、最後のクエストを』
…
「今回も人類は敗北したか」
もう一度だけ、あと一度だけ……
一匹の羽虫が飛ぶ。
ブーンブーン……バチッ!
黒焦げとなった羽虫が、その場で息絶えた。