エキストラ
私はドラマに出てくるエキストラが好きだ。
普通ドラマに出てくる主人公やヒロインに目が行くが私は、どうしてもエキストラに目がいってしまう。
なぜ、走っているのか、今からどこに行こうとしているのか、人それぞれ行動が違うため見ていると勝手に想像が膨らんでしまう。
その影響なのか、自分が電車や学校の向かって歩いてる時に、自分はエキストラだと勝手に考えてしまう。
しかし、この頃気のせいなのか、いつも視線を感じる気がしていた。電車で寝るのが日課なのに視線が気になり寝れない。
視線の方を見ると二十代の男性がいた。しかし、目は合わない。こちらが見るとエキストラのように振る舞う。本当にエキストラとしてドラマに出てそんなことをしていたらクビになっているところだ。
私はそんな彼に首男くんと名付けた。
我ながらいいネーミングセンス!
最初の方はそんなことを思い気にしていなかったが、いつも私に声をかける勇気がなくてただ見ているだけな男性に可愛いと言う感情が芽生えた。
そしていつしか、私もその人のことを見るようになった。
かくゆう、こんな自分を客観的に見たら気持ち悪いなと思う自分ももちろんいた。
そんな日々を過ごしていたある日、妊婦さんが入ってきた。しかし、近くの人は霧のように自分の影を周りに溶け込ませて知らないフリをしていた。そんな状況が嫌だった私は遠くにいたが立とうとした。
「どおぞ」
どこからか声が聞こえた。あの人だ。
その瞬間何かが心を刻んだ。駅に着くと首男くんが電車から降りた。
私はなぜかわからないが
「走れ」
という言葉だけが浮かんだ。
走りながら、なぜ私はあの男性のことを見るようになったのか可愛いと感じるようになったのか改札の出たあたりで首男くんに追いつくと同時に答えが出た。
その時勝手に口がひらき
「好きです!」。。。
私はドラマでエキストラを見るのが好きだった。
しかし、いつからか主役やヒロインを見るのが好きになった。
いつもやっていたエキストラの真似もやらなった。
今日も首男くんと笑顔で楽しく会話をする。
「明日の休日どこにいく?」




