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第五話 『普通って、なんだろう?』



第五話


ヒ「本日は、千羽世を呼んだよ」


千「よろしくー」


ヒ「あと、忍羽とヤミもいるみたい」


忍「初登場なのに、ヤミの説明雑じゃない?」


ヤ「まぁ、あれがアイツの唯一の長所だから。

  長い目で見てくれ……」


忍「どれくらい長く?」


ヤ「永い目で見てくれ」


忍「永眠の、『永い』⁉」




千「そっちで何を話してるのー?」


ヒ「そういえば、思音は?」


忍「私達の家のリビングで、料理教室」


ヒ「へぇ、あっ、あと本日の番外編は、

  ステキな音楽が流れる、

  晶柳の家のリビングからお送りいたしまーす」


千「……、よく騙されるよね……」


忍「この子、大丈夫?」


ヤ「永い目で見てくれ」


忍「もう、手遅れだと思う」











忍「で、何するの?」


ヒ「それがね、

  最近『けいたい』っていうのを貰ったの」


ヤ「あぁ、あの黒いダイヤル式のか」


忍「……、まだ存在してたんだ……?」


千「それって、携帯じゃなくない? 

  あと、忍羽は何を食べてるの?」


忍「アイス」


ヒ「で、その電話? 

  っていうのに『めーる』っていうのがあってね」


忍「え? あれってそんなことできたの?」


千「晶柳の仕業だね……。

  私達じゃ話に付いていけない」


忍「時代の流れって、すごいね……」


千「完全に逆流してるからなぁ……」




ヒ「……? なんかおかしいことでも……?」


千「どうでもいいから、話を進めて」


ヒ「えー、だって気にな


千「え?」(真顔で)


ヒ「え、えーと


千「え?」(平坦な口調で)


ヒ「……(泣)」


忍「千羽世がヒカリを泣かせた」


千「え?」(ドロドロしたオーラを添えて)


忍「い、いやなんでもない 

  (相変わらず、怖い……)」


ヤ「話が、進まない……」








忍「お兄ちゃん、助けて……」


晶「なに?」


忍「おにいちゃぁああああん‼」


晶「え? どうしたの?」


ヒ「あれ? 晶柳、どこにいたの?」


晶「? ずっとここにいたけど?」







ヒヤ忍「は?」







晶「何? その反応?」


千「やっぱり、気付いてなかったんだ……」


ヒ「え? え?」


千「いや、さっきから、

  ヒカリの隣でギター弾いてたよ」


ヒ「? ……? ……⁉ ⁉」


晶「いや、どんな反応なの?」


千「晶柳って、影が薄いらしいからねー。

  私は、そう感じないけど」




ヤ「(気付いてたか?)」


忍「(……全く)」




晶「忍羽にも、アイスをあげたんだけど……」


忍「⁉」









千「これじゃ、しばらくパニック状態かなぁ……」














ヒ「で、メールなんだけどね」


晶「うん」


ヒ「みんなは、どんな内容のメールを

  してるのかなぁ、って」


忍「うん……」


ヒ「忍羽、乗り気ない?」


忍「いや、ここまで来るのに時間がかかったなぁ、

  って……」


千「ホントに、晶柳って影薄いんだねぇー」


忍「これ以上、話を逸らさないで……」



ヒ「忍ちゃんは?」


忍「うん? 普通に日常会話だよ」



ヒ「ふーん……? 晶柳、あれ?」


千「晶柳なら、買い出しに行ったよ」


忍「いつの間に……?」


千「いや、忍羽が牛乳買ってきてって

  言ったから行ったんだよ」


忍「……。お兄ちゃんって、

  何か物理法則がおかしいんじゃないの? 

  料理といい、ゲームといい……」


ヒ「そういえば、晶柳の料理って」


千「晶柳がいれば、

  ジャングルで豪華な食事ができるよ」


忍「……そうとも、とらえられるのか……?」


ヒ「?」




ヤ「話が逸れてるぞ」


ヒ「え、あ、うん。千羽世は、どんなメールを?」


千「うーん、昔は晶柳ともやってたんだけどねぇー」


忍「あぁ、あのしりとり?」


千「? 日常会話だよ?」


忍「え⁉︎」


ヒ「何の話?」




忍「……、見せてあげたら?」


千「? 別にいいけど?」











 千羽世と晶柳のメール


                千「今日ヒマ?」


晶「マリーゴールドが咲いてるかも」


            千「もしかして、危篤?」


晶「首をくくったらしい」


       千「いつの間にクラス替えしたの?」


晶「海苔巻きを海苔抜きで食べたい」


         千「いい子にしてたら、

           サンタさんが襲来するって」

晶「添加物嫌い」


                 千「イラン」


 












ヒ「……」


ヤ「どこを、どうツッコめば良いんだ?」


忍「会話のキャッチボールなんて概念が

  ゼロだよね……」


千「どうしたの?」


忍「それ、本当に言ってるの?」


千「普通の会話だと思うけど……?」












ヒ「私の言語能力がおかしいのかなぁ……?」


ヤ「こっちの世界じゃ、言葉の解釈が変わるのか?」












忍「なんか、あっちは、

  自分達がおかしいのかって思ってるじゃん」


千「ただの、どこかで遊ぼうって会話でしょ?」


忍「どこをどう解釈したらそうなるの……?」


千「うーん……、ただ、

  言葉の内容と送られるまでの時間を分解して、

  演算するだけだよ?」


忍「普通の会話に『演算』なんて必要ないから‼」


千「え? もしかして、

  これが何て書いてあるのか読めないの?」


忍「なに、『読めるのが普通』みたいな

  聞き方をしてるの?」



千「え、えっと……。なんか、ごめん……」


忍「なんで、可哀想な人を見る目で謝罪するのよ‼」



























ヒ「……結局、これは何て書いてあるの?」

ヤ「オレに聞くな……」








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