2.新しい冒険へ…
─────カーン。カーン。
金属を叩く音が響きわたる。
────カーン。カーン。
何度も、同じ音が。
────カーン。カーン。
「よしっ、出来た!」
「この剣の名前は───神聖蒼魔剣の…あお!」
「あおっていいわね」
「え」
「喋った…?!」
「心を込めて作ってくれたから……だから…この剣に宿れた…。私…も…その、うち…の一つ…。あり、がと…」
私は───知らずのうちに涙を流していた。
あおが──蒼が、みふに似ていて…
みふに重ねてしまって…
みふの、生まれ変わりなんじゃないかって…
そう、思ってしまうから。
瞳から流れ落ちた涙は止まらずに流れ…
気持ちが治まるまで、泣いた。
泣いて、泣いて、泣いて…
おもいきり、泣いて…
それを、蒼はまっていてくれて。
そんな所も、みふに似ていて。
みふが、選んでここに来てくれた…そう思ってしまう気持ちが収まらなくて。
泣き疲れるまで…私は泣き続けた。
まふが眠ったあと────
蒼は人化して、まふのもとへ歩き…
「また会えて嬉しい…お姉ちゃん」
そう呟いて、起こさないように、優しく…
まふの、頬をつたる涙を拭いたのだった。
「…ん……」
まふの部屋の椅子に腰かけているのは───人化した蒼───みふだ。
人化した見た目は…みふにそっくりであり───
「……っ」
「…ぁ……お姉ちゃ…ん」
「なんで、ここ…に」
「お姉ちゃんの剣に宿って…会いに来た…よ」
「み…ふ………っ」
「もう、ここから…居なくならないで…」
「もち…ろん」
「「一緒に、冒険…しよう」
「あはは…被った」
「え…へへ……また…お姉ちゃんと…笑えて…うれ…し…い」
「私も…あ、旅の準備するね」
「う…ん」
「そうだ…みふ…離れ離れに、ならないように…テイム」
「……!あり、がと…いこ…う」
「うん…それじゃあ…」
「新しい冒険の始まり…だーっ!!!」
「いってらっしゃい。私達は帰ってくるの待ってるからね…」
「お、お母さん?!いつからそこに…っ」
「今よ、今。じゃあ、いってらっしゃい」
「…うん!」
そうして2人は…新たな冒険へ…
1歩踏み出した。