絶望
15分くらい経った頃、そろそろ全員が落ち着きを取り戻し 、出発することになった。
先ほど談笑していた小屋から出て暫くして
「お前さ、面白いやつだけどなんか勘違いしてない?」
後ろからチャラ男が話しかける
「え?」
俺は意味がわからなかった。
チャラ男は突然腰にさしていたハンドガンを抜き、銃口を俺に突きつけた。
「お前さぁ?知ってる?このゲーム。チームごとの殺し合いなんだよ?」
「やめてよ!テツオ!」
ピンク髪が叫ぶが、ヤツの銃口はこちらを向いたままピクリともしない。
「うるせぇ!ビッチ!黙れ!どうせ死ぬんだから今殺っても同じだろが!」
ーーーまぁ、そうだよな。いつものことだ。
怖かったけれど、怖くなかった。
だっていつもの現実と同じ展開だったからーーー
「プッ」
俺は吹き出した。絶望と皮肉と嘲笑のカクテルは絶妙に面白い。
ーーー予想どうり、いつもどおり、ゲームの中でも、幸運はいつも派手に裏切る。上げてから俺を地獄へ突き落とす、こんな都合良いコト初めからあるわけないよなーーー
「あぁ?何笑ってんだ!コラァ!初心者の分際で!まぁ、いいカモだぜ、、、、、死にな」
チャラ男は引き金に手を掛けた。
ピンク髪だけは唯一悲しそうな顔で見ている。
アフロは慣れているのか傍観している。
「はい、1キルーw」
笑っていた。
ヤツも、俺も。
俺は死を覚悟した。
銃声が響いた
その時ーーーーー
何が起こったのか把握ができなかった。
俺は撃たれたのか?
まだ、意識がある。
景色は見えている。
辺りに響く女の悲鳴
何故かアフロが俺に銃口を、それも必死な形相で
あぁ、こんどは死ぬ。
ーーー向けられなかった。
周囲は赤く染まっていた。
チャラ男は頭部を撃ち抜かれて既に事切れていたのが確認できた。
辺りは血の海。
あれはーーー手遅れだーーー
とにかく怖い
アフロはどこにいった?
同時に足元に違和感を感じた。
転がる特徴的な髪型の頭を見て俺は足で踏みつけていて驚いて腰が抜けた。
今事態を飲み込んだ。
俺たちは、狙撃されている。
まばたきの間に二人が、即死。
女は声にならない悲鳴をあげ一目散に逃げ出した。
一人山奥の村で立ち尽くし固まる俺。
ヒュウウウウと掠れた息の抜ける音しか声が出ない、異常な心拍数。
ガサガサゴソパキィ
草むらの中から音がした。
「ヒイイッ」
俺は腰が抜けて足に力も入らず座り込んで 、尻餅をついたまま。
「!」
あの銃身ーーーーまさか・・・!!!!!
そのまさかは的中した。
真っ赤に塗られたスナイパーライフル
確か、名前は・・・
「kar」
「この銃の名前よ。気になるの?」
草むらから現れた狙撃者は、鬼の様なマスクを取りそう言い放った。
キラキラと木漏れ日が差し込み照らしていた。
銀髪の少女だったーーーー
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