ブレイクタイム
俺は危機に陥っていたこの三人組を助けることに成功した。事情を話すと一先ず小屋の中で休憩となった。
ヘルメットを皆が外す、俺はそもそもTシャツ以外何も装備していないが、連中は重装備だ。防弾チョッキに、体に巻きつけた弾、でかい銃。ゴトン、ジャラジャラ。ドサッ。
ーーー比べると俺の格好は散歩だ・・・。
やっと全員の顔を拝めた。チャラ男以外はアフロヘアの黒人と可愛い日本人(多分)の女性で年は若そうだ。アフロの方は年はわからない。さっきは体型から性別しか分からなかった。
「あいたたたーいきなし撃たれるとか超ついてないしー」
女は傷を手当てしながら話し出した。
「ねえ、ねぇ、なんで助けてくれたの???」
「そうだぜ、ほっときゃいいのによーw」
アフロもチャラ男もうなづきながら不思議そうに笑っている。賑やかだ。
「あ、分かった。私が可愛かったからでしょ?」
「違う!俺はそういうのほっとけないタイプなんだ。そういや自己紹介がまだだったな。俺の名前はヤマト、お前達は?」
「なにそれーつまんなーいwアハハ、私はモエ、よろぴくっ、あと、さっきはアリガト」
リーダーのチャラ男の名前はテツオ、精悍な顔つきに茶色の髪の毛を短く刈り上げ、逆立てている、男から見ても不良さがあり格好いい。
アフロはボブ、アフロヘアの黒人。とにかく体がでかい。
モエは、ピンクの髪が肩くらいで、身長は160いかないくらいでなかなかに可愛い女だ。
どうやらこのゲームは現実の外見もアバターに反映できるらしくアフロ以外は普通に街で見かける日本人だ。アフロはとにかく映画から出て来たみたいにゴツい。こんな面白マッチョアフロが現実にいるはずがない。これは、アバターだ。
「おい。ボブ。お前は日本語で話してるし、それはアバターなんだろ?」
「は?リアルなんやけど」
アフロ(関西弁)が軽くキレた。予想が外れた。ボビーみたいなキャラをイメージしてくれるとわかりやすい。
あと、今の俺のアバターはモエ曰く、なかなかカッコいいらしいから、俺はあんまり現実の外見反映しない方が良さそうだな。
仮想世界の中でだけでも、カッコよくありたい。
今のままでいよう・・・。固く固く、誓った。
「これからお前らはどうするんだ?」
お茶を飲みながら聞いてみた。
「ワイらはこの山を抜けたら市街地に向かうつもりや。そこの教会の上はほんまに見晴らしがええから、そこに立て籠もって戦うつもりや」
アフロ(関西弁)が口を開いた、インパクトありすぎだろう。
「そうか、実は俺、初心者なんだよ、一緒についていってもいいか?」
俺は恐る恐るダメ元で聞いてみた。
「ええで、ほな、ついてきぃ」
そんな無理な頼みを奴らは快諾した。