入学式
いきなりだが「ゲーム」をやったことはあるか。
今や「ゲーム」は遊びではなくスポーツとして行われている。
この話はそんな「eスポーツ」に取りつかれた男の物語である。
2026年、この年に入学をした自分はとても強運だと思っているこの人
石井翔は今入学式をに出ている。(もちろん入学生として。)
来賓挨拶や校長の話などがあるらしいが、そんなものは関係ない。
この中学校には「eスポーツ部」なる部活があるという。
この学校に入学したのはそれが目的だ。
2017年から人気になってきた自称スポーツの「eスポーツ」。
eスポーツはゲームを行い競うスポーツなのだが、当初は「ゲームは子供が
やる遊びでしょ」と批判的な人が多かった。
しかし、2018年世界初の世界大会がアメリカで行われたのをきっかけに
人気が一気に上がった。
2019年には日本で初のeスポーツの大会が行われた。
そして2021年eスポーツはとうとうスポーツとして認められ国際スポーツ
連盟に認定され、それに伴い日本競技連盟も認定した。
2024年にはワシントンオリンピックで初となるeスポーツが競技として認め
られ行われた。
そして月日は流れ現在2026年日本でたった20校の中学校に対してeスポーツ
を部活として認めるとの通告が来たらしい。
そして僕、石井芥は数少ないeスポーツ認定中学校のこの淺川東中に受験と
いうめんどくさい手順を踏んでこの学校に入学した。
それだけ価値があると僕は思う。
入学式が全て終わり僕は家に帰った。
僕が持っている封筒の中には天国への切符が入っている。
その切符は入部届だ。
僕は家に帰ると真っ先に入部届を書いた。
「入部希望部活はeスポーツ部で、名前は石川翔と」
嬉しさのあまりつい独り言を言ってしまった。
次の日が待ち遠しくて早く寝ることにした。
その日は寝れなかったという。