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真・恋姫†無双 星巴伝  作者: 桜惡夢
二章  天命継志
27/38

六話 交糸禁動


辺章と韓遂が曹家の家臣となってから早一ヶ月。

これと言って大きな問題も起きてはいない。

変化、という意味でなら一つ。

曹操を始めとした女性陣が二人の関係に興味津々で注目していた中、何に触発されたのかは判らないが辺章が告白──求婚し、あっさりと韓遂が了承して二人の結婚が決まった、という事が有った。

「拍子抜けだったわね」と愚痴る曹操()達。

まだ結婚に向けた準備中ではあるが中止される事は先ず有り得ない事だと言える為、事実上は、二人は既に夫婦として扱われている。

照れながらも嬉しさ一杯の辺章と、普段と変わらず落ち着いている韓遂。

夫婦になる前に、在り方が出来上がっているので、大きな変化が無い事も二人が曹家に馴染み易くなる一助となっているのかもしれない。


ただ、その裏では嫌な予感がした韓遂から曹皓への極秘裏の相談が有ったりしたのだが。

曹皓は自ら墓穴を掘る程、愚かではない。

態々、妻達の機嫌(凪の海)を荒立てるつもりは無かった。


それはそれとして。

五胡──特に羌族に対しては関係の深かった二人の加入に伴い、曹家は馬一族と協力して羌族に接触、交渉と交流を経て、将来的には臣従を狙う。

其処までは無理でも、婚姻関係により、羌族が敵対しない様にさえ出来れば十分では有るのだが。

狙えるのなら最高の結果を求めるのが若き夫婦。

最初から妥協する様な事はしないのだから。


そんな親達とは別に、子供達は韓遂に懐いた。

彼女自身が読み書きが好きであり、話し上手な為、知られていない話や彼女の一族が創作した物語等を交流手段として用いた所、人気となった。

今では韓遂の仕事終わりや空き時間を狙って、話を聞こうと待ち伏せをする子供達の姿が見られる。


平和で微笑ましい光景だろう。

ただ、価値を見出だしたら活用したくなるのが人。

韓遂の話し上手な事等を踏まえて、曹家が経営する私塾の教師を任せたいと曹操は考えた。

しかし、曹皓からは反対された。

夫婦喧嘩ではないし、喧嘩にもならない。

勿論、韓遂を評価していない訳でもない。

反対の理由は、曹皓としては韓遂の知識や価値観は評価してはいるが、万人向けではない(・・・・・・・・)と考える為。

曹操は韓遂の人柄や指導力(・・・)を評価しての事。

話し合えば、意見の論点が違う事は直ぐに判る。

だから、曹操としても納得する。

──が、それはそれとして、勿体無いとも思う。

その為、曹皓は韓遂を曹丕達の専属の教師として、教育の一部を任せたいと提案。

それを聞き、曹操は承諾。

韓遂(本人)の知らない所で、大役が決定した。



「──ああ、そうだったわ

玲生、御母様達が近い内に此方等に来るそうよ」


「珍しいね、義父上の禁断症状(我慢の限界)?」


御母様達(女性陣)だけだそうよ」


「…何でだろうね、一波乱有りそうな気がする」


「奇遇ね、私もよ」



曹家の一員であり正しく(・・・)一族内の力関係を知れば、その来訪の()を勘繰ってしまう。

それが、その正統継承者である曹操()の御墨付きともなると流石の曹皓も身構えてしまう。

どんなに有能で、個人の武が頭抜けていようとも。

子は母に頭が上がらないものなのだから。

…父親?、それは超える(・・・)べき背中である。


そんな会話を、寝台に座って他愛無い世間話をする様に話しているが。

二人は就寝前。

毎日ではないにしろ、曹丕が二人から離れて別室で寝る様になってから、夫婦(営み)の時間も増えている。


その直前、夜着をはだけているとは思えない程に。

色気を感じさせない内容だと言えるだろう。

尤も、御互いに世界で唯一、性的欲求を向ける為、雰囲気も何も関係無いと言えば、それまで。

実際に切り替えの上手い二人だからこそ、直前までどんな雰囲気や状況だろうと問題無し。

触れ合うだけで、唇を重ねるだけで。

御互いを求め、貪る事だけに意識は注がれる。






「──え?、マジで?」



翌朝、曹皓から、近く劉懿達の来訪予定が有る事を聞かされた韓浩達は揃って身体を強張らせた。

実母だろうが、義母だろうが、関係無い。

母という存在は、自分の妻であろうと恐いもの。

故に、何も心当たりが無くても、そうなる。


まあ、それは実娘・義娘でも同じなのだが。

女同士・母親同士という共通点が有る分、男よりは苦手意識は低いとも言える。

勿論、それは親子関係・家族関係に問題が無いからという前提条件は有るのかもしれない。

関係が悪ければ、それ以前の問題なのだから。



「玲生様が具体的な事を仰有らないという事は…」


「うん、俺も用件は知らないよ、華琳もね」



そう曹皓が言うと曹仁達は顔を見合わせる。

「誰か、何か急を要する案件は無いか?」とか。

「何処かに賊徒とか居なかったか?」とか。

「いや、逃げたら逃げたでヤバいでしょ?」とか。

視線と表情で語り合う。


その様子を見ながら、「そうだよね~…」と曹皓。

口には出さないが、自分達の顔を見に来るだけとは到底思えないからこそ、複雑な心境。


勿論、必要な仕事なら構わないのだけれど。

面倒事(・・・)の様な気がしてならないから。

曹操でさえも警戒してしまうのだから。




それから数日後、劉懿達が遣ってきた。

孫達への御土産を山盛りに用意して。

祖母達を大歓迎の孫達。

しかし、息子達・娘達は笑顔を貼り付けて堪える。

色々と言いたかったり、逃げ出したい衝動を。

何しろ、彼女達が子供達の買収(搦め手)で来たのだ。

絶対に、逃がすつもりが無い事が窺える。

曹操ですら「遠くへ行きたいわ…」と溢す程に。

劉懿達の本気さを目の当たりにしたのだから。






「……まさか、本当になるなんてね…」


「まあ、最悪の部類じゃなくて良かったかな」


「それはそうだけれど…」



──と、頭では判っていても感情面では納得出来ず珍しく不貞腐れ顔を見せる曹操。

「やっぱり、華琳は可愛いね」と。

本音半分、揶揄い半分で曹操を抱き締める曹皓。

「もう、玲生ったら…」と窘める様な態度ながらも拒絶したりはせず、イチャイチャし始める曹操。


そんな二人を見ながら、「金剛の精神だな」と。

呆れ半分、安心半分で後に続く韓浩達。

女性陣(妻達)からの「私達は?」と期待の籠った視線には気付かない振り。

──とは言え、完全に無視すると不機嫌になるので何も言わずに手を繋ぐ。

「これで勘弁して下さい」と言わんばかりの夫達の羞恥心を堪えた精一杯の愛情表現に妻達は譲歩。

そういう風に察して気遣える様に成っているだけ、昔と比べれば成長が感じられるのだから。


「そんなに昔って訳でもないだろ?」だなんて事を口にする馬鹿は居ない程度には。

韓浩達は曹皓に教育されているのだから。


そんな曹皓達だが、歩いているのは山の中。

周囲に他の者の姿は無く、子供達や劉懿達も不在。

馬や馬車も無く、各々が背負う程度の荷物のみ。

身軽(・・)な格好は旅をしていた頃を思い出させる。


何故、こんな状況なのか。

それには劉懿達の遣ってきた理由が関係している。


劉懿達の目的──依頼(・・)は、とある勢力の殲滅(・・)

表立って兵を率いる必要は無し。

曹皓達(少数精鋭)で、さくっと殺ればいい。

──という訳で、子供達(孫達)の世話は任せて。

曹皓達が極秘裏に動く事となった。

勿論、怪しまれる為、日数は掛けられない。

子供達に悟られない様に誤魔化せる範疇で三日。

本気での移動であれば、往復半日も有れば十分。

それ以外は、現地調査と情報収集に当てる。

殲滅戦である為、戦闘時間は最も短くて済む。


そういう意味では、実に楽な依頼だとも言える。

普段は賊徒が相手の殲滅戦であろうとも、立場上は指揮官として全体を見て、指示する必要が有る。

その上、公表(・・)される事が前提条件の戦闘。

あまりに突飛な戦い方や逸話になる真似は控えて、軍隊としての戦い・動きを重視している。


そういった縛り()が無いのだ。

曹皓達にすれば、「…え?、いいの?」な案件。

憂さ晴らしではないが、気兼ね無く戦える。

それは今の自分達には縁遠い事でもある為、依頼を引き受ける事に反対する者は居なかった。


つまり、まだまだ子供だ(青い)という事である。



「それにしても、曹家も手広いよな

并州・幽州(漢北)の案件に介入するんだから」


「あら、それは少し違うわよ」


「…は?、曹家は関係無いのか?」


表向きには(・・・・・)

今回の件は曹家の情報網に関係しているのよ」


「情報網って事は………」


商家(・・)絡みって事だろ」



「正解よ」と言う様に馬超の言葉に笑む曹操。

それを聞き、「ああ、成る程な」と納得する韓浩。

思わず、「それ位は判る様に成りなさい」と小言を言いたくなる曹操だが、曹皓の腕が「駄目だよ」と注意してきたので飲み込む。


変に染まったりはしていない素朴さや真っ直ぐさは韓浩の良さであり、夏侯惇の良さでもある。

成長して欲しくは有るが、失わせたくもない。

それ故に、主観のみだと難しい場面も有る。

そういう時、今の曹皓の様に客観的に制止の出来る存在の有無は大きな違い。

勿論、逆の場合や、馬超達を制止する・される事も可能な関係が築けているから可能な事。

そうでなければ、勘違い(・・・)に気付く事は難しい。


相手の為を思っての事だったとしても。

結果的には相手に悪影響となる事も有る。

それは友人や親子、年が離れていたり、上下関係、知名度や実績が有る場合等々。

気付かないだけで、誰しもが遣ってしまう事。


勿論、全てが全てという訳ではないのだが。

他の者にとっては些細な事であっても、その一人にとっては物凄く影響してしまう。

そんな事は珍しくもない訳で。

しかし、自他共に気付き難い事でもある。


それ故に、“知る”という事は大切だが難しく。

けれど、知らなければならない事でもある。

人が人と関わり、社会という輪の中に有る限りは。

決して誰とも関わらないという事は不可能な事だと言えるのだろうから。



「…あれ?、でも、商家って事なら華琳も自前の(・・・)を持ってるだろ?

それは無関係なのか?」


「商家と言っても取引が有る相手や仕入れ先や販路というのは重複はしていないわ

──と言うより、重複させると意味が無いわよ」


「意味って……ああ、そうか、情報収集が本命なら繋がりは被ってない方がいいのか」


「だから、私の直轄の商家は新規(・・)の経路

今回は御母様達の築いた商家の関係なのよ」



曹操に言われて、直ぐに理解する韓浩。

使い方(・・・)が下手なだけで、回転は悪くない。

だから、ついつい言いたくなるのだが。

それは曹操に限らず、他の面子にしても同じ事。


それを察すればこそ、曹皓は話題を変える。

矛先──思考を逸らす為に。



「序でに言うと間接的に馬一族も関わってるから」


「………え?、ちょっと、聞いてませんけど?」


「うん、今初めて言ったからね」


「御母様達からの情報ではなく、私達の持っている情報の中に結び付く物が有ったのよ

これまでは無関係だと思っていたのだけれど…」


「今回の件で、って事」


「…え~と……大丈夫、なんだよな?」


「心配する様な事ではないわよ」



はっきりと断言する曹操を見て、不安になっていた馬超と馬洪は一安心。

曹皓達も意地悪をしていた訳ではない。

間接的に関わっているのは事実だが。

だからと言って、何かしらの悪影響が出るという程の事ではないと判断すればこそ。

会話の流れで触れる程度に止めた。

もしも、面と向かって、重々しい雰囲気で言えば、気にしない方が難しいだろう。

何だかんだで家族や一族を大切にする二人だ。

集中力が削がれれば怪我や失態に繋がる。

そう考えればこそ、この程度の扱いにした訳で。

隠したりするつもりはなかった。


そして、上手く皆の意識を逸らした曹皓。

曹操も理解しているから逆らわずに流れに乗った。

自力では難しい事であればこそ。




現地に着いた曹皓達は手分けをして情報収集。

劉懿達からの情報を信じていない訳ではない。

ただ、情報──状況というのは刻々と変化する。

加えて、不足という意味ではないが、劉懿達からは気にする価値の無い事だったとしても、時として、或いは他の者にとっては価値が有る事も有る。

だからこそ、手抜きをすると後悔する事になる為、曹皓達は事前調査に手抜きはしない。


当然だが、それは劉懿達も理解している事。

だから、時間を稼ぐのに十分な準備をしてきた。

伊達に孫達を可愛がってはいない。

まだ幼いが故に、その趣味嗜好は読み易い。

…まあ、流行り廃りは勿論、填まるのも飽きるのも早いし、唐突だったりもするのだが。

其処は一通り経験してきた祖母(猛者)達である。


そういった訳で動くのだが。

夫婦同士で分かれる訳ではない。

夫婦を装う(・・)事も有るが、組み合わせは様々。

兄弟・姉妹、友人、同僚等々。

その上で変装(・・)や変声、演技も加える。

それでも、万が一の事を考えて、直ぐには繋がりが見え難い様にする為の組み合わせの工夫。


「用心し過ぎなのでは?」と思うだろう。

勿論、遣り過ぎて不自然になってしまっては逆効果でしかないのだけれど。

ただ、夫婦として意志疎通・連携が出来過ぎて(・・・・・)も、目立ってしまうのは当然の事。

それ故に、程々になる様に組分けされる。


尚、曹操は女性陣としか組まない。

別に、韓浩達が何かする訳ではないし、曹操も特に何を思う訳ではないのだが。

一時的な事とは言え、韓浩達の誰かと一緒に居て、夫婦役ではないにしても。

客観的に見た相手に、「あら、御似合いね」なんて言われようものなら立ち直れなくなるなら。

「私は、そんな軽い女ではないわよっ!」と憤慨し攻撃してしまっても問題になる。

──という建前で、曹操は組まないのだが。

実際には、曾ての旅の中で韓浩達に「無理です」と頭を下げられていたりする。

要約すると、「自分には荷が重いです」と。

まあ、そういう事(・・・・・)だったりする。


今回は曹操は甘寧と姉妹を装う。

…何方等が姉で、何方等が妹なのか?。

そんな事は気にしてはいけない。

仲の良い姉妹、それでいいのだから。


因みに、曹皓は馬超と夫婦を装っていた。

その間、馬超が「やっぱ、狡いよなぁ…」と。

何度も胸を高鳴らせてしまったのは女同士の秘密。

後で曹操達との感想戦(井戸端会議)で愚痴るのだが。

曹皓の気遣いや仕草は女性陣には垂涎の物。

つい、自分の夫にも求めてしまいそうにはなるが、曹操から「比較はしても要求しては駄目よ」と注意されているので言わない。

逆の立場で、夫から要求されても困るのだから。


人は皆、誰しもが自分以外には成れない。

どんなに真似をし、見倣い、努力をしても。

近付ける事までしか不可能。

しかし、それが当然であり、自然な事。

“他人の振り見て、我が振り直せ”と言う様に。

素晴らしい人物等を御手本にする事は良い事だが、その人物に成ろうとしてはならない。

其処を間違わなければ、人は努力を自らの成長へと繋げられるのだから。






「──それは確かなの?」


「可能性は高いかと」



情報収集中、御茶屋で一息吐いていた曹操。

其処へ合流した甘寧が目立たない様に耳打ちする。

甘寧の話に曹操は珍しく目を見開いた。

──とは言え、それは一瞬の事。

直ぐに旅の姉妹(今の自分)らしい仮面を付け直す。

勿論、甘寧もである。


曹操は数瞬の内に、自分達の行動を精査。

此処からの動き方を判断し──追加注文をした。

それに甘寧も倣い、御茶と御菓子を注文する。


思考を、行動を放棄した訳ではない。

面倒臭いから後回しにした訳でもない。

今は(・・)下手に動かない。

現状のまま、当初の予定通り(・・・・)に情報収集に集中。

そう判断した為である。


──とは言え、何も考えていない訳ではない。

劉懿達の来訪に対して働いた予感が、今も同じ様に頭の中で警鐘を鳴らしている。

「…どうやら、一波乱有りそうね」と。

窓から見える青空を眺めながら。

その端に墨汁を溢した様に広がる黒雲を見て思う。




日が暮れてしまえば、中央や栄えている地方の都街でもない限り、夜の帳が下りると共に人々の生活は一日の終わりを告げるのが普通。

賊徒ですら、余程の準備を整えなければ夜襲をするという事は無い。


その為、情報収集をする為に散らばっていた場所は日没を迎えれば、外を出歩く者は居なくなる。

当然、その辺りも考慮して場所を選んではいるが。

何事にも不慮の出来事は起こり得るもの。

故に、ある程度は人々が寝静まるのを待つ。


そして、辺りが静まり返っている闇夜の中を。

こっそりと泊まっている宿を抜け出して、曹皓達は事前に決めていた集合場所に遣ってきていた。

先ずは、夫婦ごとに抱擁を交わすのは御愛嬌。


それから、一番乗りだった韓浩と夏侯丹が起こした焚き火を囲む様に夫婦で分かれて並んで座る。

然り気無く、御茶を用意しているのが曹皓。

それを手にしながら、報告を始める。


何処も予想外な情報は無く、淡々と進み。

最後に曹操達の番となる。

先ずは全体的な話をしてから、本題へ。



「それから、思春が掴んだ情報なのだけれど、実は盗まれた韓遂の一族の禁書らしき物が、私達が今回狙う相手の手元に有る可能性が高いわ」


「流石に、「絶対に」とは言い切れませんが…

例の行商人が関わっていた者達を辿って行った先に今回の相手の中に一人、疑わしい者が居ます」


「…此処に来て韓遂の件が絡むのか…」


「…それ、大丈夫なのか?」



曹操と甘寧の話を聞いて、仕事上、無関係ではない曹仁は腕組みしながら嘆息する。

その一方で、韓浩が眉根に皺を寄せながら訊く。

きな臭い(こういう)事に対する嗅覚が強いが故に。

韓浩の本能もまた警鐘を鳴らしている。



「何方等にしろ、無視は出来無いし、中止や延期も悪手にしか為らないわ」


「まあ、そうなるよなぁ…」


「後は、盗まれた禁書が有るのか、だね」


「そうね、回収出来れば、結果としては大成功

問題を二つ同時に片付けられるけれど…」


「禁書の件は途切れる(・・・・)だろうね」


「そうなるでしょうね…」



そう言って茶杯を口に運ぶ曹操達。

その様子を見ながら、曹仁達も理解する。

例の行商人が死亡し、関係者を辿ってはみたものの手掛かりらしい手掛かりは掴めていない。

今回の件は、偶々(・・)、絡んだだけ。

──そう考えれば、それだけの話なのだが。


もしも、それが意図的な事だった場合には。

劉懿達の依頼の遂行は、漸く得られた手掛かりを、自ら潰してしまうという事。

しかし、“遣らない”という選択肢は無い。

その必要性を理解しているからこそ、今回の依頼を曹皓達は請け負ったのだから。


それ故に、曹皓達の思いは一つ。

「禁書盗難の一件、その黒幕は厄介な相手だ」と。

此処に来て、改めて認識と警戒を強める。




暫しの憩いの後、闇夜に紛れて一行は移動する。

目的地──今回の標的の拠点となる街、その一角に建っている広大な屋敷を見下ろしながら、相手から見られる事が無い街の外の崖の上で待機。

合図(・・)を待つ。


──と、韓浩の鼻の頭を何かが叩いた。



「……ん?、──げっ、降って来やがった…」


「音も姿も紛れ易くて良いんじゃね?」


「いや、濡れるだろ?」


「…貴男って、変な所で神経質よね」


「そうか?」


「そうよ」



空を見上げ、先程まで出ていた月を隠した黒雲から雨が落ちてきた事に嫌そうな顔をした韓浩。

それを見て馬超は、「夜襲向きの好条件だろ?」と言わんばかりに小首を傾げる。

それに対して韓浩はズレた事を口にする。

馬超が、「…は?、マジか、此奴…」と言いた気な表情をしたのを見て、曹操が会話に割り込む。


旅をしていた時でも雨天での戦闘はしていない。

ただ、まだ旅を始めたばかりの頃に、敢えて雨天で移動したりして色々と試していた事が有る。

その時に、韓浩が見せた意外な一面。

河川や泉や湖、滝、海で濡れる事は気にしないが、何故か雨で濡れる事だけは嫌っていた韓浩。

勿論、人命が関わっている様な場合には違うが。

基本的には、雨に濡れる事を嫌う。


それは夏侯惇と出逢ってからは見る事の無い姿。

──と言うより、雨天で濡れる様な事は無いだけ。

子供達を雨の中で遊ばせたりはしない。

曹皓が居るとは言え、態々風邪を引いたり、体調を崩す様な事をさせる必要は無いのだから。

勿論、遊んでいる時等の最中に降ってきた場合には仕方が無いのだけれど。

皆、それなりに天候は読めるので降りそうであれば早めに屋内に入る為、先ず、濡れる事は無い。

子供達も、それを見ていれば素直に従う。

故に、韓浩が雨に濡れる事は滅多に無いのである。


そんな事情も有り、夏侯惇は知らない韓浩()の一面に密かに「そうなのか…」と少し嬉しくなる。

対して役に立ちそうにはない情報だが。

活用の仕方如何では意外な効果を生む事も有る。

些細な情報でも馬鹿には出来無いものなのだから。


そんな訳で韓浩が雨を気にしているのだが。

実は普段であれば、濡れる事は無い。

便利な氣の使い方の一つ。

自分の身体の周辺を薄い膜で覆う事で、雨を上から下へと受け流す事が出来る。

普段は、そう遣って濡れない様にしている。

勿論、悪目立ちしない状況に限って、だが。


それを、今は(・・)出来無い。

だから、韓浩が渋っているのだが。

理解はしているので、愚痴っているだけ。

それ以上の他意は無い。


ただ、ずぶ濡れという訳ではない。

防水・撥水加工が施された曹皓特製の外套を頭から被っている為、草木等に当たった跳ね返りの飛沫で顔が少し濡れる程度。

姿勢によっては濡れもしないのだが。

苦しい姿勢なので、其処までは遣らない。

その位であれば、許容範囲内だと言えるので。


曹操達が氣を使えない理由だが。

それには、この場に居ない曹皓達が関係している。


人目に付かずに殲滅させる為、夜襲を仕掛ける。

その上で、念の為に先行して一般人が居ないかを、潜入した曹皓達が確認し、合図を出す手筈。

その合図に気付かれる事の無い氣を用いるのだが。

其処には、もう一つの別の狙いが有る。


曹皓達は兎も角として、氣を扱える者は珍しい。

漢の全人口で考えても、一割にも満たない。

しかし、絶対に居ないという訳ではない。


それを踏まえた上で、もしも、禁書盗難の件の裏で氣を扱える者が関わっているのであれば。

氣で合図を行う事によって、何かしらの反応が有るかもしれない。


その反応を見極める為に。

合図を出す直前に曹皓は単独で距離を取り、潜む。

外からは曹操達が広範囲を視野に入れて睨む。

そんな監視・警戒している中を逃げ出せるのなら、その相手は厄介という話では済まなくなる。

だから、状況によっては殲滅戦は必要最小限にして曹皓と曹操を含む残った全員での追跡・必殺を行う可能性も考えていたりする。


そうはならない事を願うが。

その時には、無傷では済まないだろうし、自分達の誰かが犠牲になる覚悟もしている。

それだけの脅威となる事を理解しているから。


ただ、その場合の優先順位(・・・・)も間違え無い。

曹皓と曹操は勿論、母親である女性陣は残す。

活路を開く役目は韓浩達となる。

子供達(未来)を思えばこそ。

その覚悟を持って臨んでいる。

──が、それは最悪(・・)の場合の話。

楽観視はしていないが故の心構えである。



(……それで済めば良い方でしょうからね…)



曹操だけは、事細かく曹皓と話し合っている。

その為、他の者には知らされていない、最悪の時の必要最少限(・・・)の犠牲には曹皓が為る。

これには「不要な犠牲を出すよりも確実に最少限の犠牲で片付ける事が出来る者であるべきだ」という曹皓の動ぎない意志が有っての事。

曹操でも、こればかりは止められない。

その考えを理解すればこそ。

自分でも同じ決断をするだろうから。

だから、そうはならない事を祈る。

無意味な期待はしないけれど。



「──っ!、合図よ!」



何だかんだで時間は潰れ、その時が来た。

念の為に曹操は声を出すが、皆、自分がすべき事を理解しているので集中している。

暫し、様子を窺うが、特に動きは無し。



「さあ、動くわよ!」



曹操の合図で韓浩達は崖から飛び出し、宙を舞う。

──が、それを見送る者が二人。

念には念を入れた形で、夏侯丹と夏侯淵は時間差で参戦させる事にしている。

殲滅戦の特性上、一ヶ所に集まってしまった場合、離れた場所で動かれると後手に回る事になる。

そのまま見失ってしまっては大失態。

悔やんでも悔やみ切れない。

その為、戦場全体を俯瞰し慣れている二人を残す。


韓浩に夏侯惇、馬超が候補にも上がらなかったのは言わずもがな。

誰しも向き不向きは有る、という事だ。


それなりに強い雨、雨音と風音、月の消えた夜闇。

その中に紛れる様にして曹操達は標的の拠点である屋敷の中へと飛び込む(・・・・)


突如、目の前に漆黒の外套に身を包んだ怪しさしか感じない何者かが姿を現したなら、どうするか。

叫ぶ?、身構える?、攻撃する?。

──否、殆どの人は硬直(・・)する。

思考が状況を理解し切れない為に。


勿論、中には思考とは関係無しに、身体が反射的に反応するという者も居るだろう。

ただ、そういう者は日々の鍛練を欠かさず、日常の中に有っても常在戦場(・・・・)が染み付いているから。

そうでなければ、咄嗟に反応する事は難しい。


そして、その一瞬に反応する事が出来無ければ。

()を与えてくれる相手ではない。


殲滅戦である為、曹操達は一切の躊躇も容赦も無く次から次へと屠ってゆく。

曹操達が視界に入った瞬間には既に死後(・・)

完全に意識が途切れるまでの僅かに残された時間で彼等が何を思い、どう考えるのか。

それを知る術は無いが、有っても興味も無い。

曹操達にとっては、無価値(塵芥以下)なのだから。


事前に調べていた屋敷の見取り図を参考に、各々が分担当する区域の敵を殲滅する中。

曹操は曹皓の居る場所へと向かっていた。

劉懿達の依頼の首魁は韓浩と夏侯惇に任せておき、自分達は盗まれた禁書の奪還に動く。

最悪、その場での焼却処分には韓遂の同意済み。

世に出しては(・・・・・・)ならない(・・・・)からこそ、禁書なのだ。

世を乱す火種となる位なら──という事。

勿論、回収する事が第一目標ではあるのだが。

現場で判断する為にも、事前の話し合いは不可欠。



「どう?、それらしい者は居た?」


「該当無し、冬哉さんと秋蘭も動いたよ」


「そう……結局の所、何も掴めなかった訳ね…」



そう言って悔しそうに溜め息を吐く曹操。

だが、その周囲では切り飛んでゆく首や胴や腕。

少し遅れて舞う様に咲き散る血花(・・)

勿論、曹皓の方も同じである。



「そうなると、コレ(・・)は単なる偶然という事?」


「んー…まだ結論は出せないかな

仕組まれた可能性が完全に消えたって訳でもないし禁書を盗み出した犯人も定かじゃないから」


「例の行商人は仲介者か渡り(・・)だと?」


「例の所蔵庫なんだけど、鍵を預かってどんな物か確認してきたんだけど…

確かに、隠し部屋は知らないと見付けられない

俺達みたいに氣を扱えでも(・・・・・・)しない限りは(・・・・・・)ね」



曹皓の言葉に曹操は小さく眉を顰める。

楽観視も軽視も油断もしてはいない。

──が、本の僅かとはいえ、今、自分の思考の上で自然と可能性を下げ掛けていた。

それ(・・)が相手の狙いだったとすれば。

掌の上で踊らされていたにも等しい。


屈辱であり、腹立たしく、憤りを禁じ得ない。

その為、とばっちり(・・・・・)が少しばかり屋敷にも及ぶ。


別に壊しても問題は無いのだが。

余計な痕跡は極力残さない方が面倒が少ないので、可能な範囲内で、そうしている。

それが、少し力加減を間違えただけ。

だから、問題らしい問題ではないのだが。

不満の上に不満が重なれば不機嫌さが増すだけ。

因って、曹操の攻撃は自然と苛烈になる。

そう為っても、何の問題も無いのだけれど。



「まあ、片付けられていたから、荒らされた当時の状況は判らないんだけどね

他には見向きもせず、という所が不自然過ぎるかな

そういう意味だと、自作自演(・・・・)も疑いたくなる」


「その可能性は無いには等しいでしょうけど…」


自覚(・・)が無い可能性も考えられるから…」


「疑えば切りが無いわね…」



そう言って溜め息を吐く曹操。

韓遂の事を疑ってはいないが、氣が使える相手なら韓遂を洗脳(・・)、それが無理でも思考の誘導(・・・・・)程度ならば不可能な事ではないだろう。

その可能性が考えられるから、話が拗れる。


ただ、そうなると矛盾する点も出てくる。


洗脳や思考の誘導は可能でも、記憶の抹消(・・・・・)は至難。

不可能ではないが、その場合には人格も失われる。

はっきり言ってしまえば、そう都合良くはいかないという事だったりする。


それは、曹皓が殺すだけの賊徒達を使って実験した結果によるものなのだが。

見た目が大人なだけの、中身は赤子も同然。

記憶だけではなく知識も経験も失われ、形成された人格も無かった(・・・・)事になる。

身体の動かし方、喋り方でさえ忘れてしまう。

それが、記憶の抹消。

氣は決して万能ではない、という実証。


それ故に“記憶を消す”という事は不可能に近い。

韓遂に記憶や知識、人格が有る以上、それは無い。

だから、自作自演を疑う事に繋がるのだが。

そんな事を遣る理由が韓遂には見当たらない。

そうでなくても、子供達が懐いている。

それが彼女に悪意が無い何よりの証拠。

生まれながらに氣を扱う才能を持つ子供達が故に、他者の悪意や害意には敏感なのだから。


ただ、洗脳──特定の条件下でのみ、操られる様な効果を発揮する催眠(・・)の類いであれば。

韓遂に自覚が無い事は考えられる可能性。

──とは言え、そういった痕跡を曹皓が見逃す事は有り得ないと曹操も判っている。

因って、催眠を施された可能性が考えられる場合は氣を用いずに行われていると思われる。

それが可能な事を、曹皓は田静から聞いていた。




そんな感じで雑談をしながら屋敷の中を進み。

曹皓達は目的地に到着した。

それは屋敷の端にある一室。


豪華な調度品、高そうな美術品、派手な装飾品。

彼方等此方等で目に入る、金、金、金。

一見して、特に可笑しな場所は無い部屋。

…まあ、趣味の良し悪しは個人の自由なのだが。

曹操としては「成金らしい趣味の悪さね」と。

統一感や機能性、部屋全体の色使いや調和感の無い見るに耐えない汚部屋(・・・)としか思えない。

子供達に悪例(・・)として見せたくなるが。

変な影響が出ても困る為、即却下となる。


その部屋の一角へ曹皓は向かう。

悩む事も無く、柱の横に右手を付き──押す(・・)


すると、壁が扉の様に奥へと開く(・・)

隠し扉である。


「氣を扱えれば判る」と言っていた通り。

曹皓には──曹操にも、最初から視えて(・・・)いた。


尤も、劉懿達が入手した屋敷の見取り図と、実際に現物を見て確認した時点で浮かんでいた不自然さ。

此処に何かが有るという事は事前に判っていた為、調べる事自体は予定通り。

変わったのは、禁書盗難の件が絡んだ事によって、曹皓達が直接確認する事にしたという事。


隠し扉の先には前室と同じ位の広さの部屋が有り、しっかりと溜め込んでいた金銭が箱詰めにされて、天井まで積み上げられていた。

中身が判るのは、一杯にはなっていない箱が有り、蓋も閉められてはいない為。



「随分とまあ、溜め込んでいたものだわ…」



ざっと見ただけでも、州の二年分─いや、三年分の税収に相当する額になるだろうと見積もる曹操。

呆れると同時に、劉懿達に気付かれるまでは隠れる事が出来ていた事実には感心もする。

だからと言って、生かす価値は無いのだけれど。


積み上げられた箱を見ている曹操の傍らで、曹皓は身を屈めながら幾つかの箱の塔を移動させる。

そう遣って出来た空間──の床の板を取り外す(・・・・)

其処には地面ではなく、石を削って作った石箱が。

蓋の取っ手を掴み、持ち上げると──



「──有ったね」


「まさか、本当に見付かるだなんてね…

量から見て、全て揃っているのかしら?」


「流石に取り出して確認してみないと判らないね」



そう言いながら、曹皓は石箱の中に収められていた盗まれた禁書であろう多数の竹簡・木簡、紙の書を丁寧に取り出し、曹操に手渡す。

全て出し終えた所で韓遂が持っていた目録の写しを曹操にも渡し、手分けして確認してゆく。


目録に載っている物と載っていない物に分け。

載っている物が有れば写しに朱墨で線を引く。

量は然程でもないが、傷みの激しい物も有る。

その為、手早く済ませる、というのが難しい。

勿論、それでも二人の作業速度は非常識なのだが。



「……あー…向こうは終わったみたいだね」


「思っていたよりも時間が掛かったかしら?」


「何人かからは聞き取り(・・・・)もして貰ってたから…

それを踏まえてなら、十分に早い方だと思うよ」



そんな風に曹皓の然り気無い援護が有ったと知れば韓浩達は泣いて感謝するだろう。

厳しさで言えば何方も何方なのだけれど。

僅かにだが、曹操の方が評価基準が高い(厳しい)

その為、韓浩達でさえも曹操の評価には緊張する。

緊張した所で評価が変わる訳ではないのだが。


そんな感じで話しながらでも作業は終了。

僅かな破損すらさせずに、なのは言うまでも無し。



「半分以上が無関係だったのは紛らわしいわね…

それとも、コレ(・・)も意図的な事なのかしら?」


「全て、とまでは言わないけど、何れもそれなりに価値の有る物ばかりだったからね~…

単なる好事家の収集物にも思えるかな」



そう言いながら曹皓は目録の該当品だけを空き箱に入れて持ち帰る準備を進める。

基本的に、金品は全て回収し、屋敷には火を放つ。

其処まで遣るからの殲滅である。

尚、回収した物は劉懿達に渡してしまう。

曹皓達には無関係な物なので。

余計な火種を懐に入れるつもりはない。

ただ、回収するのは、誰かに持っていかれたりした場合に面倒が残ったり、広がったり、生じる為。

消すのならば、綺麗さっぱりと、である。


曹操は曹皓の持っていた写しの確認分を自分の方に書き加え、もう一度、曹皓の写しと照らし合わせて最終確認を終える。



「どうやら、殆ど有ったみたいね

此処に無かったのは一冊だけね

書名は……“太平要術の書”?」



そう曹操が呟いた瞬間、曹皓が動きを止めた。

それだけで、曹操は察した。

太平要術の書(それ)が最も重要だったのだと。



「玲生?」


「……昔、母さんが話してくれた事が有るんだ

この世には、人の手には余る代物が在る、って…」


「それが、その太平要術の書なの?」


「そういう類いの話の場合、形の無い物や、教訓を伝える比喩って事も珍しくはないんだけど…

母さんが珍しく具体的な名前を挙げたから覚えてる

詳しい事は母さんも知らないみたいだったけど…

母さんが言うには、「人の心を覗き、映す鏡」って事らしいだけどね」


「……目録では紙製の書(・・・・)となっているけれど?」


「それは母さんの比喩なんだろうけどね

ただ、実物を見た事が有る訳でもないのに、何故、そういう表現を母さんがしたのかは解らない」


「そうなると調べるのも難しいわね…」


「まあ、もしかしたら、父さんに関係が有る事なのかもしれないけど」


「御義父様ね…未だに名前も判らないのよね?」


「俺と同じ特徴的な髪色だったって事だけだね~」


「…熟、謎の多い御夫婦だわ」



そう言って溜め息を吐く曹操に曹皓も苦笑する。

その背中は今も尚、遠いのだから。




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