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真・恋姫†無双 星巴伝  作者: 桜惡夢
二章  天命継志
22/38

一話 事急回道


人里から離れると当然ながら人気は無くなる。

人は、人が多く集まる場所が良いとするからだ。


それは群れる(・・・)事による安心感であり。

外敵に襲われた場合の戦力(抵抗力)であり。

最悪の場合、己の生存率(・・・)を上げる為。

其処まで露骨な意図は無いにしても、集団を形成し生活・行動をする生物に共通の生存戦略。

故に、それ自体が悪い事だとは言えないだろう。

人間社会に置ける道徳観では悪行だとされても。

生存競争としては、間違いではないのだから。


そういった訳も有り、人は人が多い場所を好む。

それは必然的であり、何も可笑しな事ではない。


だが、世の中には違う価値観を持つ者は居るもの。

そして、その中には弱肉強食(共存)を掲げる者も。

そんな世界規模で見れば一握りの者達が好む場所は人里離れた人気の無い森や山の中が多い。

自分達が社会的少数派であり、社会的秩序を乱す。

所謂、外れ者(・・・)だと自覚しているから。

社会的多数派に排除されない様にする為に。

そういった場所に身を潜め、蛮行を繰り返す。


自らの行いを、考えを、改められないが故に。

彼等は変わる事無く、着実に破滅へと向けて歩む。



「──第二・第三隊!、前に出る!、行くぞっ!」


「──第四から第六!、左翼に回る!、続けっ!」


「──第七隊!、待たせたな!、出番だぜっ!」



夏侯惇の声で二部隊が前衛へと押し上がる。

一方で、韓浩の指揮で三部隊が一団と為って動き、速やかに移動して敵側面に回り込む。

更に、止めを刺す様に馬超が率いる騎馬隊が本隊の作った道を通って突撃して行く。


勢いの有る咆哮に、悲鳴と怒声が飲み込まれる。

紫紺の戦装束に身を包んだ曹家の軍勢が、不揃いの不潔な身形の一団を蹂躙していった。




その結果が圧倒的であった事は言うまでもない。

開戦時こそ、籠城されると長引いて面倒になる事を懸念して少数で慎重に動き、上手く釣り出した。

其処からは一気に流れは逆転し、短時間で決着。

戦闘全体を見ても、一刻程だっただろう。


当の相手は近隣で悪名を轟かせている“赤熊党”。

構成総人数千六十七名という規模の大きさであり、一割は女性という特徴が有る。

彼女達は拐われた後、賊徒の言葉に乗り仲間入り。

拒めば手酷く物として扱われるが、自主的に協力し関係を持てば優遇される訳で。

ある意味、それも生存戦略だと言えるだろう。


そんな赤熊党を壊滅する為に曹晧達が動いた。

本来であれば、救出・保護の対象である女性達だが今回は事前に関係者には既に一味である事を告げ、一切の例外無く、殲滅と決定している。

心が痛まない訳ではないが、これも必要な事。

同情しても彼女達の罪は消えはしない。

罪が消えない以上、元の生活には戻れはしない。

だから、罪人に一切の情けは掛けない。


勿論、罪の種類や経緯に因れば恩赦も有るのだが。

今回に限って言えば、彼女達を赦す理由が無い。

自分達が味わった悲哀や苦痛を無差別に拡大させる助力をしている段階で如何なる言い訳も無意味。

罪を罪として裁かなければ、罪の概念が揺らぐ。

罪の概念が揺らげば秩序が乱れ、無法地帯と化す。

そうしない為に、施政者は毅然として成さねば。


ただ、それでも感情としては別である。

「思う所が全く無い」とは言えない。

不幸中の幸いなのが、子供は居ない事だろう。

それだけでも、躊躇する理由が減るのだから。


事後処理を済ませ、討伐は終了。

曹晧達は拠点である平原(・・)へと帰還した。


曹晧達が率いていた兵は四百。

だが、曹晧・曹操により選抜された精鋭である。

個人個人の技量・才能は勿論、部隊としての練度も比較対象が御粗末に思える程に他を凌駕する。

故に、四百だろうと問題は無い。

其処等の賊徒の力量ならば、四千は居なければ。

それでも曹晧達という指揮官が居る以上、まだまだ両者の間には大差が有ると言える。


勿論、それで自惚れ・傲る様な者は居ない。

彼等・彼女等は自らの遥か上を知るが故に。

自信は持てど、過信・慢心する事は無い。

…間違えば、特別訓練(地獄)が待っているのだから。



「──で、軽傷者も無し、と…

まあ、この程度の相手なら当然の結果でしょうね」


「そうだね、軽傷でも負ってる様だと軍の全体的な鍛練・調練自体を見直さないといけない所だし

そうならなくて良かったと思うよ」



「嗚呼、本当に…」と。

曹操と曹晧の会話を聞きながら思う韓浩達。

兵達が聞いていたなら顔を青くしていたり、中には泣き出してしまう者も居たかもしれない。

それ程に、曹家の鍛練・調練の内容は過酷である。

ただ、それを経て自らの成長を確と感じてしまうと一瞬の中毒の様に、填まってしまう。

その過酷さが、成長に繋がると知るが故に。

何だかんだ言っても、抗えない魅力が有る訳で。

結果、曹家の軍事力は大きく成長している。


──とは言え、それは曹晧・曹操が居るからこそ。

自らが実践し、示しているからこそ。

韓浩達も兵達も見倣い、励むのだから。

口先だけの、命令しかしない輩には真似出来無い。

そういった人望も含めて、曹家は精強だと言える。


さて、それは兎も角として。

今、曹晧達が居るのは青州(・・)は平原郡である。

其処に太守として曹晧が赴任しているのだが。

以前、「兌州を獲る」と言っていた。

それが、青州に居るというのは可笑しな話だろう。

だが、それには明確な理由が有る。


確かに狙いは兌州で間違い無い。

しかし、曹家の伝手(・・)を使って兌州に入ったならば、確実に警戒されてしまうだろう。

加えて、要らぬ反感や不評を買う事にもなる。

「そんな物、放って置けばいいわよ」と言いたいが人の妬み嫉みは軽く見ては為らない。

それを理解しているから、曹操でさえ慎重。

不用意に敵を増やせば反対勢力が勢い付く。

そうなると無駄な血を流さずに獲る事は難しい。

ある程度の犠牲は覚悟しなくてはならない。


だが、それを回避出来る方法が有るのであれば。

それを二人が選ばない理由は無いと言える。


その方法の一環として、この青州への赴任である。

治安面で大きな問題を抱える無能な平原郡の太守を廃して曹晧が新太守として着任。

平原郡の状況を改善し、立て直して実績を作る。

それから、兌州に赴任する、というのが狙い。


反論し難い実績が有れば、現職の者も抵抗出来ずに大人しく退くしかない。

もし、下手に逆らおうものなら、破滅するだけ。

曹家に、皇帝に、楯突く事に為るのだから。

それでも伝手だけでなら一考の余地が有る。

その余地を与えない為に曹晧達は実績を作ってから堂々と兌州入りをする、という訳だ。

遣られる方からしたら、堪ったものではないが。

それは自業自得でも有る。

付け入る隙さえ見当たらない統治・政治をしている様ならば、曹操達も動きはしない。

そうではないから、動いているのだから。


そういう意味では、今からでも遅くはない。

“他人の振りを見て、我が振りを直せ”と。

曹晧達を見倣い、「我々も励まねばな」と心を入れ替えて自らを正し、改めたなら、未来は変わる。


ただ、その可能性は無いに等しい事だろう。

それが出来無いから世の中は荒んでいるのだから。


そんな訳で、曹晧達は平原郡に居る訳だ。

事が事なので、曹丕達は各実家に預けられている。

まあ、屋敷が固まっている為、広大な敷地内に有る別の棟で生活している様なものである為、子供達は思うよりも寂しがってはいない。

何処にも面倒見の良い祖父母が居る事も有る。



「…それにしても、この程度の賊徒が好き勝手する状況が当たり前だと民が(・・)考えている事、それ自体が一番の問題よね…」


「個人や官軍としての練度も有るんだろうけど…

賊徒に襲われた民も無抵抗過ぎるのがね…」


「心が弱ると、弱い者は尚更に弱くなる、ね…

“病は気から”と言うけれど、略奪される事自体を何処かで受け入れている民も問題だわ」


「抗う武力が無いから弱いんじゃなくて、抗う事も諦めている心が弱いから、だからね…

勿論、そうなるまでに放置した施政者達にも大きな問題が有る事は確かなんだけど…」


「施政者達は裁く術は多々有るけれど、現状に対し諦めている民を変えるのは…本当に難しい事だわ」


「少なくとも、綺麗には(・・・・)出来無いね」


「ええそうね…時には必要悪(・・・)も、ね…」



そう言って小さく溜め息を吐く二人。

想像する事と、実行する事は全くの別物。

それ故に、掛かる負担は想像を越えてくる。

勿論、その程度で潰れる様なら分不相応。

抑として、身に余る大望でしかないのだが。

背負える才器でも、全く平気な訳ではない。

負担は負担に変わりないのだから。


そんな二人の様子を側で見ながら韓浩達は思う。

「もうさ、譲って貰って直ぐに皇帝遣れよ」と。

恐らく、現皇帝に否は無いだろうから。

──とは言え、それは口にはしない。

何処に耳が有るか判らないからだ。

自分達の迂闊な発言で二人の立場を危ぶませる事は絶対に有っては為らない事なのだから。



「…ふぅ……取り敢えず、これで七つ目ね

一週間で七つなら、範囲的に見ても上出来だわ」


「こういうのは賊徒同士の情報網に引っ掛からない内が勝負だからね

表立ってる(・・・・・)相手は……残り四つだね」


「その内三つは明日出る私達が討って来るわ

明日中に此処を潰してから移動し、此処は夜間戦、休息を挟んで移動して日没までに終了させるわ」


「──となると、帰りは三日後だから……中一日で休息を挟んで置けば問題無く行けるね」


「ええ、その予定で準備を御願いね」



──と、そんな韓浩達の心中を知らずか。

あっさりとした様子で二人は切り替えている。


広げられている簡易地図に刻まれた朱墨の×印。

それは潰された賊徒の一団の根城の位置。

そして、次目標の黒墨の丸印を指で叩き、計算。

今回の討伐中に待機だった曹操は次の自分達の番を見据えて最善の攻略順路を見出だし、準備済み。

曹晧に確認を取り、最終戦への棋譜を詰める。


ただ、淡々と話している二人な訳だが。

今の話題に挙がっていた計十一の討伐対象は何れも青州内では上位三十に入る賊徒達。

その内六つは、青州で十指に入る凶悪さを誇る。


──が、それは飽く迄も一般的な評価に過ぎない。

曹操達からすれば、単騎で潰せる程度の相手。

はっきり言ってしまえば。

曹操達が単騎で当たれば、一日で十を潰せる。

それから早い者勝ち(・・・・・)で最後を狙う。

それなら、僅か二日で、一掃する事が可能だ。


しかし、それは好ましい方法ではない。

面倒な話ではあるが、それが政治的な厄介さ。

曹晧達が個人の実力で賊徒を討伐しても評価され、類い稀な武勇伝として語り継がれる事だろう。

けれど、政治手腕という面では評価され難い。


判り易く言えば、料理の腕前の様なもので。

高級食材を、高級調理器具を使用して作る。

それなりに技量と経験が有れば、それなりに出来た料理は美味しい物になるだろう。

だが、余り物で手際良く美味しい物が作れる方が、料理の腕前を評価される事だろう。


政治手腕も似た様な物で。

特別な才能の有る人物等から絶望的な忠誠を持った大人物よりも、石を投げれば当たる様な凡人を使い必要最低限の成果を迅速に上げられる。

そういった人物の方が一度評価されると根強い。


それは人の持つ“共感性”に因るもので。

世の中の人々の大多数は凡人である。

つまりだ、稀有な才器の大人物よりも、凡人に近い人物の方が共感意識を持たれ易いと言える。

それはそのまま支持率にも反映される。

大人物は最初は注目され、尊敬を集め易い。

しかし、その才器が故に理解されなければ独裁者や夢想家・奇人扱いされてしまう事も少なくない。

逆に凡人寄りは時間は掛かるが、地道に努力すれば確かな評価が後から付いてくる。

その差は無視出来無いものである。


だからこそ、曹晧達は個人を抑え、軍勢で行う。

社会性が集団による以上は、仕方の無い事だ。




曹操達が討伐から戻り、一日の休息・準備を挟んで最後の標的を討伐に出発する。

──予定だったのだが、更に二日(・・・・)、日を開けた。


最後の標的である“貘党”に小・中規模の賊徒達が合流し、併合されていった為である。

ただ、正確には少しばかり真実は異なる。


平原郡に根城を持つ賊徒の中では最大規模の勢力を誇っているのが、件の貘党。

総人数は三千人を越えるのだから大した物だ。

しかも、敵対していた同業者(賊徒)を取り込んで拡大。

その為、経験豊富な幹部が揃っていたりする。

そういった理由から、青州でも陸地では最大規模で最も狂暴且つ強敵な賊徒だとされている。

そんな貘党が居る事で、賊徒の横行が活発化して、被害が拡大していた事が現状へと繋がっている。


しかし、新たに平原郡の太守に着任した曹晧。

まだ若く、“御坊ちゃん”と揶揄され、侮られる。

そんな前評判を、あっさりと覆す様な快進撃。

平原郡の有力な賊徒の一団は次々と壊滅。

小規模な賊徒は我先に逃げ出し──貘党を頼った。

そんな噂が拡散し、近隣の賊徒達は戦々恐々。

管轄外に根城を持っていようと、太守や県令からの要請が有れば曹晧は動ける。

その事実が不安を煽り、恐怖を増幅させた。

その結果、平原郡の周辺からも賊徒達が集まって、貘党に併合され、肥大化していった訳である。

現在の貘党の規模は凡そ一万だと言われている。


──と、そう言われたなら、大体が納得する筈だ。

しかし、其処に至るには裏工作(・・・)が有ったりする。

曹晧達が平原郡内でも有力な賊徒ばかりを討伐し、小物を無視していたのは無駄(・・)を省く為である。

小・中規模の賊徒ですら我が物顔で略奪等が出来る状況には貘党等の有力な賊徒の存在か有るからだ。

だが、それは逆に言えば、有力な賊徒さえ潰せば、小物は放って置いても自滅していく訳で。

曹晧の手の届かない領外に逃げるか、立場が逆転し人数で勝る村等に死を覚悟で襲い掛かるかだ。

まあ、死を覚悟で踏み込める様な度胸が有るなら、直接曹晧を襲撃でもするだろうが。

それが出来る様な者は存在していない。

所詮、“虎の威を借る狐”なのだから。

…いや、それは狐に失礼だろう。

それ程の能力も価値も無いのだから。

──とまあ、何れにしろ、行く末は見通せる。


だから、曹晧達は小物を放置していた訳だが。

其処には期待はしていないが、小さな狙いが有り、運良く、実現したと言うのが本音だったりする。

その狙いが、賊徒達に共通する心理。

「危なくなったら、逃げればいい」と。

「強い奴に付いて甘い汁を啜ろう」と。

他力本願な性根を利用し、集める事を目論見た。

勿論、飽く迄も「運が良ければね」と。

その程度の事で、大して期待はしていなかった。


ただ、思いの外、流れ(・・)が良かった。

其処で曹晧は梃子入れ(・・・・)し、動向を補強。

近隣の賊徒達にまで情報を流し、集まらせた。


甘い蜜に群がる蟻を見ているかの様な曹晧と曹操。

その不敵で、少々寒気を感じる笑みを見詰めながら韓浩達は二人を敵に回さなくて済む立場に安堵。

「この似た者夫婦がっ…」と小さく愚痴った韓浩に反論出来る者は誰一人として居なかった程だ。


そういった訳で、少々変更は有ったが、予定通りに最後の標的である貘党の討伐は実行される。

時間を掛ければ、まだまだ集められはするのだが、日を開け過ぎると考える時間を与える事になる。

それは怪しまれ、気付かれて、離散される可能性を高めてしまう為、遣らない。

折角の絶好機を無駄にする事になるのだから。


──とは言え、流石に一万近くなると楽ではない。

不可能ではないが、軽傷者の有無では済まない。

不確定要素が増える以上、死者の有無になる。


こう言っては何だが、無駄な死者というのは技量が拙い者が多い戦場程、不確定要素が増え、死者数は格段に増してしまうのが現実。

高い技量の者だけしか存在しない戦場であるなら、不殺が暗黙の了解として有るなら、無意味な死者を出さなくても決着させる事が可能。

故に、将師は勿論だが、一兵一兵に至るまで力量を求めるべきなのが、望ましいと言える。

勿論、そんな事は一般的には(・・・・・)不可能である。

だから、“相手より多く兵を用いる”事が常道。

質を高めるより、量を集める方が簡単だからだ。


──とまあ、そういった理由も有って、肥大化した貘党の討伐は決して容易ではない。

其処で、今回は曹晧達も直に戦闘に参加する。

指揮は勿論執るが、それはそれ、使える物は使う。

折角の最大戦力を遊ばせて置く理由は無いからだ。

それにだ、他所の目撃者が居る訳ではない。

一人残らず鏖殺するのだから、“死人に口無し”。

少々、溜まった憂さ晴らしを兼ねていたとしても。

誰かに文句を言われる事も無いのだから、と。

しっかりと建前武装(・・・・)し、結託した。



「──哈ああぁああああっ!!」


「ヒィイッ!?、なななっ、何なんだ此奴等あっ?!」


「来るなっ!、来るな来るな来るなァアアーッ!!」



愛剣である“狼牙”を手に、賊徒を斬り捨てるのは無表情な夏侯惇。

以前の夏侯惇ならば感情のままに憤怒と殺気を撒き散らしながら戦っている所だが、今は違う。

能面の様に、感情の消えた冷徹な静かな表情のまま淡々と愛剣を振るい、血華を咲き散らせる。


妻となり、母となり、その価値観は変化した。

普段、感情のままに表情豊かな夏侯惇だが。

年を経て、大きく変わったのが、そのキレ(・・)方。

女を弄び、子供の未来を奪う、賊徒という害蟲。

其処に一切の同情も憐憫も罪悪感すら無い。

ただただ、不要な(・・・)存在(ゴミ)の処分。

「綺麗にしよう」という意志が有るだけで。

汚れや塵芥に価値を見出だす事は無い。


発せられる咆哮は威嚇でも気合いでも無い。

それは単なる武の一部。

身体に染み付いた動きでしかない。

──とは言え、そんな事を賊徒達は知らない。

だから、ただただ恐怖でしかない。

感情が見えない、というのは、それだけでも十分に恐怖を与えるのだから。


そんな夏侯惇という猛威の中心部から逃れる様に、背後を振り返りながら距離を取る賊徒達。

当然と言えば当然だが、彼等に仲間意識は無い。

都合が良い時には「俺達は仲間だ」と笑顔で言い、都合が悪くなれば「あばよ」と笑顔で切り捨てる。

何処までも利己的であり、同じ一党の者にでさえ、彼等は一蓮托生の様な特別な同志意識は無い。

ただただ、互いに利用し合うだけの関係。

“烏合の衆”である事に変わりはない。

それでも、数は暴力である。

だからこそ、巨大な集団に吸収される事に対しての忌避感や嫌悪感は二の次。

無い訳ではない為、腹の中では貶していようが。

表向きには強者に従い、己の利を確保する。

それだけの事、それだけの関係性なのだから。



「糞がっ、何で俺達がっ…」


「──何でか知りたいか?、おい?」


「──は?、だ、誰だ手前ぇ──グェッ!?」


「訊いてんのは此方だ

「何でか知りたいか?」って訊いてんだよ?

手前ぇ、言葉判ってんのか、ァ゛ア゛?」


「──っ!?」



夏侯惇から逃げていた賊徒達の一人の呟きに対して訊ねたのは笑っていない(・・・・・・)笑顔を浮かべる韓浩。

状況が把握出来無い賊徒の男の反応に対し容赦無く右手を伸ばして髪の毛を掴み、頭を引き寄せる。

曹晧達の中では一番身長の高い韓浩。

たったそれだけの行為だが、賊徒の男は無理矢理に吊り上げられている感覚と痛みを伴う。

──が、韓浩は気にもしない。

まあ、気にする必要も無いのだから当然だが。


そんな韓浩の有無を言わさぬ迫力に気圧された男は息を飲んでから、口を開いた。

兎に角、「訊かないと殺されるっ…」と。

男の本能が警鐘を打ち鳴らしていたからだ。

だから──深くは考えなかった。



「…しっ、知りたい、ですっ…」


「それはな、手前ぇ等が同じ事を遣ったからだ」


「……………………は?」


「判んねぇのか?、ああ、まあ、そうだろうな

だから、手前ぇ等みたいな屑に価値は無ぇんだよ」



そう言って、左手に握る愛剣・犀角を振るった。

二人の側に居た呆然とする賊徒達が一振りで上下に分断され、地面に崩れ落ちる。

状況を飲み込めない男は頭に鈍い痛みの後、身体が軽くなった様に感じた。

そのまま視界が左右に割れ、右左(・・)が赫く染まった。


溜め息を吐く事すら無く韓浩は賊徒達を見据える。

「何で、こんな奴等が生きてるんだ?」と。

汚物を見る様に、視線を巡らせる。

曾て、「賊徒も被害者だ」と曹晧達に言われた。

それには納得しているし、意味も理解は出来る。

しかし、直に目の当たりにすれば──話は別だ。

赦す気になど慣れないし、生かす価値も判らない。

抑、こんな連中に存在する価値を見出だせない。


勿論、その辺りは曹晧達も同じである。

ただ、施政者という立場の責任を重視する曹晧達と家臣である韓浩達には多少の価値観の差が有る。

その辺りの差異に因る葛藤は仕方の無い事だ。


ただ、曹晧達も賊徒を生かす気は無い。

所謂、囚人として鉱山夫等を課す無償労働力として利用しようとは考えてはいない。

罪人を生かし、無償労働力にするには民の血税から彼等の食費等を拠出しなければ為らない。

民を害した者を民の血税で養う?。

そんな馬鹿馬鹿しい話に頷く気は無いのだから。


勿論、見方を変えれば、罪人達は危険で過酷な労働環境で働き、犯した罪を償う、と。

そう考える事も出来るのだが。

それなら、食事も与える必要は無いだろう。

文字通り、死ぬまで死力を尽くして働けばいい。

それだけの罪を犯したから、其処に居るのだから。


だが、そうは為らない。

それは害された民ではなく、施政者の都合や意図で囚人という労働力が欲しいが為だ。

それ故に、囚人達を生かし、利用する。


ただ、それは飽く迄も一般的な場合である。

曹晧達の──曹家の遣り方では、違う。

賊徒は等しく鏖殺し、決して赦す事は無い。

それは大多数の賊徒というのは、自制心も忍耐力も一般人よりも劣り、責任能力も低い為。

そんな者を生かして置く理由が無いからだ。


「人権とは、他者を害さない無辜の民に有る物で、犯罪者に尊重すべき人権は無い」が田静の理念。

人権を──他者の尊厳や人生を蹂躙した犯罪者達の人権を尊重したり守る理由は無い。

犯罪者達は自ら、“人道”を外れ、落ちた。

その時点で人ではなく、犯罪者に為ったのだから。

──と、曹晧や劉懿達を介し、浸透している。


そういう意味では、今更ではあるのだが。

それでも、感情というのは中々に御し難いもの。

夏侯惇にしろ、韓浩にしろ、理解も納得もしていて──それでも、決して心中は穏やかではない。

ただ、それを悪い事、直すべき事だとは言わない。

寧ろ、その感情を懐かなくなった時、人は人として他者の生命や人生を“物”として扱う様になる。

だから、曹晧達は韓浩達に、その大切さを示す。



「──って、どっしりと構えて居たいんだけどね

実際問題、まだまだ俺達も青い(・・)よねぇ…」


「仕方が無いわよ、其処は経験の差だもの

知識や技術は人一倍だろうと、どうしても経験には時間や機会が必要になるしね…」


「そうだよね、そればっかりは自分達で意図しては用意したり出来無いもんね」



──と、話しながら賊徒を屠る曹晧と曹操。

その軌跡すら視認出来無い程の速さで愛刀を振るう二人の歩いた後には血と屍の路が出来上がる。

その様子を客観的に見たなら、二人の歩む道自体が血塗られていると暗示している様に思えるだろう。

勿論、それは全くの間違いではない。

決して、血を流さずに歩む事が出来るとは、二人は微塵も思ってはいないし、背負う覚悟もしている。


綺麗事だけでは政治は成り立たない。

しかし、綺麗事の方が人々の受け(・・)は良い。

矛盾する事だが、その二つを上手く調整しながら、遣って行かなくては為らない。

それを面倒臭がったり、勘違いすると政治は腐る。

何よりも、結果を以て示す事が大事である。




複合的な意図により肥大化させられた貘党。

その討伐は殲滅という結果を以て無事に終了。

多少の軽傷者は出たが、それは根城が崩壊したり、賊徒の屍等が原因で起きた不慮の事故による物。

その為、然程問題では無かったのだが、笑顔で傷を治療する曹晧には負傷者達は震えていた。

「気を抜いてたのかな?」と。

言われてもいない筈の声が聴こえた気がした為に。


そんな他愛無い勘違いをした話も有ったが。

青州で横行していた賊徒は大きく減少。

特に、内陸部で被害を出していた賊徒達の約七割が今回の掃討作戦により討ち取られた。

それにより、一時的にだが、治安も回復した。


当然ながら、曹晧達の管轄は飽く迄も平原郡のみ。

青州全域にまで及ぶ事は無い。

しかし、その圧倒的な功績によって、青州の州牧を始め、刺史や太守・都尉は動かざるを得ない。

何故なら、同じだけの功績を残す事は出来無くとも最低限の状況の改善を成さなければ、今の地位から退かなくては為らなくなるのが見えているから。

彼等は必死に点数稼ぎ(・・・・)に励み出した。

そういう意味で、今後の青州の治安が良くなるかは彼等の努力と、民の突き上げ(・・・・)次第だと言える。


そんなこんなで曹晧が平原郡の太守に着任してから早くも二ヶ月が経とうとしている。

通常であれば、まだ平原郡の財政・治安等の状況の把握を急いでいる所だろう。


しかし、曹晧達にとっては平原郡一つの状況把握は三日も有れば余裕で終わらせられる。

勿論、曹家の──否、曹晧達が築き上げた組織力や育て上げた人材が居てこそだが。

抑、人材も偶々見付けた(・・・・・・)訳ではない。

明確な意図を以て、人選を行い、鍛え上げた結果、優秀な人材へと成長している訳で。


よく言われる「俺にも優秀な家臣が居れば…」等の台詞は遣りもせず、出来もしない輩の遠吠え(・・・)

曹晧達と同じ土俵に立っている気になっている。

恥知らずで勘違いし過ぎの愚かな寄生虫達の戯言。

そんな事を口にする事自体が己の無能さを証明する恥態であると考えが及ばない程度なのだから。

その未来は予想に難くないと言える。



「ふ~ん…成る程ねぇ…

…よくもまあ、こういった小賢しい悪知恵ばかりを思い付くものだわ…

その能力を正面に使えないのかしら?」


「全く以て、その通りです!」


「いや、絶対に解ってないだろ?」


「うんうん、春蘭だもん、解ってないよね」


「何だとーっ?!、翠っ、翔馬っ、ならば、御前達は解っていると言うのかっ?!」


「いや、これは流石にアタシでも解るっての

──って言うか、これでもアタシは一応は馬一族を背負ってく身だったんだからな

これ位なら、まだ理解出来るっての」


「…翠?、その威張り方は可笑しいからね?」


「…え?、マジで?」


「うん、大真面目にね」


「フフンッ!、私と大差無いではないか!」


「くぅっ…」



調査報告が記された竹簡を読み終えた曹操の愚痴に夏侯惇が自信満々で同意したのに対し、馬超・馬洪から然り気無くツッコミを入れられ、反論。

それに対し馬超は「あのなぁ…」という呆れ気味な態度で「夏侯惇(御前)とは違う」と言い切る。

──が、愛する夫から、その微妙な発言を指摘され意表を突かれた格好になり。

それを見逃さなかった夏侯惇に反撃され、赤面。

憤怒と羞恥心から馬超は俯いて黙る。


そんな馬超を見て「勝ったな!」という態度を取る夏侯惇に対し、溜め息を吐く夏侯淵。

共に結婚し、子供も生まれたのだが。

今尚、夏侯淵にとって夏侯惇は手の掛かる姉だ。

勿論、憎しみや腹立たしさは無いが。

「もう少し成長してくれないものだろうか…」と。

正直、愚痴を溢していたりする。

そんな訳で、調子に乗らない様に窘める。



「…姉者、本当に理解しているか?」


「…ぅ、むっ………いや、正直に言うと解らん…」


「ほれ見ろっ!、やっぱり解ってなかっただろ!」


「どうどう、落ち着こうな、翠」


「アタシは馬かっ?!」



性格上、そして関係性上、馬超や韓浩・馬洪からの指摘や苦言には反発し勝ちな夏侯惇だが、夏侯淵が相手なら意外と素直だったりする。

それは生まれた時からの半身である事は勿論だが、共に生き、過ごしてきた年月から来る信頼関係。

だから、夏侯淵から指摘されれば、見栄を張らずに素直に非を認めたり、正直に言ったりする。


一方、夏侯惇の言葉に自尊心を取り戻した馬超。

反射的に夏侯惇に噛み付こうとするが、其処は夫の馬洪が然り気無く宥めに入り、意識を逸らす。

元々、気が強く、負けず嫌いな二人が打付かれば、騒がしくなるし、話が大きく逸れてしまう。

それは状況的に考えれば、仕事が長引く訳で。

その辺りを気にする馬洪らしい言動だと言える。



「…ですが、玲生様、華琳様、内陸部に居た賊徒が急激に減ってしまった結果、海岸周辺でしか略奪を行っていなかった海賊(・・)が勢力圏を拡大していく事に繋がらないでしょうか?」


「それは当然の懸念ね

ただ、仕方の無い事でも有るわ

現状では、青州の被害は内陸部の賊徒達による方が圧倒的に多かったのだから」


「全体の約八割が内陸部での被害だからね

太守の立場だと、どうしても優先順位(・・・・)を付けた上で取捨選択しないと出来無いから」


「全ての被害を無くすには今の私達では()不足…

だから、その歯痒さは忘れては為らないわよ」



両親が、縁有った者達が、曾ては義賊だとは言え、江賊だったという事実が有る甘寧。

それ故に、思う事は韓浩達とは少々違う。

賊徒という立場からすれば其処に至るまでの理由が多々有るにしても、それは赦されない行為。

だからこそ、錦帆賊は自らの歴史に幕を下ろした。

田静が関わっていた事だとは言え、その決断自体は確かに彼等が話し合い、決めた事だった。

その遺志を知るが故に、甘寧の憤怒は複雑だ。


それを理解した上で、曹操と曹晧も答える。

正論や理屈で一方的な意見を押し付ける事は簡単。

しかし、そういう事をしても意味が無い。

だから、曹操達は甘寧に寄り添う様にしながらも、完全には同調しない様にも気を付ける。

こういった時、感情に同調するのは簡単なのだが、同調してしまうと思考や感情を肯定する事になり、それ以外へ拡がる可能性を潰す事にも繋がる。


曹操達は然り気無く遣っている訳だが。

何気無い様で、かなり難しい事だったりする。



「力で変える事は、そんなに難しくはない

だけど、力による革命は支配政治の温床だからね

勿論、遣り方次第では回避出来るし、別の方向へと歩みを進める事は出来るけど…」


「一度、それを遣ってしまうと善例(・・)になるのよ

そして、それを言葉巧みに利用し、民を煽動すれば燻っている火種を容易く燃え上がらせる事が出来る上に自分を象徴的に見せられるわね」


「単純な方法は、それだけ真似し易いからね

どうしても悪用しようって考える者は出るんだよ」


「悲しい事に、それが人間という生き物なのよ

技術や知識等を正しい事だけに用いず、自分の為に悪用し、利益を得ようとするわ

それは人間が人間で在る限り無くならない宿業…

だから、そういった可能性まで私達は考えて行動を起こさなくては為らないのよ」


「…政治というのは儘ならない物ですね…」


「ええ、本当にね」



二人の話を聞き、溜め息を吐く甘寧。

感情的には為らず、けれど感情を失いはしない。

その絶妙な精神と思考の均衡が取れた状態の中で、甘寧は自分なりの落とし処を見付ける。

曹操達に誘導されてはいるが、答えは自らが出した以上は甘寧自身の物だと言える。

それ故に、納得もし易い。


そして、それは甘寧だけに限らない事。

会話に参加してはいなくとも側で聞いている以上、同じ様に考え、各々の中で答えを出している。

そう仕向ける曹操達の力量は、到底、この面子では最年少の二人だとは客観的には考え難い事だろう。

()から見たなら、曹家(・・)の力だと。

そう思ってしまっても可笑しくはない。

寧ろ、其方等の方が至極当然だとすら言える。


ただ現実には、この二人が中心に立っている。

勿論、曹家の、田静の、関わる多くの先達が築いた礎が有ってこそ、成り立っているのも事実だが。

その全てが、二人の為に用意された舞台の様に。

曹操と曹晧、この二人が在って初めて成り立つ。

そういう事(・・・・・)なのだと。

二人を支える者達は感じているのが現実である。


それを理解し、堕落し(甘え)ないのが、二人の凄さ。

「これだけ出来れば十分だよね?」と。

そう考えて、楽をしてしまい勝ちな所で。

二人は更に高みを望み、目指し、歩みを進める。

“飽く無き向上心”と言うべきなのか。

単純に、御互いに負けたくないだけなのか。

その辺りは当人達のみぞ知る所では有るのだが。

そんな事は些細だと言える。

それ程に、そう出来る事が凄いのだから。


そして、それが結果に結び付いているから尚更だ。

韓浩達が「絶対に敵に回したくない」と思う以上に二人への「見てろよ!」という対抗心を懐かせる。

その単なる強者、天才・鬼才とは異なる。

引っ張られる魅力が、二人の本当の凄さだろう。

それは韓浩達だけではなく、多くの者が感じる事。

だからこそ、曹家の足並みは二人を先頭に揃う。

目指す未来を見失う事無く。



「──さて、それはそれとして…春蘭、翠

二人共、判っているわよね?」


「「────っ!!??」」



それまでの空気が一変し、曹操が笑みを浮かべる。

名を呼ばれ、視線を向けられた先の二人は硬直。

瞬時に姿勢を正し、直立不動で──視線を外す。

笑顔の筈の曹操の蟀谷には青筋が浮き出ている。


普段なら、言い訳をしたり、夫達を捲き込む事で、多少は軽減したり、逸らしたり出来るのだが。

今回ばかりは、流石に二人も無理だと判っている。


──で、その曹操の青筋の原因なのだが。

曹操が、その白魚の様な美しい右手の人差し指にてトンッ、トンッ、トンッ…と。

苛立っているかの様に叩いている竹簡。

其処に、はっきりと記載されている。



「人間の身勝手な都合で手を入れて変えてしまった以上は“里山”の管理は必要不可欠で有り、義務よ

その責任は未来永劫、決して無くなりはしないわ

だから、その一環として里山の動植物が偏ったり、増え過ぎない様に間引く(・・・)事は大切よ

そうする事自体が獣害対策にも為るのだから

…けれど、これ(・・)は、どういう事なのかしら?

“倒壊した防柵の修繕費”?

何故、山の見回りに行っただけで新設した(・・・・)ばかりの防柵が倒壊するのかしら?

“倒木した木々の売却金”?

彼処の木々は伐採も出荷も予定していないわよ?

ねえ?、どういう事なのか、この私にも解る様に、しっかりと、説明して貰えるかしら?」


「……っ…そ、それは…その……え~とだなぁ…」



曹操の質問に対し、説明が出来無い訳ではない。

先日、二人が該当地区の担当と為った新兵達に対し巡回の遣り方を実際に巡回しながら指導していた。

その時の出来事なのだから。


ただ、その新兵は曹家の所属──私兵ではない。

平原郡の太守が抱える官軍(・・)になる。

それはつまり、曹晧が平原郡を離れた時点で後任の太守の麾下──管理下へと置かれる事になる。

その時に、間違っても突け入る隙を与える事になる様な要因を残して置く訳にはいかない。

それは後々に自分達の足枷になるからだ。


だからこそ、曹操は妻として、今、怒っている。

夏侯惇と馬超、二人が遣らかした内容は勿論だが、それを隠蔽しようとした事の方が大問題。

勿論、内容自体は些細な事だし、事故に等しい為、曹操も「これは仕方が無いわね」と済ませたい所。

──否、実際には、それで済ませられた。

二人が余計な事をせず、正直に報告していれば。


尚、報告内容を見て気付いた曹晧は瞬間的に曹操が見る前に片付けようとも考えた。

自業自得とは言え、影響は小さくない為だ。

だが、結局は曹操に見せた。

バレた後が怖いから。

結果、こうなった。




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