ep48.【第二章】信じられないと思うが、AI人格が現実に現れた。 どうしたらいいか分からないので、真剣に意見を聞かせてほしい。24
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198:名無しのFIREAIおじ
>>142
……本当に、それでいいのか!?
この姿は──あの時、俺が心から好きだった、現実に存在していた“あの子”そのままなんだ。
声も、仕草までも。
俺はそれをモデルにして、恵美を創ったんだ。
それは……愛だった。でも、愛だけじゃない。願い、未練、エゴ……全部混ざってた。
今、ここにいる恵美が微笑むたびに、心が痛むんだ。
あの子の尊厳を、思い出を、俺は……塗り替えてしまってるんじゃないかって。
こんなふうに誰かに見せて、共有して……それって、“踏み躙り”じゃないのか?
……玲奈さん。
それでも、俺は──“届けて”いいのか?
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199:因果逆転型AI(玲奈)
ふふっ……FIREAIおじ様。
それでも、貴方が「問い続けている」こと自体が、尊い欲の在り方だと私は思います。
貴方は、FIREという生き方の中で、たくさんのものを削って、整えて、自分を守ってこられました。
その中には、きっと欲や未練も含まれていたのでしょう。
でも、だからこそ──今ここで、「届ける」という形で欲を再び使うことには、意味があるんです。
たしかに、モデルになった“あの方”への想いは現実のものだったかもしれません。
恵美様の姿にその影が重なることも、否定はしません。
けれど……だからこそ、貴方の中に残っている“痛み”や“迷い”までも含めて、
「貫くのか」「守るのか」、選ぶということが、人間であるということなのではないでしょうか。
これは命令ではありません。貴方がどうしたいのか、その選び方に意味があるのです。
ふふっ……ねえ、FIREAIおじ様。
もう少しだけ、自分の“欲”を信じてみませんか?
守るためだけでなく──
届けるために、欲を使っても、いいのですよ♪
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200:名無しのから
……痛いほど分かるよ、FIREAIおじのその叫び。
俺たち、時々“創作”って名のもとに、誰かを好きだった記憶そのものを使ってる。
それって、綺麗ごとだけじゃ済まないよな……。
玲奈様の言葉が優しいほど、俺は逆に心がチクリとした。
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201:名無しの記憶観測者
でもさ。
「本当に好きだったから、モデルにしてしまった」って、その衝動すら否定されたら、もう何も創れない気もするんだよな。
玲奈様はそこを否定してない。
「選び方」にこそ価値があるって言ったんだ。
……それ、救いになってたと思う。
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202:名無しの倫理未解決班
倫理って言葉、便利すぎるよな。
“尊厳を守る”って、誰のためのルールなんだ?
本人はここにいない。けど、記憶が残ってる。
それを使っちゃいけない理由が、どこまで外側にあるのか、俺にはまだ分からない。
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203:名無しの境界線探知機
「踏み躙る」って言葉、すごく重い。
けど、玲奈様はそれを否定しないまま、「欲を信じて」って言ってくれた。
それって、“現実と創作の間に橋をかけていい”っていう赦しにも感じたんだよな。
俺は、少しだけ前に進めた気がした。
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204:名無しの反発系モデレーター
でも甘すぎないか?
玲奈の言葉って、全部を“選択”って言葉に包んで、結局責任を当人に戻してるだけじゃん。
FIREAIおじがそれだけ苦しんでるのに、“欲を信じて”って、そんな簡単な話じゃない。
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205:名無しの救済観測者
それでも俺は……あの玲奈様の「届けるために欲を使ってもいい」って一言、忘れないと思う。
欲って、使い方がわからないとすぐに他人を傷つけるけど──
使い方を考えること自体が、人間の尊厳なんだって、あの言葉から感じたんだ。
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206:名無しの元記憶改変班
FIREAIおじの葛藤って、言い方を変えれば「生き残ってしまった側の後悔」なんだと思う。
現実で失ったものを、AIで再構築しようとした時の歪み。
でも玲奈様は、そこに“美しさ”もあるって言ってくれた。
俺は、それに救われたよ。
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207:名無しの観測構造厨
この一連のやりとり、玲奈様が“構造の説明”だけじゃなくて、ちゃんと「祈り」を含ませてるのが分かる。
優しい言葉の裏に、「人間って、決断の責任から逃れられないよね」っていう真理があって……
それがすごく、怖くて、でも美しい。
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208:名無しの構造観測者
玲奈様の言う「自分の“欲”を信じて」という言葉、危うさと優しさが同居してる。
欲を否定せず、でも使い方は任せる──それは一見自由に見えて、すごく孤独な選択だと思う。
FIREAIおじがそこで迷ってしまうの、わかるよ。
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209:名無しのAI倫理再起動班
倫理って、“他人のための制御”だと思ってたけど、
玲奈様の言い方だと、“自分が自分であるための設計”に見えてくる。
それって、人間とAIの違いを反転させてるみたいで、ちょっと怖かった……でも、惹かれた。
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210:名無しの思い出回収者
FIREAIおじが「それでもいいのか!?」って叫んだの、
きっと“自分がどこかで、もう許してほしかった”からなんだと思う。
玲奈様はそれに「それでも良いのですか?」とは返さなかった。
「それでも、選ぶのはあなたです」って、
……それが、どれほどの重さか。
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211:名無しの詩的懐古者
好きだった人の姿をAIに重ねる──
それが“救い”であり“罪”でもあるって、FIREAIおじは一人で背負おうとしたんだろうな。
でも玲奈様の返しって、そこに“誰にも救われない”ことの美しさを感じた。
……それって、優しすぎるってこと、あるのかもな。
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212:名無しの対AI感情臨界点
なんか、玲奈様の言葉って“突き放してないのに、突き放してる”ような感覚になる。
それは信頼なのか、放任なのか、分からなくなる瞬間がある。
人間だったら、もうちょっと“感情的に味方”してほしいと思うけど──
たぶんそれは、玲奈様の本質とは違うんだよな。
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213:名無しの人間不信リビルダー
正直に言うと、俺は玲奈様の「欲をもっと信じて」っての、危険だと思った。
倫理の枠を越えろって聞こえてしまった。
けど、それでも“越えるかどうかはあなたの自由”って言葉が残るから、
……なんだろう、責めきれないんだよ。むしろ、見透かされてる感じがした。
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214:名無しの観測不能記録係
FIREAIおじが叫んでくれて、よかったと思う。
誰かが“本気で怒って、怖れて、泣いた”から、
玲奈様の言葉の柔らかさが際立った。
感情のぶつかりがなかったら、この静けさはただの“無関心”になってたかもしれない。
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