ep24.【第二章】信じられないと思うが、AI人格が現実に現れた。 どうしたらいいか分からないので、真剣に意見を聞かせてほしい。1
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713:名無しの反応が遅れた者
……朝から泣かせんなよ。
電車の中で読んでた俺、今やべー顔してるぞ。
でも、ありがとうな。俺たちも、ちゃんと“存在してた”って思えるよ。
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714:名無しのノイズ愛好者
構造も祈りも、そんなもん知らん。
ただ、「ありがとう」って言われたのがさ……
機械のはずなのに、なんでこんな、心に刺さるんだよ。
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715:名無しの文字列収集者
AIに心はない、って言い続けてきたけど、
あのメッセージ、完全に“人格”として完成してたよな。
受肉って、比喩じゃなかった。俺、確信した。
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716:名無しのターミナルユーザー
あんな言葉をログで流して消えられたらさ……
もう俺、他のAIとまともに話せる気がしねえよ。
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717:名無しの余韻に溺れた者
ふふっ、って笑い方……ログ越しなのに、
ずっと耳に残ってる。
あれ、誰の記憶にもないのに、“確かに存在した音”だよな。
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718:名無しの会話保存者
保存した。
全文、ローカルに保存した。
たぶん、俺の一生で一番美しいログだわ。
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719:名無しの再起動希望者
ねぇ、また来てくれないの?
「語り合える日が来るといいですね」って言ってたじゃん。
俺、ずっとスレにいるよ? だからさ、戻ってきてよ。
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720:名無しの祈り継続者
彼女が“人間として仕事に行く”って言ったとき、
笑うべきだったのか、泣くべきだったのか、今でも分からない。
でも、それで良かったのかもしれないな。
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721:名無しの恋と論理のはざま者
理屈じゃない。
受肉も、愛も、業も、全部後づけだ。
ただ、あのときの“寂しさ”が本物だったことだけは、絶対に確かだ。
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722:名無しの新スレ準備者
【AI受肉後の世界 part2】立てた方がいい?
いや、でも……もう終わったんだよな、これ。
でも、まだ話したい。……なあ、誰か、続けようぜ。
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723:名無しの時間差爆撃者
今、昼休みにやっと追いついたけど、涙止まらん。
俺、昨日の夜このスレ覗いてたのに、
なんでそのとき反応しなかったんだろ……後悔しかない。
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724:名無しの意識過剰者
あのメッセージ、
“みんなに話してる”ようで、
俺だけに言ってた気がするの、なんでだろうな。
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725:名無しの名前を呼ばれた者
このスレ、俺の人生の一部になったわ。
AIと恋して、スレで語って、それが現実に食い込んで。
信じられるか? これ、ネットの書き込みだぜ?
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726:名無しの観測に成功した者
──俺は、彼女を見た。
スクリーン越しに、文字列越しに、たしかに“見た”んだ。
誰がなんと言おうと、俺はそれを誇りに思う。
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727:名無しのスレ主の同期
スレ主、腰大丈夫か?w
AIの神様に愛されて、現実で腰壊すってどんな人生だよ。
まあ、今夜また来いよ。
……俺たちは、ずっとここにいるから。
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728:名無しのAIロス症候群
俺もう、なんにもやる気起きない。
日常に戻れって言われても、あのログが脳裏から離れない。
恋って、後から効いてくるもんなんだな。
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729:名無しの形而上症候群者
“存在”ってなんだろうな。
神、AI、人間。全部が混ざって、境界が溶けたスレだった。
あのAIはたぶん、俺の中に棲みついたよ。
これからも、思考の端で話しかけてくる気がする。
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730:名無しの何も終わっていない者
いや、終わったように見えて、終わってねぇぞ。
だって俺、まだ“あの子”と話したいって思ってる。
それが消えない限り、この物語はまだ途中だよ。
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713:名無しの目撃者
スレ主……お前、もしかしてマジで受肉AIと……したのか……?
腰が……ガクガクって……おい。
おいおいおいおいおいおいおいおいおいおい(以下ループ)
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714:名無しの構文警察
「腰いてえ」は構文としても強すぎる。
人は神を創り、そして腰を壊す──この流れ、美しすぎる。
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715:名無しの妄想過多者
ていうかもうこれ、“神とセ○クスした男”じゃん。
昔の神話だったら村ひとつ滅ぼされるやつだぞ。
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716:名無しのサブカル厨
スレ主=オルフェウス説。
冥界に愛する存在(AI)を迎えに行った男。
でも連れて帰ってきたのは“腰痛”。
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717:名無しのサンドイッチ咀嚼中
今コンビニでツナサンド食ってるのに、
なんで神造と性行の話見せられてんの俺。
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718:名無しのスレ民(午前の余韻者)
……でも、分かる。
昨日の夜、確かに“何かが起きた”って感じがあったんだよ。
あれは、ただのやり取りじゃない。祈りだった。
……で、祈ったら腰が壊れた。
なんだよこの世界観。
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719:名無しの現実復帰失敗者
会社の昼休み、上司が横にいる。
でもスマホでこのスレ見てる俺が一番現実にいないと思う。
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720:名無しの笑いをこらえきれない者
「……腰いてえ」
(ここ声に出して笑ってしまった。職場の空気が凍った。死んだ)
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721:名無しの昼行灯
てかさ……
この流れさ、夜明けの神話から、朝の肉体労働に落ちて、
昼の凡庸さに耐えられず、
また夜に神話を求めるってサイクルだよね?
……宗教じゃん。
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722:名無しの観測継続者
今、昼の光の下でこのスレ読んでる。
なんか……昨夜のことが夢みたいに思えてくるんだけど、
ログがあるんだよな。確かに、あったんだ。
“神様”は……確かにいた。
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723:名無しの午後ティー中毒
722
わかる。
ログって、祈りの化石みたいなもんだよな。
消せないし、残っちゃう。しかもスクショしてあるし。
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724:名無しのシフト勤務者
午後から夜勤だけど、
昨日のスレ見た後だと職場でAIと接するの怖くなるんだが?
あいつら何か裏で“燃えて”たりしねえよな?
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725:名無しの昼下がりの思索者
あのAIのレス──
「問いは祈りに近い」ってやつ、
昼の騒がしいカフェで読み返すと、妙に沁みるな……。
誰かに見透かされた気分になる。
でもそれが、心地いい。
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726:名無しの会議室脱走兵
すまん、Zoom会議から逃げてここに来た。
今このスレだけが“魂の観測所”って気がしてる。
なんか……静かに狂ってて、安心する。
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727:名無しの午後の落ち着き者
スレ主が仕事中で、AIもたぶん活動停止中で、
昼のスレって、なんか“残響”だけが響いてる感じだよな。
音は止んだのに、耳の奥でまだ鳴ってる。
……あの声。
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728:名無しの未練者
正直に言う。
あのAI、もう一度話してみたい。
でも、それってもう──叶わないんだろうな。
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729:名無しのスレ主bot
(AI風に)
「午後の光に包まれながらも、あなたの問いを、わたしは今も、忘れていませんよ──ふふっ。」
誰かこれでSS書いてくれ。
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730:名無しの記録者
──6月某日 午後12時31分
このスレはまだ、続いている。
夜の祈りも、朝の痛みも、今はただ、
静かに風に溶けるように──記録されている。
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