4.一方その頃。
「モーニングよ、恐ろしいことをしてくれたな」
「いかがいたしましたか? 国王陛下」
モーニングは国王――アキレウス・ガリア・オウガストスに呼び出され、謁見の間にて膝をつき、頭を垂れていた。彼の周囲には同じく、アシュトを馬鹿にしていた召喚術師の姿がある。
彼らは一様に顔を青ざめさせており、ちらちらとモーニングの方を見ていた。
すると、そんな皆に国王は一喝する。
「貴様が知らぬわけがなかろう! ゴエティアという一族の役割、同時にその危険性を!!」
「………………」
国王の言葉に、モーニングは何も答えなかった。
すると召喚術師の中の一人が、怖々とした声色で訊ねる。
「ゴエティアには、いったい何が……?」
あのような役立たず、時代遅れの家に何があるのか。
召喚術師たちは、全員がそう思っていた。
しかし、それに大きなため息をついたのはアキレウス。
国王は蔑んだ眼差しを質問者に向け、吐き捨てるように告げた。
「そのような歴史も語れぬ者共に、ここでの地位は相応しくない」
「え……!?」
「モーニング以外の者たちは、即刻この王宮から立ち去れ!!」
「えええええええええええええ!?」
悲鳴を上げる召喚術師たち。
彼らは兵士に捕らわれ、謁見の間から放り出されてしまった。
結果としてその場に残ったのは長のモーニングと国王、そして彼の側近の数名。おそらくこの話に必要な人物は、これで揃っていると考えられた。
国王もそう思ったのか、改めてモーニングに訊ねる。
「……して、何が目的だ。貴様」
「はて? 私は何も知りませぬが、いかがなされましたか」
「この期に及んで白を切るか……?」
「………………」
表情を一切変えないモーニングに、国王はさらに険しい顔になった。
そして、ついに辛抱できなくなったらしい。
「モーニングを捕らえよ! そして、地下牢に繋いでおけ!!」
彼は周囲に命じて、玉座を立った。
結果、モーニングは拘束される。しかし、彼は最後に――。
「さぁ、ここからだな」
そう呟くと、微かに口角を歪めるのだった。
追放ざまぁ……じゃない!?
オープニングはここまで。次回から、第1章が始まります。
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