巡り廻るエターナル転生 ~スローライフは終わりにして俺TUEEEが始まるはずだった~
『ほれほれ、わしが願いを叶えてやるとの言っておるのじゃ。呆けとらんで、とっとと願い事を口に出すのじゃ!』
願いを叶える精霊を呼び出したら、まさかのロリのじゃ精霊だった。
何コレ、幼女かわいい。
「お、俺の願いは、チートな能力を持って女の子に好かれて色んな冒険をする!
──そんな俺TUEEEな主人公になることだ!」
『む? 何やらわしの知らん単語がちらほら出てきたの。……ちょっと待っておるのじゃ。
その願いを叶えるために、少しばかり世界記憶を閲覧してくるからの』
俺はメグル。日本からの転移者だ。
どんな運命のイタズラかは分からない。
トラックにはねられて死んだと思ったら、この剣と魔法の世界に転移していた。しかもチートスキルは全く無しで、魔法の才能も並、身体能力だけが一般人より高いくらい。
仕方がないので転移した場所の近くの村を拠点に冒険者として暮らしていた。
慣れてくるとそれも悪くない生活で、適度に無難なクエストをこなして村人達と楽しく交流する毎日。
それは半ばスローライフのように過ごす日々だった。
それでも時折、チート願望が顔を出す。
どうしても『コレじゃない感』が頭から抜けないんだ。
だって俺の中の異世界転移ストーリーってさ、『初めからチートスキルが貰えて、女の子を助けたらすぐ惚れられて、性根の悪い奴らにはざまぁして、とにかくご都合主義に無双する』ってイメージなワケよ。
俺が体験している『チートも無く、非モテで、一般人に毛が生えただけの有象無象スローライフ』ってワケじゃないのよ。
そんな鬱屈した想いを抱いていた俺に。
──転機は唐突にやってきた。
となり街に行く仕事があって、ついでに掘り出し物の魔導書がないかと古本屋に寄ったら【願いを叶える精霊の召喚マニュアル】なる本が売られていたのだ。しかも値段は二束三文。
俺は運命を感じた。
何故ならその本は日本語で記されていたのだ。この世界の人間には決して読めない、正に俺だけのための本。
そして現在。
願いを叶える精霊を呼び出したら、幼女で、のじゃ口調で、俺は願い事をして、ロリ精霊はそれをどう叶えるか考えてるご様子。
『ふむ……、貴様の願い「俺TUEEE」を叶えるには今の人生を捨てねばならんのじゃが、それでも良いかの?』
「人生を捨てる? 転生するってことか?」
『うむ、それに近いの。
貴様の願いを叶える方法は世界記憶に「異世界の知識」として記されておったのじゃ。
異世界の名は日本。そこで【とある男が創作した世界線の主人公】としての生をやるのじゃ』
「日本だって!?
つまり直接ラノベの俺TUEEE主人公になれるってのか!」
『どうやら不満はないようじゃの。では願いを叶えてやるのじゃ』
「ああ、ありがとな精霊ちゃん。よろしく頼むよ」
こうして俺はこの世界を捨てた。
これからは夢の異世界で俺TUEEEストーリーの主人公様だぜ!
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
【異世界勇者になった僕はチートスキル『ジャイアニズム』で無双する! ~お前の物は僕の物~】
[作・なめことろろにんにくまる]
ーあらすじー
ここはイーシェ・カーイという、とある世界のトアール王国である。
トアール王国はとある魔王トーアルが支配するトーアル魔王国と隣接しており、最近ある意味激しさを増したトーアル魔王国軍のとある侵攻にとある脅威を感じていたのである。
(なんだ?)
(いきなりナレーションが始まったぞ?)
そこでトアール王国のトアール王はとある秘術を行い、とある異世界からとある勇者を召喚することにした──とある。
(ってか、とある、トアールうるせーな!)
第一話 僕が勇者って本当ですか?
「おお、成功したぞ!」
「ここは……?」
(お、これは勇者召喚モノか!)
(これはチートスキルを持ってる流れ!)
「ここはイーシェ・カーイという、とある世界のトアール王国である。ワシはこのトアール王国の王、トアール王である。
我らの召喚に応じてくれたこと感謝である。とある異世界の勇者殿」
「異世界? 召喚? 僕が勇者だって!?」
(ん? でも、なんか……変?)
(今、俺の身体……? 勝手に喋ってない?)
「そうである。このトアール王国の伝承には、この召喚に応じたとある者は我らのトアール王国を救う勇者であるとある」
「国を救う……? 僕にそんな力は……」
(──やっぱり!)
(俺の身体はこの勇者だけど……!)
(勝手に喋るし、動きやがる!)
「まずこのとある剣を受け取るのである。
これはこのトアール王国のとある伝説である、トアール聖剣である」
(お、俺の意思では……動かせない!?)
「このトアール聖剣を持ち、ステータスオープンと唱えるのである」
「聖剣……? うっ、お、重い……!」
(見える、聞こえる、剣を受け取った重さもある)
(ただこの身体の主導権だけが全く無い!)
(これが……主人公になるってこと!?)
「ス、ステータスオープン?」
(たしかに主人公転生だけど……!)
(ストーリーを変える権利は俺にない……?)
「わわっ!? な、何だコレ……!」
「ほほぅ、そなたの名はトアルであるか。
勇者トアルよ、そこにあるステータスこそ貴殿の現在の強さである」
「ぼ、僕の強さ……?」
(──ん?)
(チートスキルっぽいのは……あるな)
(なんだジャイアニズムLv.1って)
【ジャイアニズム Lv.1】
相手が『自分の物』と認めた物を自身の所有物にし、自身のアイテムboxに入れる。
NEXT Lv→相手が『自分の物』と認めた人間の所有権を得る。自身が所有権を持つ人間は絶対の忠誠心を持つ。
(──はい、チートスキル!)
(壊れ過ぎてて話が作れないだろ、コレ)
「なんだ、ジャイアニズム?
こんな人権をまるで無視したスキルが何で僕に?」
(俺に主導権が無いのはツラい)
(でも、感覚は共有してる……!)
「我がトアール王国のとある伝承によれば、秘術で召喚された勇者はとある強力スキルがランダムに付与されるとある!」
(このチートスキルがあれば……!)
(あんな美女やこんな美女も……!)
(そして俺はそれを体感できる訳か……!)
「くっ、僕にはとてもじゃない!
こんな非人道的なスキルを使う訳には……!」
(……ん? ……………はい??)
──色々あって3ヶ月後。
第二十五話 ついに旅立ちって本当ですか?
「ハァ! ヤッ! セイッ!」
「わぁ、お見事ですわ勇者様!」
「あ、姫様。今日はどうしてこんな訓練場に?」
「それはもちろん勇者様に会いにですわ。
今日お父様から正式にお許しをいただいたので、そのご報告ですの」
「王様からお許し……?」
「ええ。わたくしと勇者様の結婚のお許しですわ。魔王を討ち果たした後であれば良い、と」
「ぼ、僕が? 姫様と? け、結婚!?」
「ですから勇者様には早く魔王を倒していただきたいのですわ」
「それってつまり、ついに旅立ち……!」
(そうなのだ)
(このバカ勇者ときたら3ヶ月も!)
(ひたすら城で剣の訓練してやがる!)
「その、いい加減、訓練は十分かと……」
(感覚共有で俺も訓練の疲れだけ感じる地獄……!)
(しかもチートスキルすら使わない)
(なんのためのチート設定だよ!)
(まだ1回も無双してないだろ!)
(え? 何このラノベ? 駄作過ぎん?)
(あまりにもタイトル詐欺過ぎん?)
「次の魔王軍の侵攻は敵の四天王の一角が指揮をとるらしいのですわ。恐ろしい四天王が一人、シテンノ・サイジャックが!」
「し、四天王だって……!」
「もし勇者様が次の戦いに行かれて武功をお挙げになったら、わたくし。
初めてのキスを勇者様に捧げたいのですわ」
(……な! 姫様とキスだって!?)
(おい! やれよ! 頑張れよバカ勇者!)
(このお姫様、正直タイプなんだよ!)
(しかも魔王倒したら結婚だろ!?)
(てことは、あんなコトやそんなコトも……!)
「……僕にどこまで出来るか分からないけど、頑張ってみるよ」
(おし! よく言ったぞ! バカ勇者!)
──そして戦場。
第三十三話 四天王撃破って本当ですか?
「バ、バカなぁ……! この魔王軍四天王が一人、シテンノ・サイジャック様がぁ!
に、人間ごときに……!」
「これでトドメだ! 覚悟しろ、シテンノ・サイジャック! 必殺!」
〈初期の技だが身体能力チートでトドメの一撃!〉
「グァアアア……!!」
「やったか!? 手応えは……あった!」
「「「さすがは勇者様!」」」
「え? 僕そんなスゴい事やっちゃいました?」
「……グフフ。見事だ勇者よ……!
だがしかし! 我は魔王軍四天王の中でも最弱!」
「な、なんだってぇー!」
「第二、第三のサイジャックが貴様を襲うだろう……!
その時が貴様の最後だ! ……ぐはッ!」
「シテンノ・サイジャック……!
恐ろしい敵だった……!」
(…………うーん)
(くそつまらんのだが)
(この作品は適当過ぎんか?)
(てか、チートスキル!)
(ジャイアニズム使えよ、お前は!)
(なんで1番の目玉を死に設定にしてんの?)
(なんか思ってた俺TUEEEと違うんですけど!)
(──ん? ……なんだ?)
(急に周りが真っ白に──?)
【この連載小説は未完結のまま約1年以上の間、更新されていません。】
(……は? なんだこの表記……?)
(いま気持ち良く初勝利の場面じゃん?)
(え? もしかして……)
(この物語ってラノベじゃなくて……)
(投稿サイトに上げられた趣味小説!?)
(ということは作者は素人!?)
(てか、続きは? キスは?)
(むしろ俺自体の存在はどうなって──)
そこでメグルの意識は闇に沈んだ──。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
【異世界美女は俺の嫁 ~何故ハーレムを作るのかって? そこに惚れた女が居るからだ~】
[作・なめことろろにんにくまる]
(……お? 意識あるな。消えてない)
(いーや、マジ焦った)
ーあらすじー
俺には一つ、野望がある。
それは生まれ持った剣の才能で天下を取ることでも、類い稀なる魔法の才能で無双することでもない。
(ん? ここは? 勇者……じゃない!)
(次の世界線の主人公……ってことか?)
俺の野望、それは……美女!
この世界で俺好みの美女だけを集めた酒池肉林の『美女ハーレム』を作ることだッ!
(……ッ! ハ、ハーレムだと!?)
そして俺は今日も往く。
新たなる美女との出会いを求めて……!
(き、期待して良いんか!?)
第一話 俺は4人の嫁と結婚する。
「コマシ! な~にしてんの?」
「いや、いろいろ思い出してな……」
(うわ! この娘かわいっ!)
(1番初めに台詞あるからもしかして?)
(この娘がメインヒロインかなっ!)
(……ん? てか、コマシ?)
(俺、コマシって呼ばれた?)
(え? 何? ハーレム作るから?)
(だからコマシ? 名付け最悪じゃね?)
(え? 俺この世界でずっとコマシ?)
「コマシ様、準備出来ましたよ」
(お、次はちょっと地味目の娘か……)
(てか、冒頭で続々と嫁出てくるの?)
(どーいう展開? 読者ついてこれるコレ?)
「私もオッケーだよー!」
(また増えた。元気娘って感じかな?)
「あら、わたくしが1番最後でしたの?」
(またまた増えた! ──って姫様!?)
(なんで姫様がここに!?)
(あ、作者! 作者が同じなのか!)
(この作者、女の娘のパターン少なッ!)
「ああ、これで全員揃ったな。
じゃあ、始めようか。俺達全員の結婚式を」
「わ~い、楽しみ」
「よ、よろしくお願いします!」
「一生モノの式にしよーね!」
「夢のようですわ」
(え? 初っ端から嫁集合の結婚式?)
(また頭悪い展開してるな、この作者……)
(誰が誰だかさっぱり判らんだろコレ!)
(でも、この娘達全員との誓いのキス……!)
(──あると思います。てか無いとおかしい)
──しばらく式は進み。
第二話 俺はイチコとの出会いを回想する。
「……ことを誓いますか?」
「誓います!」
「よろしい。では新婦。貴女方は?」
「「「「誓います!」」」」
「よろしい。それでは順番に、新郎は新婦に誓いのキスを──」
(きたきたー! 初めてのサービスタイム!)
「誓いのキス、か……」
俺は思い出していた。
イチコと初めて会った日のことを──。
(……ん? ここでナレーション?)
(この感じ……! まさか回想すんのかッ!?)
◇
「ここがオークション会場か……」
(マジで過去に飛びやがった……!)
(え? キスしてからで良くない?)
(キスしながら思い出しても良くない?)
(……てか、オークション会場!?)
(最初だからメインヒロインだよな!?)
(あの1番かわいかった娘、……奴隷?)
(オークションで出会いって奴隷?)
(メインヒロイン奴隷スタートなん?)
イチコは売られていた。
彼女の姿を初めて見たとき、イチコはとても寂しそうな目をしていたんだ。
だから俺は彼女を放ってはおけなかった。
(ヒロイン名がイチコ? 最初の娘だから?)
(わーい覚え易ーい! って、なるか馬鹿作者ッ!)
──オークション会場にて。
「100万ゴールド! 落札となります!」
「「「おおー!」」」
「次が本日最後の商品になります。
ちょっと訳ありな娘です。返品は受け付けておりませんので、ご納得の上で落札する様にお願いいたします」
「「「……ざわ……ざわ……」」」
(イチコちゃん最後か……)
(訳ありっていったい……?)
(まぁ、でも結婚式で幸せそうな顔見てるしな)
(あんだけかわいい娘なら訳ありでも……)
「それでは紹介いたします。
イチコ、15歳」
(イチコちゃん……って地味娘ちゃん!?)
(ってことは地味娘ちゃんがイチコちゃん?)
(え? 最初のかわいい娘じゃないの?)
(回想シーン最初はメインヒロインだよね?)
(なんでこの地味娘ちゃんがメインヒロインなの?)
「男性から女性への性転換者です。
特殊な魔法で転性させておりますので、もはや性格も夜も女性奴隷と変わりありません」
(おおう!? ぶっ込んでくるな!)
(訳ありって男の娘ってこと!?)
(てかメインヒロインが男の娘!?)
(ハーレムモノで有りなのソレ?)
「さらにヴァンパイアですので定期的な血の供与が必要です」
(さらに属性盛る? そんなに要る?)
一目惚れだった──。
(強ぇえ! コマシ強ぇえ!)
こうしてイチコを手に入れた俺は、イチコを奴隷から解放するために動きだした。
第十一話 俺はイチコに求婚する。
「俺はイチコのことを一人の女性として愛している! 結婚してくれ!」
「そんな……! 私は奴隷の身です、ご主人様。とても夫婦などと対等な身分にはなれません」
「そんなの俺が! なんとかしてやる! すぐにイチコは奴隷じゃなくなるさ! だから……!」
(相変わらずコマシ強ぇえ……!)
(男の娘だぞ? ヴァンパイアだぞ?)
「ご主人様! 私……、私……!
そんなことを望んで良いのでしょうか?
こんなに幸せで良いのでしょうか……!」
(たしかにかわいく見えてきたな……)
(俺まだ童貞なんですけど?)
(初体験の相手が男の娘かぁ~)
(まぁ、だんだん無くはないかなぁ……)
──そして半年。
第二十八話 俺はイチコを解放する。
「さぁ、これでイチコを縛るモノは何も無い! 自由だ! 自由だぞイチコ!」
「はい……! ご主人様……!」
「もう俺はご主人様じゃない! 名前で呼んでくれないか?」
「……ッ! そ、それは……!」
(イチコちゃんパート長ぇえ!)
(半年だよ半年! イチコだけで半年!)
(半年かけて奴隷解放エピソードのみ!)
(他のヒロインどーしたの?)
(1番好みのあの嫁はいつ出会うの!)
「イチコ! 今夜お前を抱くからな!」
(な、なんだってぇー!)
──その晩、宿屋にて。
第二十九話 俺はイチコと初夜を迎える。
「イチコ、あらためて言う!
俺と結婚してくれ!」
「はい…! コマシ様……!」
「ああ、イチコ!」
頬を赤らめ頷くイチコがかわいくて俺は思わずイチコを抱きしめた。
(おーすげっ! コマシ大胆!)
(俺だったら緊張して体動かんな……)
(見てるだけで落ち着かんもの)
「式はちゃんと俺の故郷で挙げる。
ただ俺の故郷ではお互いが認め合った時点ですでに夫婦だ」
(へ~、コマシの故郷ではそうなんか)
「これからもよろしくなイチコ」
「はい! 命ある限り、添い遂げてみせます」
(そしたら名実共に、すでにイチコは俺の嫁!)
(き、今日が初夜ってことか……!)
俺はイチコを両手で優しく抱き上げ、ベッドへと運ぶ。
その間、彼女は顔を真っ赤に俯いたままだった。
(きたきたー! え? どうしたら?)
(いや、何も! 何も出来ないけれども!)
(心の! 心の準備だけ! してないと!)
そしてベッドに二人で横たわるとイチコの頬に一筋の涙が流れた。
「どうしたイチコ?」
「いえ、コマシ様。私は本当に幸せ者だと……。
そう、初めてお会いしたときのことから考えていたら自然と涙が──」
「あの日あのオークションに行って本当に良かったと思う。1番の宝物を落札出来たからな」
「……ッ! コマシ様!」
しばらく俺とイチコは出会いから今までのことを語り合った。
そうして俺はあらためて誓ったのだ。
イチコを幸せに、ずっと幸せにすると──。
(じ、焦らすなぁ、ホント……)
(有るか無いか分からん俺の心臓が持たん……!)
(でも、見つめ合っているから……!)
(イチコちゃんと見つめ合っているから……!)
(それだけで、なんかもう幸せって言うか……)
(頭が真っ白になるって言うか……)
(──ん? ……ちょっと待て!?)
(周りの景色まで急に真っ白に──?)
【この連載小説は未完結のまま約半年以上の間、更新されていません。】
(初夜ァーー! イチコとの初夜ァーー!)
(書け! 書け! 書いとけって!)
(たった1文、『翌朝──。』って書いとけ!)
(返せ……! 俺の童貞を返せッ!)
(……いや、違う。童貞は持ってるな)
(良かった……って良い訳あるか阿呆ォ!)
(てかハーレムなのにぃ~……!)
(1番好みの嫁と冒頭でしか会えんかった……)
(まさかあれが今生の別れになろうとは……!)
(一目見ただけ、名前も知らない嫁って何?)
(──てか、次どうなる?)
(次もまた別作品の主人公なんて保証は──)
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
【追放回復術士の作戦変更 ~役立たずと勇者パーティーを追放されたけど『いのちだいじに』に作戦を変えたら全てが上手くいきました~】
[作・なめことろろにんにくまる]
(……はっ! よ、良かった!)
(どうやら次の主人公になってるな!)
ーあらすじー
僕の名前はパシリ。
栄えある勇者パーティーの回復術士として、皆の役に立てるよう頑張っているんだ!
だけど、ある日突然一方的にリーダーの勇者アルスからクビを宣告されパーティー追放の緊急事態!?
(……は? パシリ? 追放?)
(え? パシリ? この世界での名前がパシリ?)
こんな理不尽は許せないよね!?
僕は勇者パーティーを見返してやるために一人、ダンジョンへと立ち向かう!
すると、苦労の末に辿り着いたダンジョンの隠し部屋で神様と遭遇!?
え? 作戦……って何?
それを変えるだけで僕、強くなれるの?
これは僕が真の力に目覚めて無双する中で、信じ合える真の仲間に出会い無双しながら、この世界の運命を無双していく物語だ。
※どうも、作者のなめことろろにんにくまるです。初めて追放テンプレに挑戦してみます!
主人公のパシリ君と共に最高のざまぁをお届けできるよう頑張りますので、どうぞご期待ください!
(あー! 作者同じ! またコイツかッ!)
(センス無ッ! ネーミングセンス無ッ!)
第一話 勇者パーティーを追放された話。
「──パシリ! お前は追放だ!」
「ど、どうして僕が追放なんですか? アルスさん!」
(今回は追放モノなのか……)
(ちゃんと『ざまぁ』があれば、まだ良いが……)
「お前は回復術士としてこの栄えある勇者パーティー7名の中に在籍しているな?」
「……はい。そうです」
(この作者のことだから……実に不安だ……)
「その肝心の回復術の腕前はどうだ?」
「な、並みの回復術士よりは……!」
「このパーティー内でどうだって聞いているんだ!」
「くっ……! このパーティー内に在籍している回復術士6名の中で比べたら……!
そりゃ……1番下だと思います」
(多ッ! 回復役、多過ぎッ!)
(7人パーティーで勇者以外が全員回復役?)
(勇者様チキン過ぎるだろ!?)
「でも僕にだって出来ることが……!」
「ほう、何が出来ると?」
「荷物持ったり、野営の準備したり、見張りだったり……!」
「それは皆でやっているだろう!
ちゃんと均等に協力して手分けして!」
(……ん? パシリはパシられてないの?)
(え? マジで在籍理由なくない?)
(追放モノって主人公の頑張りを否定するよね?)
(主人公はちゃんと頑張ってる)
(それを認めないのはヒドい!)
(……ってスタートだよね、普通なら?)
「でも、いま追放されたら妹が……」
(……ん? 妹? まだ幼いとか病気とか?)
(妹ちゃんかわいそう設定かな?)
(妹のために頑張る主人公ってことか)
「妹さんが怒るんだろう?
お前がまた働きもせず! 親に甘えながら穀潰しになるんじゃないかと!」
(……違った)
(え? コレ本当に追放モノ?)
(主人公に美点が無さ過ぎるぞ、マジで)
(能力的に劣るから解雇って正当だよな?)
(命預けあってるパーティーなんだから)
僕がアルスさんに食い下がっていると、他のパーティーメンバーもやってきた。
「まだグズグズ粘っているの?」
「アリスさん……」
「全く、いつまで勇者様に寄生していたら気が済むのかしら?」
「アンナさん……」
「そうよ、貴方の代わりなんて掃いて捨てるほどいるのよ?」
「アリルさん……」
(ちょっ、ちょっと待てーぃ!)
(誰? 誰が誰? 名前似すぎだろ!)
(顔見ながらでも誰が誰だか判らんわッ!)
「皆さんも僕が必要ないっていうんですね?」
「逆になんで居れると思っているのよ?」
「アリンさん……」
(また新しい人! また似てる名前!)
(一緒にいてごっちゃにならない?)
「それは僕が前の冒険者パーティーから追放されて、このパーティーに入るように押しつけられたからです!
だから僕はここに居て良いんだ、と」
(え? 前の冒険者パーティーから追放?)
(ざまぁの復讐相手そっち?)
「前の冒険者パーティーでは雑用は全て僕がやっていました! 荷物持ちも野営設置も夜の見張りも!
でも、そんなの関係なく追放されて……!」
(え? ますますざまぁ対象は冒険者パーティーだよね?)
「だけど、ここなら!
ここならそんなこともなくお金が貰える!」
(コイツは復讐より甘い汁のために粘っているの?)
「いい加減にしてよ!」
「アンテさん……」
(はい! 最後の一人も似た名前!)
(パシリ以外は男のアルスしか顔と名前が一致せんわッ!)
「貴方が居なくても一緒」
「そうよ! 戦闘でも空気じゃない!」
「特に力持ちでも無いし、器用でも無いし」
「そうそう、気が利いたりもしないしね」
「顔が嫌い。生理的に無理」
「アリンさん、アンナさん、アンテさん、アリルさん、アリスさん」
(パシリお前すごいよ、記憶力!)
(現状それだけだよ、お前の良いところ!)
(てか、顔が無理って辛辣ね。俺も被弾したわ)
(まだ鏡見てないけどパシリお前、顔ヒドいの?)
「という訳でパシリ。
満場一致でお前は追放だ!」
僕はこうして勇者パーティーを追放された。
「くそっ! 覚えてろよッ!」
(いや、それただの逆恨みよ?)
(ざまぁするなら前のパーティーでしょ?)
(……てなると丸々要らんな、このくだり)
──次の日。
第二話 ダンジョンに神様がいた話。
「くそッ! やっぱり僕一人じゃ無理なのか?」
僕は一人でダンジョンに来ていた。
アルスさん達が僕の追放を言い触らすから誰も僕とパーティーを組んでくれなかったんだ!
ちきしょう! なんて陰湿なッ!
(えー? これ何? 何この子?)
(逆恨み系ざまぁ? あるのそんなの?)
(読者は何処にカタルシス感じるの?)
「アルスさん、いやアルス!
あんな勇者の名前を笠に着るだけのハーレム野郎ッ!」
それでも僕は戦わないと!
一人でもやれるって示さないと!
この世に妹ほど恐いモノは無いのだから。
(俺、この子嫌いだわー)
(でもこの世界の主人公なのよね……)
(しばらく俺、この子なのよね……)
(自分で自分が嫌いって結構深刻じゃない?)
「ん? ……なんだ?
──まさか! 隠しエリア!」
ダンジョンの壁のボタンを何気なく押すと、隠し扉が現れた。
おそるおそる中へ入ってみると──。
老人が一人立っていた。
「ほう! お客人とは珍しいのう!」
「あ、あなたは……?」
「わしか? わしは神様じゃ!」
「か、神様……?」
「む? おぬし……そんな“作戦”で大丈夫かの?」
(……雑ッ! 展開が雑ッ!)
(ダンジョン1Fに神様いるなよ!)
(ご都合主義すら生温いじゃねぇか!)
(……って、また急に白く──!)
【この連載小説は未完結のまま約3ヶ月以上の間、更新されていません。】
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
【今日から私は悪役令嬢!? ~散らせて見せます悪の華! 咲かせて見せますモブの華!~】
[作・なめことろろにんにくまる]
ーあらすじー
気がつくと私は知らない世界に転生していた!?
まわりは見た目が外国人ばかりだし、生活様式も中世ヨーロッパみたいだし、なにより私、赤ちゃんになってるし!
──あれ? でもなんで言葉は判るんだろ?
なんて思ってたら理由を知ってビックリ!
ここは私の知らない世界じゃなかった。むしろ散々に見てきた世界……!
そう、ここは私が生前やり込んでいた【乙女ゲーム】の世界だったのだ!
しかも転生先はレイジョ=アクヤーク公爵令嬢、主人公の敵役として全ルートで死亡エンドが確約されている悲劇の悪役令嬢その人だった!?
イヤだ、死にたくない!
いや、でもちょっと待って!?
ここがゲーム世界ならば、推しのイーケメン王子がいるんじゃない!?
幸い時間はあるので──天才的な魔法の才能を伸ばしつつ、死亡エンド回避のため悪役令嬢ムーブを抑えつつ、それでも推しは手に入れる!──そんな異世界ライフを絶対に実現してみせますわ!
第一話 知らない天井ですわ!
「──レイジョ、レイジョ?
う~む、良く眠ってしまっているようだ……」
「貴方、お辞めくださいまし!」
「そうは言ってもな、ワシも忙しい中でようやくレイジョの顔を見に来れたのだぞ?」
「かわいい寝顔で十分でしょう、それで満足なさい」
──んん、なんでしょうか?
なにやら、話し声が聞こえますわね……?
これは、いったい……どういう状況かしら?
とりあえず、知らない天井ですわ……!
◇
──色々あって十数年後。
第四十七話 学園入学ですわ!
「あら? レイジョ様、ごきげんよう」
「ええ、ごきげんよう」
ついにこの日がやってまいりましたわ!
私はこれから──
───────────────
「………………ッ!」
男はキーボードから手を放し、台所へと向かう。
手慣れた手付きでコーヒーを淹れると、タバコを咥えてカップ片手にベランダへと出る。
そしてタバコに火を点け、うっすら輝く星空を見上げた。
「……駄目だ。またこの先が書けない。
これも中途半端にエタらせて塩漬けか……」
ここは日本のとあるアパートの1室。
愚痴を漏らした男はごく一般的なサラリーマン。仕事の合間に趣味として創作小説の執筆に勤しむ。
その男は悩んでいた。
また連載小説を完結まで導けそうにないのだ。
今さっき筆が止まった悪役令嬢モノ。
『乙女ゲームの悪役令嬢に転生し、その悪役令嬢にはバットエンドしかないと知る主人公。
幼少から策を練りゲーム開始時の年齢にはフラグ回避をするべく、実に目立たない立派な脇役令嬢へと成長していた。
ようやく本来のヒロインも出てきて、これから如何にゲームのストーリーに巻き込まれずにモブとして学園生活を送るのか?』という展開の書き始めで──筆が折れた。
いつも初めのアイディアだけは浮かぶ。
いろんな作品見るたびに書いてみたい、自分でも書けそうだと思う。
しかし、いざ書き出してみると序盤や中盤で“コレじゃない感じ“がして筆が止まる。
この小説にもいずれ【この連載小説は未完結のまま約○年以上の間、更新されていません。】の表記が付くだろう。
「今まで書いてきたのは何作品だろう?」
完結した連載はなく、未完のまま放置するのは5作品目。短編すらもろくに書き上げることが出来ずに未発表の作品が山のよう。
「思い付きで書き出した未完成品がいくつも……。
こいつらは結局、日の目を浴びることなくお蔵入りかな……」
そこでふと、あるアイディアが降りてきた。
「そうだ! 願い事を叶える精霊の話なんてどうだろう?」
〈この精霊は人の願いを叶えてその様を覗き、人の心を知ろうとする設定だな。
ある男が【テンプレ俺TUEEE】を願った時、どうすれば叶えてあげれるか考える、そこで俺の作品だ。異世界“日本“の俺の作品に目を付け、各主人公に憑依させて、その世界を体験するように願いを叶えるわけだ。
で、それを見ながら人の心を精霊が理解するってストーリー。〉
あ、なら1番最初に書いた連載作品がスローライフ物でエタってたな。
あの主人公が願ったことにしよう。
【スローライフを辞めて俺TUEEEしたい】って。
ちょうど日本から転移してきたって設定だったし、テンプレに詳しくても違和感ないだろう。
よし! この作品で未完結の連載小説は全てまとめて料理したろ!
この作品を書くために中途半端にエタってたことにして未完結を全部完結にしたろ!
全ての作品をシリーズ登録にまとめて、この新連載で一挙に完結させてみせるぜ!
「え~と、新連載のタイトルは……」
◇
「……主人公の名前は【メグル】に変えたいな。
よっしゃ、前作全編の名前を修正してやるか!」
「──よし! とりあえず1話目が書けたぞ!
早速アップだ、アップ! 鉄は熱いうちに打つのだ!」
◇
「続けて2話目は、この作品を引っ張り出してきて……」
「これなら理想的なテンプレチート物語だろ……」
「ほんで、この主人公にメグルが憑依したとすると……」
「……こうなって、こう思って……。
こうツッコむよな……」
「……あれ?」
「なんだか……これ、過去作のアラ探しみたいになってないか……?」
「俺の作品って、こんなツッコみどころ満載だったのか……?」
「……マジかよ、恥ずい……!」
◇
「……ヤバい、モチベが……モチベが……」
「……あぁ、もう……。
俺はなんて絶望的に才能が無いんだ……!」
「……もう、駄目だ。……死のう……」
◇
「お母さん、どうしたの?」
「いえね、遺品整理でお兄ちゃんのパソコン触ったら電源入りっぱなしでね……」
「ん~と、どれどれ?
何コレ、小説投稿サイト? ──ぷっ!
お兄ちゃん作品投稿してたの?」
「お母さん良く分からないから……。
パソコンは任せちゃって良い?」
「オッケー! なになに……?
は~、ぷぷぷっ! おもんなっ! つまんなっ!」
◇
「……黒歴史、完全に黒歴史じゃん!
よーし、生前の兄への恨みはコレで晴らしてくれよう!」
「いやなに、これも兄のため兄のため。
作品供養してあげないとね。──ぷぷぷ」
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【巡り廻るエターナル転生 ~スローライフは終わりにして俺TUEEEが始まるはずだった~】
[作・なめことろろにんにくまる]
(ん? 今度はどこだ?)
(しかし久しぶりの主人公の交代だな)
(まさか十数年もの間、悪役令嬢とは……)
(正直、次は男主人公が良いな……)
(女主人公は相手が男でキツかった)
ーあらすじー
転移した異世界のスローライフに飽きを感じ始めていたメグル。
ある日、彼は『願いを叶える精霊』に出会う。
メグルは願った。
「──俺TUEEEな主人公になりたい!」と。
これはメグルが願いを叶えて様々な世界での無双を体験していき、同時に作者の願いも叶えていく物語である。
※この作品は【巡り廻るシリーズ】の二作目に当たる物語です。
※主人公は引き続き一作目のメグル君(注:全編修正済)です。
※この作品を投稿するに際し、下記4作品も【巡り廻るシリーズ】に追加変更しています。
・異世界勇者になった僕はチートスキル『ジャイアニズム』で無双する!
・異世界美女は俺の嫁
・追放回復術士の作戦変更
・今日から私は悪役令嬢!?
また、これら全ての作品を完結とさせていただきます。
理由は当作品を最後までご覧いただければ納得できると思いますので、是非お付き合いください。
よろしくお願い致します。
(あれ? でもなんだ、この世界?)
(なんだか凄く懐かしいような?)
(見覚えがあるような?)
第一話 願いを叶えるロリのじゃ精霊。
『ほれほれ、わしが願いを叶えてやるとの言っておるのじゃ。呆けとらんで、とっとと願い事を口に出すのじゃ!』
(──……へ?)
「お、俺の願いは、チートな能力を持って女の子に好かれて色んな冒険をする!
──そんな俺TUEEEな主人公になることだ!」
(今……、この身体が発した声は……!)
(……メグルの声──?)
(なんで、俺がメグルに憑依してるんだ?)
(──ま、まさか、コレってメグル自身が……)
(元々……趣味小説の主人公だった、ってコト!?)
「日本だって!?
つまり直接ラノベの俺TUEEE主人公になれるってか!」
(ばっ、馬鹿! 止せっ! やめろ……!)
(そんなコトしたら……!)
(俺はメグルのまま、永久ループ──!)
『どうやら不満はないようじゃの。では願いを叶えてやるのじゃ』
「ああ、ありがとな精霊ちゃん。よろしく頼むよ」
(──や、やめてくれぇえええ…………!)
『ふむ。ではわしも願い事の果てを見に行くとするかの。願いが叶った人間がどれほど喜ぶのか、見物じゃな♪』
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ー後書きー
【重要なお知らせ】
皆様、この作品をお読みくださりありがとうございます。
先日のことになりますが、この作品の作者である兄は一身上の都合によりこの世を去りました。
遺品整理の際にこちらに投稿前の下書きを見つけたので、今は亡き兄のため【遺作】として出来上がっている部分を全て投稿させていただきます。
誠に勝手ではありますが、加筆・修正等は行わず、最終投稿後は【未完】となります。
予めご了承ください。
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──1年後。
この連載小説は未完結のまま約1年以上の間、更新されていません。
今後、次話投稿されない可能性が極めて高いです。予めご了承下さい。
巡り廻るエターナル転生 ~スローライフは終わりにして俺TUEEEが始まるはずだった~
[作・なめことろろにんにくまる] 【未完】