第三章:登場人物&種族紹介
◇ ◆ ◇ ◆ 種族紹介 ◇ ◆ ◇ ◆
『地球人』
地球と祝福を組み合わせた造語。原案者は吟遊詩人のナージャ。理由は「迷宮と魔物の脅威から我らが神々が祝福を授けてくださいますように」とのこと。
『外側』
地球とは異なる世界を指す。迷宮と魔物が跋扈する過酷な環境であるため、地球とは人権意識での摩擦が生じている。
『尊種』
聖セドラニリ帝国周辺によく見られる種族。人間の遥か遠い祖先とも言われていて、エルフもルーツを辿れば必ずハイエルフに行き着く。
長い歴史の中で血が濃くなっていたが、このたび出生前に子の遺伝情報に干渉できる魔法が発明されてからは出生率が回復した。
擬似的な不死を実現しており、その身体に莫大な魔力と知識、外見的特徴に黄金の肌と長い耳と身長を持つ。
信仰対象は【叡智神】が最多で、稀に二重信仰を行なっている高官を見かけることができる。
しばしば他種族を奴隷として扱い、社会に組み込んでいるのは近親である同種族への嫌悪感を中和するためであり、政略結婚による冷え切った家庭と時効に伴う離婚の喪失を埋める為に彼らは人間やエルフに執着する傾向にある。
『森人』
聖セドラニリ帝国からレドル王国やグレニア法国まで広くその姿を見ることができる。
人間とハイエルフの混血によって生まれた種族。魔力はハイエルフに次いで多く、優れた聴覚と長い寿命を持つ。
往々にして自然に対して深い興味を持ち、新天地の自然をその目で見るために旅することを好む。
人間の血が濃くなればなるほどにエルフの特徴は失われていく。近親であるためか、ハイエルフに対して嫌悪感を抱きやすい一方で、人間に対して友好的な態度を見せることが多い。
『人間』
どの大陸や国でも必ず見かける種族。
多くは他種族他国家との共存を望むが、稀に過激な思想を持つことがあり、特権階級と言われる権力者にその傾向が多くみられる。
特にグレニア法国に居住する人間はその傾向が強く、例え同種族であっても他種族に寛容な態度を見せたなら彼らは決して許さない。
長い歴史のなかで他種族との混血が進んでおり、稀に先祖返りと呼ばれる子や悪夢人を授かってしまった家庭の不幸話は絶えない。
『悪夢人』
人間を先祖に持つならば、誰もが悪夢を子供に授かる可能性がある。
胎児の段階から頭部に鋭利な角を持って生まれる。
自然分娩かつ神官のいない貧しい地域にとって社会を形成する一員を奪って生まれる命であるため、その扱いは決していいものではない。
魔力を多く持って生まれるが、多くは成人を迎える前に過酷な労働環境に適応できずに死亡する。
『吸血鬼』
暗月の愛子とも言われる種族。アンデッドに区分される魔物であるが、多くは吸血の際に“感染”してしまった被害者でもある。
飢餓を抑えられれば討伐対象にはならないが、疫病に対する強い耐性を理由に劣悪な環境での労働を僅かな血の為に強いられることが多い。
悪夢人と同じく被差別種族となるが、その献身に目をつけた貴族の庇護を受けるケースが多い。
蝋のように白い肌、血のように赤く飢えた瞳で描かれることが多い。
『灰精霊人』
エクペレ大陸に生息していた謎の多い種族。
火山の大噴火によって大陸のほとんどが溶岩に飲み込まれた為、別大陸への移住を余儀なくされた。
彼らは自分たちは火山の灰と精霊が混ざって生まれた種族だと信じている。過酷な環境と特殊な宗教文化と死生観で移住先とよく衝突をしている。
灰のように浅黒い肌と赤い瞳、しばしば身を寄せる大家の紋章を身体に入れ墨として刻むことがある。
『巌窟人』
レドル王国に多くみられる種族。
彼らが信仰するのは六大神ではなく、技巧神と呼ばれる存在。手先の器用さのみで神格を得たとされており、職人たちは工芸を通じて信仰を深める。
六大神、並びに唯一神を受け入れている為、宗教的対立は少ない。その裏には工芸品が動いているという噂がある。
背は低く、頑丈な身体と好奇心旺盛だが臆病な一面もあるため、冒険者になることは少ない。
『獣人』
神獣と精霊の混血によって生まれたとされる種族であり、パドル諸島連合国によく見られる。
多くは猛獣類の外見的特徴を持つが、その生態は謎に満ちている。出身地、誕生日によって外観や性格に大きな差が生まれ、遺伝的要素はほぼ意味をなさない。
南島出身者は資産の獲得や権力者との繋がりに強い興味を持ち、北島出身者は強さや契約などに系統する傾向にある。
◇ ◆ ◇ ◆ 人物紹介 ◇ ◆ ◇ ◆
「湯浅奏」
我らが主人公。いつも引退したがっているのにトラブルがトラブルを抱えてやってくるので引退できない人。
友人が失踪したり、変な人に好かれたり、行く先々が変質した迷宮だったりとトラブルが彼女を放っておかない。
最近、他人に頼ることを覚えたのでよくエルドラにメッセージを送っている。
「エルドラ・フォン・ド・バウミシュラン」
2メートルを超える身長と金髪の髪と瞳、そして黄金の肌を持つハイエルフの魔術師。
Aランク冒険者にして聖セドラニリ帝国高官、そして新進気鋭のBランクパーティー『聖炎の盾』のリーダーでもある。
書類仕事は専ら彼の仕事。奏曰く「字が綺麗で几帳面な性格をしているので、なにかと細かい仕事は彼に行く」らしい。
奏に対して何らかの権利を主張し、ヒロインの座を死守する三百歳のツンデレおじさん。ヘタレではなく紳士。
「フール」
ネコ。よく寝て、よく飯を作り、よく金を数える。
三毛のオスということで奴隷として高く売られていたところを社畜リーマンに買われ、お世話をしていたら死んでしまって冒険者になったという珍しい経歴を持つ。
【微睡神】の信徒であるため、昼寝ガチ勢である。
ポカポカするところを探せばだいたいそこにいる。
正妻か愛人なら、楽そうな愛人がいいと宣うパドル諸島連合国の南島出身。
「浅沼忠」
名前を間違えられていた『堅実な一手』のリーダー。パーティーでは軽戦士を担当し、危ない橋は絶対に渡らない期待の新人。
ミリオタで筋肉に対してコンプレックスを持っている。
ヴォルンが歳下だと知ってツンケンできなくなってしまった。隙あらばとうもろこしを与えて餌付けをしている。
ちなみにミリオタっぽい趣味を持っている。
「坂東廻」
少年漫画や戦隊モノが大好きな青年。眉の傷は昔、ヒーローごっこをやっていたら転んでぶつけた時にできた怪我。
セレガイオンと意気投合。たまにスキルの練習をしたり、牛丼を食べたりしている。今では肩を組んでおっさんと呼んでいる仲。
「智田賢人」
眼鏡を卒業したのに眼鏡をあげる癖が治らない。ファンタジーやラノベを愛好しており、自室の本棚だけでなく電子書籍に至るまで夥しい数の本を所有している。
ロドモスとエルドラに話しかけに行く時、足取りがとても軽くなる。推しが吸血鬼なので、その繋がりでロドモスのことが好きになる軽率なオタク。
「ロドモス」
『悪霊の主』のリーダーにして吸血鬼。エルドラと仲が悪いが、他の人たちとは特に揉めていない。物腰が丁寧だが過去を語りたがらず(智田ポイント)、吸血という行為に対して嫌悪感を持っていて(智田ポイント)、教養のある発言を時々する(智田ポイント一億万点)。
ヴォルンのことを何かと気にかけているおじさ……お兄さん。
「セレガイオン」
斬り込み隊長にしてトラブルメーカー。意地が悪く、他人を揶揄っている時はとてもイキイキとしている。エルドラとかなり仲が悪く、奏に変な絡み方をしてはロドモスに殴られ、エルドラに嫌味を言われ、ヴォルンに呆れられる。本人は直さなくてもいいと開き直っているのでタチが悪い。
よく心臓を食っては「新鮮に限る」というが、決して美味いとは思っていない。嫌いなものは心臓が多い蛸型の魔物。八個も食べるのは辛い。
最近ヴォルンが反抗期を迎えて楽しい。
「ヴォルン」
パーティー内の最年少にして魔法戦士。村で魔物の餌になっていたことを助けてくれたセレガイオンへの恩と感謝は一ヶ月後の熱烈な頬擦りと接吻を前に消えた。
浅沼との稽古は好きだけどセレガイオンは嫌なお年頃。
「内藤雄士」
冒険者ギルド日本支部の支部長。一組織の頂点ではあるが、政治的な事情を汲み取るように上層部から圧力をかけられたり、アポ無しで来る監査に胃を痛めている。
さらに地主との交渉に呼び出されたり、国会で名指しで批判されたりと可哀想な人。
でも日本を守りたいという信念はある。
「カローラ」
兄は冒険者ギルドの職人、自身は受付嬢で生計を立てている。最近になって炎上するとある司祭のアカウントを見て、個人情報保護法が必要だと痛切に理解した。
よくはりきるが、とくに査定金額があがることはない。
「遠藤昴」
第三章では名前だけ出た人。何かと忙しい。
「アリア」
名前だけ出た人。エルフで何かと忙しい。
「吟遊詩人のナージャ」
今、外側と地球で最も影響力を持つ凄いハーフエルフ。彼の歌は世界を越え、居酒屋や酒場で広く歌われている。その金は全部彼の財布に行く。
汚い、さすが吟遊詩人は汚い。




