第一章:登場人物紹介
ネタバレあるかもしれないけれど、登場人物紹介
冒険者ギルド日本支部
湯浅奏(主人公)
二十歳の女冒険者。ヒキニート志望かつ無気力・面倒くさがりという社会人としては致命的な性格をしているが、困った人は放っておかないという損な一面も有している。任された仕事をきっちりこなす所為で引退できないことにまだ気づいていない。
周囲からは『謙虚かつ仕事ができる無口な板金鎧』という印象を受けているが、だいたい本人が悪い。
絶望的に運が悪い。さらに変な輩に好かれやすい。
エルドラ・フォン・ド・バウミシュラン
三百歳のツンデレおじさん。気位が高いハイエルフではあるけれど、偏見なく人柄で判断するなど若い世代の柔軟性を持っている。帝国第五位魔術師という肩書きにふさわしい高威力の魔法を敵味方関係なく戦場でぶっ放すので悪名高い。
悪い人じゃないんだけど関わりたくない、というのが周囲からの評価。
内藤雄士
三十路の支部長。先見の明はあるが、なかなか尊敬されない残念ながら人。人を試すような言動をしたり、敢えて依頼の全容を伝えずに仕事を割り振ることがある。『アウター』派ではあるが、その危険性を調査するために冒険者ギルド日本支部を立ち上げて……という背景があるのに、まったく描写されない人。
色々と気苦労を背負っているが、半分ぐらいは自業自得。
実は「君には全て筒抜けだったということか」という台詞を今年だけで四回は吐いている。
カローラ
冒険者ギルドの受付嬢。ドワーフの成人女性で、生まれは酒場。看板娘として働いていたので、職業柄噂話にはとても敏感。湯浅に助けてもらった過去から、有名人にしてあげて恩に報いたいと思っている善意の加害者。
ちんちくりんと言われると怒るし、車のカローラに敵愾心を燃やしている。
加賀刑事
ケセケセパサランをケセランパサランだと思い込んでいる刑事。湯浅が絡むと判断能力は低下するが、それ以外では物凄く優秀。というのも、彼が初めて担当した事件はヤクザによる死体遺棄事件で、湯浅が通報したから解決した。それ以降、ちょくちょく湯浅が事件に巻き込まれる所為で、すっかり「湯浅は全てを把握した上で動いている」と思い込むようになってしまった。
ケセケセパサラン
コーラとコーヒーと醤油は容器に赤いラベルが貼ってあるし、同じ色の液体だから全部同じだと思っている。
吟遊詩人のナージャ
エルフのなかでもハーフエルフに区分される。ハイエルフ陰謀論でおまんまを食っているので、エルドラが悪堕ちしてくれる日を待っている。
湯浅奏が男だと思われているのはだいたいコイツがありもしない噂話を作ってはそれで荒稼ぎしているから。内藤支部長や加賀刑事に「湯浅は全てを見抜いて、行動していたんですね」と吹き込む人。
アリア・フォレストガード
Aランク冒険者パーティー『森の狩人』のリーダー。年齢は百歳だが、外見は二十歳そのもの。無礼な奴は殴るが、礼儀を弁えた相手には丁寧に接するスケバン。
『終の極光』メンバー
遠藤昴
十七歳の思春期青年。高校を中退した過去があり、人間関係の構築が苦手。思い込みが激しく、時折粘着質な振る舞いをしてしまうことがある。
Sランクパーティー『終の極光』のリーダーであり、地球人のなかでは最もレベルが高い。〈閃光〉の二つ名を持つ剣士。剣聖からも認められるほどの剣術の使い手。
童顔なのでとにかくモテる。刀疵があるので同性からもモテる。食べ盛りなので、だいたいお腹いっぱい食べている姿で歳上を無自覚に落としている。
ミリル
〈雲海〉の二つ名を持つSランク魔術師。ピクシーという魔族妖精の末裔であり、遠藤に惚れている。魔女っ子ファッションは地球に来てから始めた。評判がいいので続ける予定。
フレイヤ
〈奇跡〉の二つ名を持つSランク神官。ミリルとは幼馴染であり、聖女候補まで登り詰めたが神託を授かって辞退。ミリルと共に神託に従って遠藤とパーティーを組んでいる。
聖女ダージリアの再来と言われるほど癒やしの力に優れている。
それ以外
浅沼 坂東 智田
【皆殺しの館】に侵入した高校生三人組。
非日常に強い憧れはあるが、根は真面目な学生。




