第6話
次の日の朝。
私がいつものように開店の準備をしていると、こちらに馬車が向かってきていた。
……それは公爵様のものだ。
まっすぐにこちらへと向かってきている。
また、ポーションの納品依頼とかだろうか?
私は箒を動かす手を止め、公爵様の馬車が来るのを見ていた。
やがて、馬車は私の前で止まる。馬車が開くと、中から整った顔立ちの身なりの良い男性が現れた。
年齢は私とそう変わらないように見えた。
けれど、彼のまとっている他者を寄せつけないような空気からただものではないというのは十分に分かった。
……たぶん、公爵様だ。
私がそう思っていると、彼はまっすぐにこちらへとやってきた。
「私はクロウ・バルーズだ。先日、ポーションを納品してもらったと思うが……それについて聞きたい事があってきた。中に入れてもらっても構わないか?」
「はい、承知しました」
私はできる限り丁寧なお辞儀を返した。
わざわざ公爵様がここに来るなんて……ポーションに問題があったか、あるいはその逆かな?
姉たちのポーションが評価され、それで公爵様が迎えに来たという可能性もある。
公爵様を中へと案内してから私は一礼をする。
「まだ店主は休んでいます。ただいま、起こしてまいりますね」
「すまないな、頼む」
バルーズ様が申し訳なさそうにこちらを見てきた。
私がすぐに奥の部屋へと向かい、ララの部屋へと向かう。
ノックしても反応がない。たぶん、ぐーすか眠っているのだろう。
「姉さん、中入りますね」
私は特に返事のない扉を押し開け、中へと入る。
ララが腹を出して眠っていた。
「姉さん、姉さん」
私が体を揺すると、ララは目をぴくりと動かしてこちらを見てきた。
とたんに、とても不機嫌そうな顔になる。
「何? まだ起きる時間じゃないでしょーが!」
「公爵様が先日のポーションの件について聞きたい事があると来たのですが……」
「公爵様が!? 私を迎えにきたのね! すぐに行くわ!」
ララは一瞬で寝ぼけた顔から真剣な顔へとなった。
同じような調子でリフェアを起こしに行く。
「公爵様が私を迎えにきたの!? 準備が終わり次第行くわ!」
と、リフェアも初めは不機嫌そうにしていたが、公爵様の名前を出した途端に目を輝かせた。
……公爵様の対応はもちろんあるが、店の開店準備もしなければならない。
私は一階へと戻り、品出しを行っていると、バルーズ公爵がこちらを見てきた。
「キミもこの前のポーション製作には関わったのか?」
「はい」
「そうか。助かった。おかげで大怪我や死者を出すことなく太陽の涙に対応できた」
「そうでしたか。それは良かったです」
私たちのポーションが少しでも誰かの役に立ったのだったらよかった。
「今日はそのことで話があってな。とても質の良いポーションを作る薬師がいたようで、ここにいる三姉妹の誰かではないかと思ってな。もしもそうであれば、これからは専属の薬師として雇いたいと思ったんだが」
「……なるほど」
ララとリフェアが同時に雇ってもらえれば、私も今以上に自由にポーション製作ができるんだけど、どうなんだろう?
そんなことを話していると、ララとリフェアが一階へと降りてきた。
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