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薬屋の聖女 ~家族に虐げられていた薬屋の女の子、実は世界一のポーションを作れるそうですよ~  作者: 木嶋隆太


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第50話


 次の日の朝だった。

 朝起きていつものようにルーちゃんを連れて屋敷内を歩いていた。

 

 散歩のようなものだ。まだ早朝だったけど、段々と貴族の方たちが屋敷から出ていく。

 皆顔色は思っていたよりも良かった。


 もしかしたら、私の気遣いは必要なかったのかもしれない。

 そんなことを考えていると、昼時にバルーズ様から呼び出しを受けた。

 一体どのような用事だろうか? ……もしかして、勝手にポーションの準備をしてしまったことを叱られるだろうか。

 

 バルーズ様の書斎へと入った私は、いつものきりっとした表情をしていた彼の視線に唇を結んだ。


「ルーネ、どうやら昨日はアイリーンのお世話とポーションの準備をしてくれたらしいな」

「は、はい……。あ、アイリーン様の場合お世話というか一緒に遊んでいたといいますか……」


 アイリーン様の部分はきちんと否定しておかないとアイリーン様に失礼だろう。

 そういうと、バルーズ様はこくりと短く頷いた。


「助かったよ。ありがとう」

「え? あ、はい……そうですか?」

「なんだその意外そうな表情は?」

「い、いえ……勝手なことをしたと怒られるのではないかと思っていましたので」

「そんなことはない。アイリーンはともかく、ポーションに関してはむしろかなり貴族の方々から感謝されてな」


 それは驚きだった。


「そ、そんなにですか?」

「ああ。朝、客人たちを泊めていた部屋に軽い朝食とポーションを出したところ、二日酔いで苦しんでいた人たちの状態が随分と回復したらしくてな。それについて俺のもとに感謝の言葉が届くものだから困ってしまったくらいだ」


 バルーズ様が冗談めかした様子で笑う。


「も、申し訳ございません。特に相談もせず……」

「いや、いいんだ。ニュナに詳しい話は聞いていたしな。とはいえ、あまり休みなく仕事をして体を壊さないように気を付けてくれ。それと、ポーションの納品だが今は予備も確保できたから来週からは一時中断だ」

「え? そ、それだと……わ、私ポーション作れなくなってしまうんですけど……」


 ……ポーションが作れないのは私にとって死活問題だった。

 もちろん、使用人たちのために作ることは出来るけど、それだけだとやっぱり作れる量が激減してしまう。


「た、たまにはそういう週があってもいいだろう? ゆっくり休んでいてくれないか?」

「わ、分かりました……」


 ど、どうしよう。これから本格的に、やることが減ってしまった。

 私が悩んでいた時だった。バルーズ様がこちらを見てきた。


「それとは別に少し話を聞きたくてな……ルーナは今魔物狩りをしようとしているんだったか?」

「え? は、はい……そうですが」

「とはいえ、まだ一人では厳しいだろう?」

「……そうですね」

「次の休みに俺は魔物狩りに行く予定があるんだ。どうだ? 一緒に……行ってみないか?」


 バルーズ様の思いがけない提案に、私は驚いていた。


「い、いいんですか?」


 ルーちゃんもきっと喜ぶだろう。私が目を見開きながらバルーズ様に一歩詰め寄ると、バルーズ様はこくこくと頷いた。


「あ、ああ問題ない。当日は騎士たちも引き連れていくから身の安全は確保できるだろう」

「お、お願いします!」

「……分かった。それなら、次の休日。共に行こうか」


 やった!

 魔物を狩る姿はこの前の遠征の時にも見ているけど、あの時はルーちゃんはいなかった。

 今度はルーちゃんにも魔物狩りを経験させてあげられるはず。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 読みやすくて面白い [気になる点] 今のところなし [一言] これからも更新を楽しみにしています
[気になる点] バルーズ様、お忙しいのに魔物狩りに行きたいからってポーション作りまで止めさせちゃだめですよぅ。ニヤニヤ そこはそれ、魔物狩りに一緒に行かないか?が先ですってぇ。
[一言] ルーちゃん初陣ですか!! 次回も楽しみです、 小さい錬金釜も出番ですねー。 何故に攻撃ポーションにこだわるのか…………w 回復ポーションを買いに来る冒険者に憧れてたのかしら? それとも新しい…
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