第37話
私がここでポーションの製作を申し出たのは、ルーちゃんのお礼もあるけど……それ以上にポーションの製作を行う練習をしたかったのもある。
私は用意された部屋にてポーション製作を開始していく。
ポーションの製作のために、錬金釜を用意し、薬草などが置けるスペースも準備してもらった。
ポーションというのは本当に様々な種類があるけど、基本的に今納品しているのは傷の治療などに使うものが多い。
でもポーションは色々とある。治療するためのものはもちろん、疲労回復などを主にしたものもある。
それに攻撃魔法を込めたポーションなど、相手を傷つけるようなものもある。
色々なポーションを作ることで、薬師の腕というのは上がっていく。だから私はこうして自由に作れる場所が欲しくて、この一週間はあちこちに声をかけていた。
私は錬金釜にまずは魔力水を入れる。
魔力水の質はDランク。……うーん、ちょっと低いかな。
魔力の籠め方が悪かったと思う。反省しないと。
とりあえず、魔力水の質を上げるため、その調整を行っていく。
魔力水の質がBランクまで上がったところで、室内に置かれていた薬草へと手を伸ばす。
今回の魔力水ならエケセ草かな? それを少し入れると、疲労回復効果が生まれた。
ただ、ちょっと苦いんだよね。
あとは味の調整をしないと。他の薬草を組み合わせ、疲労回復効果を高めながら薬草の調整を行っていく。
こぽこぽと錬金釜内に魔力水が沸騰し、そしてすぐに……ポーションは出来上がった。
「うん、こんな感じかな?」
私は軽く味見をして、味を確かめる。
最終的に出来上がったのはAランクの疲労回復ポーション。
ビントさんが部屋へとやってくる。彼女は匂いを堪能しているような落ち着いた表情を浮かべていた。
「相変わらずいい匂いじゃないか」
「はい、今日も何とか上手に出来ました!」
「それは楽しみだね。ルーネのポーション、みんなも楽しみにしているんだよ」
ビントさんはそう言いながらコップに一杯分をすくった。
それに息を吹きかけながらゆっくりと口元へと運んでいく。
相手は料理人なので、味とかで不満が出ないか……という部分で少し緊張していた。
「相変わらず凄い色をしているね。これで美味しいんだから面白いものだよ」
くすくすとビントさんは笑いながらポーションを飲んでいく。
リラックスしたような息を吐く彼女に、私もようやく落ち着くことができた。
「色は別に……味には関係ないですしね。それに色の調整をするのにも薬草を使ってしまいますし」
私がそういうと、ビントさんは納得した様子で頷いた。
「まあ、そうだけどね。料理人的感覚なのかもしれないけど、目で見て楽しませるっていうのも料理にはあるからね」
「……あっ、確かにそういうのもありますよね」
そういえば、私の部屋に運ばれてくる料理も、たまに凄い見た目をした料理などがあった。
例えば、この前運ばれてきたハンバーグなどは、その周りを彩る野菜などもあり、それは一つの美術的作品なんじゃないかと思うほどだった。
「私が料理人に憧れたのは、子どものときに綺麗な盛り付けをされた料理を見てからだったんだよね……私もそんな料理を作ってみたい! ってなったもんだよ」
「……なるほど」
私もそういう側面も多少はあったかもしれない。
カラフルなポーションに感動したこともあった。……まあ、でもすぐに私はどちらかというとポーションの性能的な部分に注目してしまった。
そういえば、姉たちは色を整えるのがとても上手だった。
……もしかしたら、私と姉たちでは興味を持った分野が違ったのかもしれない。
「いつか弟子をとるつもりなのかい?」
「……今のところは考えていませんけど、いつかはとるかもしれませんね」
「薬師の弟子って確か凄い小さい子になるんだよね? そういう子には、色で楽しませてあげるのもいいかもね」
「確かに、そうですね……」
色の調整かぁ。
私も出来ないことはないけどほとんどしてこなかったんだよね。
……でも、確かにそういう側面もあるかもしれない。
薬屋にいたときに、子どもの風邪薬としてポーションを買いに来た奥様にはそのようなポーションを提供したこともあったなぁ。
「とにかく、ありがとね! みんなで飲ませてもらうよ!」
ビントさんがにこりと笑う。
「いえ、私もポーションの練習ができて助かっていますから!」
そういってから、私はルーちゃんのもとへと向かった。
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