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第11話


「あ、あれが私のアトリエ……ですか?」

「ああそうだ。先に謝罪しておく、すまない」

「え?」


 そ、それはどういう意味だろうか?


「もとは倉庫として使っていてな。急いで掃除させたが、もしかしたら倉庫だったというのを感じる部分もあるかもしれない」

「……」

 

 あ、あれが倉庫……? あの倉庫、私の薬屋もすっぽり入りますけど。

 貴族というのは規格外な存在なんだろうね。私はもうそう納得することにした。

 とりあえず、場所が変わったとしても私のやることは同じだしね。


「分かりましたバルーズ様。早速ポーションの製作を始めようと思います」

「え? あー、それは助かる。とはいえ、まだ急を要して必要なことはないからそう気張らなくてもいいからな?」

「もちろんです。それと、薬屋のときにも伝えましたが、薬草を育てる畑が欲しいのですが――」

「それはアトリエの裏に用意させてある。自由に使ってくれていい」

 

 バルーズ様とともに歩くと、確かに建物の裏手にはバルーズ様がおっしゃったように立派な畑があった。


 私は畑の土に鑑定魔法を使用する。


 土 質Aランク


 ……非常に質のよい土みたい。

 これなら、いい薬草も育つね。あとは、この土が疲労しないように魔力水で適度に栄養をあげていかないといけないけど、それはおいおいやっていけばいいよね。


「ありがとうございますバルーズ様!」


 私がぺこりと頭を下げると、バルーズ様は苦笑した。


「いや、気にしなくていい。今日はまだいいが、今後次第ではポーションの発注も行ってもらう予定だ。それと、給料に関しての相談だが――」

「……あっ、ポーションを納品したらお金はもらえるんですよね?」


 でも、専属になったってことは、ポーションを製作してもお金をもらえないのかな?

 それってつまりただ働きとか? まあ別に食事と住む場所を提供してもらえるのなら別にいいけどね。


「ああ、それはもちろんだ。成功報酬としてキミに支給するつもりだ。……ただ、それとは別に専属契約としての給料の支払いもある。そちらに関しては月50万ゴールドだ」

「ご、50万ゴールド。……そ、それってどのくらいなんですか?」


 ポーションは質にもよるけど一つ1000ゴールド前後で販売していた。

 だから、凄いたくさんのお金ではあるんだけど、私外で買い物とかしたことないからいまいち相場というのが分からない。

 そもそも、無断外出禁止されていたしね、私。必要もなかったんだけど


「前回、キミの薬屋に依頼したときのポーションがいくらだったかわかるか?」

「……いえ、聞いていませんね」

「500万ゴールドだ。その十分の一というわけだな」

「え? そんな大金が入っていたんですね」


 私一銭ももらってないから詳しくは知らないんだよね。まあ、たくさんポーション作れたから良かったけど。


「……ちなみに、キミに聞きたいのだが……前回のポーションの納品でキミはいくらもらったんだ?」


 いぶかしむようにバルーズ様がこちらを見てきた。


「え? 私はお金もらってないですよ?」

「……本気で言っているのか?」


 バルーズ様は信じられないものでも見るように、目を見開いていた。

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[良い点] 逆境の中でも夢中で打ち込めものがあることで強く在れたルーネが輝いているでしょうか。 それとは知らずどん底を味わってきた以上、これからは薬師として好評価を得て、自分の価値を理解していけると良…
[一言] >もとは倉庫として使っていてな。急いで掃除させたが、もしかしたら倉庫だったというのを感じる部分もあるかもしれない 前任の薬師が引退してから暫く倉庫として使用していたの方が話の流れとしては良…
[一言] 主人公が自分が虐待されていた自覚がないと、あの姉達に周囲には内緒で話しがあるとかで呼び出されたらホイホイ付いてきそう。 そのまま奴隷として売りっぱられそうですよね。
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