「筋肉の悲鳴と、路地裏のニャンニャン」
投稿者:みつる 2026年4月7日
作ったぜ。
最近、おれの進化が止まらない。筋トレの成果が目に見えて現れ、ついに手持ちの服が悲鳴を上げ始めた。ボタンは弾け飛び、袖を通せば生地がはち切れそうだ。おれの逆三角形は、もはや既製品の枠に収まりきらなくなっている。
だが、この肉体の完成を、同居人の琴音はこれっぽっちも歓迎していない。タンクトップ一枚でリビングに鎮座するおれに向かって、彼女は冷たく言い放った。
「視界が暑苦しいから、その無駄な肉、今すぐ布で隠してくれない?」
あぁーもう、めちゃくちゃや。
おれが血の滲むような思いで(上半身だけ)作り上げた芸術を「暑苦しい」の一言で片付けるとは。世の中、筋肉に対する理解が足りなすぎる。
失意のなか、ジムの帰り道に、おれは路地裏で一匹の猫と目が合った。
薄汚れてはいるが、その澄んだ瞳……。おれと同じように、誰かの庇護を求めているような、寂しげな輝きを宿していやがった。気づけばおれは、自慢の大胸筋でその小さな温もりを包み込み、家に連れ帰っていた。
「オイ、ニャンニャンニャンニャン。おれと一緒に、この荒波(家事)を乗り越えていこうな」
上半身は一人前の男と、四本足の小さな同居人。
アンバランスな二人の生活が、今、幕を開ける。
【コメント欄】
匿名サーファーA: 猫を拾う前に、自分の「足」を拾えよ。その細い脚じゃ、猫に追い越されるぞ。
琴音(?): 猫……? エサ代と砂代、どこから出すつもり? もしかして、また「成城石井の豚バラ」を削る気じゃないよね?




