表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
青鬼の女帝  作者: ぽつ
34/41

34話 得手不得手ってあるからしょうがないよね

「それでしばらく経ったら、ザックが来た。…俺より強い、ザックが」

「…う、ん」

「強さで従えてた騎士達も、ザックが来たら、段々生意気になった。幾ら俺が強くても、「でもザックよりは弱いんだよな」ってなって。…あいつらが強くなったわけじゃないのに」

「…うん、」

「…俺、ザックが嫌い。サイコパスな所も、俺を襲ったことも、ラディシャに怪我をさせたのも。…俺の立場を、揺るがせてくることも」

「…うん」

「ザックはそんなつもりじゃないし、寧ろ俺の言うことはよく聞いてくれる。でも、どうしても好きになれなくて。だから、あいつと話す時、凄く気を遣う。酷い事を言わないようにって」

「…そっか」

「…そうして過ごしてたら。…俺の陰口が聞こえたんだ」

「!、っえ…」

「俺は耳が良いから聞こえてきて。…そいつらは、俺に直接言おうとはしていなかったから、陰口くらい誰でも言うから、だから、しょうがないよなって。…俺が、言われてしまうような、俺が悪いんだって」

「違うよ、ヴァルドは悪くない!」

「ザックが嫌いなのも、俺の戦闘の弱さも、メンタルの弱さも、俺の人間性の悪さも、ぜんぶ、全部全部!いやで嫌で、…苦しかった、辛かった…!」

「…うん…!」

「でも、相談もしたくなくて。でも、他の方法なんて、わからなくて!…どうすりゃいいか、わかんなくって!……ただ、頑張ろうって。わからなくても、前に進まなきゃって、そうやってがんばって。」

「うん…、」

「…でも、全然、良くならなくて!結果が出ないなら、頑張っているって言えるのか分からなくて!言えたとしても、頑張れてたとしても!…結果がでなけりゃ、意味ねぇじゃん!!」

「そんなことない!だっ…」

「もう!!……もう、あれだけ楽しかった戦闘も、全然楽しく無いんだ。何をやっても楽しくなくて、今までの俺がわからなくなってきて、今まで通りに振る舞うことも難しくなってきて」

「…」

「……俺、もう、疲れたんだ。頑張って頑張ってがんばったけど、もう無理なんだ。…限界、なんだよ。

…もう、無理なんだよぉ!!…っ!、うっ!」

 …ヴァルドは、涙を流す。

「…そっか。…気づいてあげられなくて、ごめん……ごめんなさい!ほんとに、ごめん!…ヴァルドをここまで追いつめて、本当にごめんなさい!!

……僕は、ぼくはヴァルドに人を殺してお金を稼いだ罪滅ぼしのために、人を助けてって言った!でも、…ヴァルドをここまで苦しめるつもりも、不幸にさせるつもりも、無かった!!…辛かったよね、苦しかったよね…。」

 …ラディシャも、涙を流す。

「…いい、お前が謝ることじゃない」

「…ううん、僕が馬鹿だった。普通の人だった君が、いきなり騎士団長になるなんて、上手くできるわけがなかったんだ」

「…いや、お前だっていきなり国のトップだ。俺よりお前の方が大変だろ」

「いや、そんなことないよ。……本当に、百歩譲って僕の方が大変だったとしても。言ったでしょ、"人はできることも、頑張れる量も違う"って。人によって得意不得意があるんだから、それでも頑張った君は、とっても偉いよ。

…本当によく、頑張ったよ。…ヴァルド」


「…ありがとうな、ラディシャ。…、本当に、ありがとう、ラディシャ!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ