2話 町に買い物へ
今日は町に行く日だ。森に暮らしていて、人と会うのが怖いといっても、一人で生きれるほどサバイバル能力が高いわけではないし、孤独にも耐えられない。ので、街にはよく行っている。
茶色のローブを着て仮面をかぶり、更にフードもかぶって髪も隠す。これで変装は完璧。更に町ではシエラと名乗って少年のふりをしている。まあ今は男の体に変身しているため嘘ではないけど。これで準備はばっちり!
僕は一度行った場所にはテレポートできるため、路地裏にテレポートして、表道りに出る。ここは小さな町だが、首都よりも人が少ないため、僕には快適だった。
「ヴァルド、おはよう!」
「おっ、シエラか!おはような!」
ラディシャが話しかけたのは、灰色のウルフカットの髪に真っ赤な釣り目の背が高い青年。体には狼の耳と尻尾が生えている。
「何かおすすめの野菜はある?」
「今日はキャベツがおすすめだな。お前スープ好きだろ?だっだらジャガイモとニンジンとタマネギも買えよ、隣の肉屋でソーセージ買ったら完璧なポトフができるぞ!」
「わぁ、いいね!とっても美味しそう!」
この人はヴァルド・アスライト。狼獣人で一人でこの八百屋を営んでいて、よく野菜を買っているうちに友人になった人だ。顔を見せて出会うとどうしても大変なことになる僕にとって、僕の中身だけを見て仲良くしてくれる貴重でありがたい友人だ。
「だろ?全部買ったら銅硬貨4枚のところを、特別価格で銅硬貨3枚にしてやるぜ!」
「え、やったぁ!ありがとう、全部買うよ!」
「まいどあり!」
お金を払ったら隣の肉屋でソーセージを買った。今日の夜ご飯が楽しみだ!
ウキウキした気分のまま、せっかくなのでレストランに入った。ここのオムライスが絶品なのだ。ケチャップも好きだが僕はデミグラスソース派なのでここはお気に入りのお店だ。店主のおばあさんも優しい。
「あら、シエラ君いらっしゃい」
「おばあさん、デミグラスソースのオムライス一つで!」
「はいよ、そこ座って待っててね」
「はい!」
「お待たせ、デミグラスソースのオムライスだよ」
「わぁ、ありがとうごさいます、いたたきます!………ぅうーん!やっぱりおいしい!」
「ありがとうねぇ」
あっという間に食べ終わって、僕は店を出た。いい気分のまま、普段は行かない雑貨屋さんなんかも行って、木でできた猫の置物をつい買ってしまった。そうこうしてるうちに、夕方近くになった。テレポートで帰ろうと路地裏に入ると、奥から生臭い、鉄のような匂いがした。……これは、血の匂いだ。




