19話 騎士団長の座
コン コン コン
「失礼します。アズベルでございます」
「あ、起きたんだね。もう大丈夫?」
「平気だろ。手加減してやったんだから」
「…はい。その通り、もう大丈夫です。……それで、お話がありまして」
「なあに?」
「…騎士団長の座を、ヴァルド様に渡したいと思いまして。私より強い者が部下になるのはおかしいですし」
「お、やったぜ。お前の下に付くのは癪だったもんな」
「え、いいの?騎士団長の仕事って戦うだけじゃないでしょ?ほら、指揮とかヴァルドいきなりできるかな?今のまだ人望とか信頼とかがない状態で騎士団長って、納得しない人とかが出てくるんじゃない?」
「ですが、ヴァルド様の強さはその理由たちを凌駕できる思います。騎士たちも強さを目の当たりにしたら大人しくなるでしょう。他の仕事については、私が副騎士団長としてサポート致します」
「まぁ、手伝ってくれるなら何とかなるだろ。反抗してくる奴は俺が叩き潰す」
「アズベルがいるなら大丈夫だね!わかった。ヴァルドは今日から騎士団長だ!!」
「おっしゃあ!俺の社会的地位が一気に向上したぜぇ!!俺も勝ち組街道まっしぐらだ!」
――――――――――
「初めまして、俺はヴァルド・アスライト。革命軍で青鬼のラディシャと一緒に革命を起こした奴だ。
この騎士団に入ろうとして戦ったら俺はそこのアズベルに勝った。…ってことでお前ら、今日から俺が騎士団長だ。文句あるやついるか?」
「はあ!?誰だお前!」
「騎士団長とは、…これだけの戦力を扱う資格がある者とは素晴らしい心の、アズベル様のようにお優しい者がなるべき座なのだ!強さだけでなれるものではない!」
「いきなりなんておかしいだろ!!実力があるってんなら、騎士団の新人として入って経験と人望を積んでからなればいいだけだろ!本当にまともに働けるのか!?」
「そもそも!本当にあのアズベル様より強いのか!?」
「皆さん、お静かに。これは、私が言い出したことなのです。…ヴァルド様の強さはそういう理屈が当てはまらないほどの強さです。納得いかないなら、全員ヴァルド様にかかってらっしゃい」
「ほら、かかってこい。お前らの嫌いなヴァルドを力ずくでわからせるチャンスだぞ」
「…本当に全員でかかって良いんだな?アズベル様ですら全員同時には到底勝てないんだぞ」
「お前が今の副騎士団長か。…だから、俺はそのアズベルより強いんだって、いいからかかってこい。女も男も関係ねぇ、全員医務室送りにしてやる」
「…言ったな。皆、かかれぃ!!」
「「「「おう!!」」」




