18話 ラディシャとヴァルドは親友だ!
あの後アズベルを医務室に寝かせたので、今俺はラディシャと一緒に部屋へ帰っている。
……聞かれてもないことを言ってしまったな。あいつらには何も言われていないのに、何だか舐められていると感じていて、今までイライラしていた。一般的に俺より優れていると言われるような奴らだから余計に。でも、いざとなったらお前ら位どうとでもできるんだぞと示してやりたくて、思わず言ってしまったのだ。…ラディシャの友人、つまりあの青鬼と対等に話せるという立場は、俺の自尊心をとても満たしてくれる。俺は、あの最強の青鬼の友人なんだぞと。
あいつがシエラだった頃は、本当にただの友人だと思っていた。あの頃は、表は気のいい八百屋だが、裏は恐ろしい殺し屋なのだという優越感があって、周りの奴に優しい顔をするのが楽しかった。たくさん人を殺してる奴が目の前にいるとは夢にも思わずに、ニコニコして話しかけてくる町の奴らを楽しんでいた。…みんな、見下していた。その中で、特に下に見ながら、それでも何故だか仲良くなった小柄な少年がまさか俺よりもずっと優れた奴などとは、それこそ夢にも思わなかった。そしてそれを知ったとき、とても嬉しかった。ラディシャと一緒にいると、自分の価値まで上がる気がしたし、革命で人々を助けた英雄にもしてくれた。
少なくともラディシャからは、俺は守る価値のある大事な存在なのだと思われているだろう。ラディシャに価値を感じてもらっていることが、俺の価値となる。勿論友人としての気持ちもあるが、やはり良いの友人だという気持ちも、"青鬼と仲のいいすごい俺"を作れるアクセサリーだとも思っている。今のあいつは周りに沢山の人がいる。その中で一番を独占できるように、周りの奴らに示していかなければならない。
ああ、あいつに出会えて本当に良かった!
「…これからも末永くよろしく、ラディシャ」
「??…うん、よろしくね!」
――――――――――
「ヴァルド、すごく強いね!騎士団長より強いって、誰も君に勝てないじゃん!」
「まあ、強さだけが俺の取り柄だからな。あと、躊躇いなく人を殺せる感性」
「そ、それはよくないんじゃ…?」
「騎士としてはいいことだろ。殺すこともあるだろうし」
「そっかぁ…?」
「あと、もう一個あったな。ラディシャの友人なこと」
「それって、取り柄なの!?」
「だって俺、お前と友人になれてめちゃくちゃ嬉しいんだよ」
「…そ、そんなに?まあ、ありがとう!僕もヴァルドと仲良くなれて嬉しいよ!…ていうか、さっき友達じゃなくて"親友"って言ってたじゃん!そう言ってよ」
「お、マジ?じゃあ、俺達親友だな!」
「うん!僕たち親友だ!!」




