14話 アズベル・ラフォード騎士団長
「…ということで、どうしよっかなってなったんですけど、どうします?」
「……正直、今できることはあまりない気がしますね」
「だよなぁ。どうしようもないってこった」
―バンッ!
「失礼します!」
「またか、今度は何だ」
「今現在皇帝直属の騎士団の約半数が、我々革命軍に降伏したいと訴えています!!」
「っえ」
「…マジか」
「!なんと!」
「その中には騎士団長も含まれており、ラディシャ様、そしてレオン様と話がしたいと訴えています!」
「直ぐに通しなさい!」
「はい!」
「……皇帝の部下たちも辟易としていたんだね。予想外だったけど、これで皇帝の武力が大幅に減った。皇帝も強気には出れないはずだよ」
「こんなに政治が下手な皇帝って、寧ろ才能だなレビーゲル。優しいお父さんの血をどこに捨てたんだよ」
「お母さんのお腹の中では?」
「イントロからじゃねえか」
コン コン コン
―ガチャ
「失礼します、初めまして。私は皇帝直属の騎士団団長、アズベル・ラフォードと申します。種族は吸血鬼でございます。」
その男は、細身で鎧を着ており、紫色の髪と瞳に褐色の肌に尖った耳。肘ほどまである長い髪を上の方で括っていて、美しく、どこか色気があった。
「初めまして。青鬼で革命軍のリーダー、ラディシャです」
「公爵、レオン・ハーヴェスです。人間です」
「革命軍ヴァルド・アスライト。狼獣人だ」
「どうも、ありがとうございます。…私たちは、革命軍に降伏しに参りました」
「…一応理由を聞いてもいいですか?」
「ええ、…私は元々前皇帝に憧れて騎士団に入りました。彼の優しい志に甚く感動したんです!…ですが、私が騎士団長にまで上がる頃には、皇帝はレビーゲルになっておりました。私は、あの人にお仕えするために騎士団長になったのではありません、前皇帝の優しく慈悲深い彼に、国民の事を慮る彼の力になりたかったのです。彼が皇帝になった当初から、私はレビーゲルに懐疑的でした。前皇帝が子宝に恵まれず、子供が彼しかいなかったことが運の尽きでしたね。…私は騎士団長ですので、政治に関わる権限は無いに等しいので、どうにか止めようとはしたのですが、力及ばず…。そして、もうこれ以上好き勝手はさせないと思い、降伏しに来た次第です。」
「そうですか。…騎士団が過激派軍の一部を殺したのは知っていますよね?」
「はい、…あれは私の指示ではありません。一部の皇帝派が起こしたことです、が。騎士団長である私の責任が大いにあるので、騎士団を代表して謝罪いたします。…民衆を守れなくて、傷つけてしまって…本当に申し訳ございませんでした。」
「…まー、取り敢えず降伏は受け入れる。というか、騎士団の人たちに革命軍に入ってもらおうぜ。めっちゃ増えるし、いざとなったら戦えるし。いいだろ?」
「そうだね、そうしてもらおうか」
「こいつは、許すんですか?」
「うん、何かいい人そうだし。協力してくれるなら仲良くしたほうがいいよ」
「だな。…こりゃ皇帝が変わるのも時間の問題だろうな。ラッキー」




