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青鬼の女帝  作者: ぽつ
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1話 青鬼

 青鬼。それは、最も強く、最も美しい種族。


 性別は女性しか生まれないが、男性にも変身できる。


 不老であり、様々な種類の者達が男女関係なく魅了されるような、強く、美しく、神聖な存在。


 だが、とても珍しい種族でもあり、一度も会えずに一生を終えることが殆どである。


 そんな、まるで神のような存在。


 ……そんな世界の中、大きく深い森の中心には、髪と瞳が真っ青な、一人の青鬼がひっそりと暮らしていた。




――――――――――




 青鬼とは言うものの、実際には黄色っぽい者が殆どである。実は、青鬼の強さは、髪や瞳の色と比例している。青に近ければ近い色であるほど、強くて、美しくなるのだ。稀に赤や緑などの強い者もいるが、希少な青鬼のなかで、更に希少な色の持ち主など、世界にはいないに等しいのである。


 …しかし、この森に住む青鬼は、髪も瞳も真っ青である。そんな伝説の存在の彼は、名実ともに最も強く、最も美しい存在である。彼の名はラディシャ。

そう、彼、である。ラディシャは今なぜか男性に変身している。その理由には、ラディシャが美しいが故の弊害があった。


 本来の姿でいると起こること。まず、モテまくる。まあそれだけならまだ構わないのだが、道行く人々が立ち止まり、彼女を凝視し、話しかけてくる。目の前に立ちはだかっては口説こうと、腕をつかもうと、体を触ろうと、更には押し倒そうとするやつまでいる。まあ強いため避けることなどは容易だが、どんな種族だろうが、どんな年齢だろうが押し寄せてくる男たちのせいで、碌に道も歩けない。更にはそんな男たちに惚れている女性やら、彼女やら、妻やらに恨まれて襲われたり、男たちにはストーキングされ、心中しようとまた襲われ…。

考え出したらキリがないくらいには様々なトラブルに襲われた。

 ただ、髪と瞳の色のおかげで逆に青鬼だと思われることは少ないので、自分の力目当ての者達はあまりいないのが幸いだ。それでも心までは最強ではないラディシャは、人前に顔を出すことがトラウマになり、男性に変身して、誰も来ないような森の奥深くにひっそりと暮らしている。ちなみに男性に変身しても元が女性のため、あまり男らしくはなく可愛らしい少年のような姿である。同じ性別の女性に囲まれるほうが男性よりは怖くないため、ここ数百年は変身したままであるのだ。

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