表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

朝の散歩と、見えない景色

作者: ごはん

朝の空気は、ひんやりとしているけれど、どこか安心感があった。

私はいつもの道を歩きながら、木々の葉っぱに光が差し込む様子を眺めた。

通り過ぎる人々は、それぞれの世界を持っている――そう思うと、自分はどこに属しているのだろう、とふと考える。


「私は本当に一人で歩いているのだろうか?」

心の中で問いをつぶやく。

答えは見えない。けれど、道端で花を揺らす風や、遠くから聞こえる鳥の声が、静かに答えをくれている気がした。


途中、小さな公園に差し掛かる。ベンチに座っていた年配の男性がにこりと笑った。

「おはよう」と声をかけられる。短い言葉なのに、胸の奥がほっと温かくなる。

その瞬間、自分は孤独じゃない、と小さくうなずいた。


歩きながら考える――人生の中で、見えないつながりや、気づかない優しさがたくさんあるのかもしれない。

時間も、人も、すべては流れているのに、確かにここに「今」がある。


私はまた歩き出した。

足音が地面に残るように、目に映る景色や触れた空気も、静かに心に刻まれていく。

問いは消えなくても、温かさがそっと包んでくれる――そんな朝だった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ