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前世、妹と恋人に裏切られた悪役令嬢は恋愛なしの穏便な道を平凡に生きていくはずだったのですが...  作者: はな


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28、12年前の事件

国王陛下のターンが続きます。


 エリオットは平民に紛れて情報屋をしていたようだ。そこに入ってきた情報はアシュリーの暗殺というものだった。


 それはアシュリーの生家であるクォーツ伯爵家が関係していた。


 実はクォーツ伯爵家は没落への一途を辿っていた。する事業する事業全てうまくいかず、もう没落は間近といわれていた。


 それもクロードがアシュリーへの報復として裏でそうなるよう仕向けていたのだが。


 アシュリーと結婚する前から、パーティーなどでナターシャはたびたびアシュリーに絡んでいた。暴言を吐くのは当たり前、飲み物をかけたりひどいときには平手打ちをお見舞いするなど様々だ。


 次期公爵夫人に対してよくできたものだが、見た目だけしか取り柄のない、とナターシャは思っているアシュリーが、公爵夫人となって自分よりも高位になることも幸せそうなのも何もかもが許せなかった。


 またクロードがいないときにその蛮行は行われた。アシュリーもハーディング公爵家に救ってもらった恩があるため、これ以上心配をかけることをしたくなかったこともあり、誤魔化し黙っていた。

 クロードがとても優しい人であることもわかっていたため、どういう形でも傷つけたくないということでもあった。

 そして人間関係に疎いクロードはそのアシュリーの言葉を不審には思いつつも信じていた。


 またクォーツ伯爵夫妻は結婚した後、金をせびりにたびたび公爵家に訪れ、だんだんとアシュリーを脅すようになっていった。


 それらを後で知ったクロードは怒り狂った。一番は愛する妻が苦しんでいることに気づけなかった自分自身にだが。

 おそらくクロードは生きてきたなかでここまで怒りを感じたことはないだろう。そしてクォーツ伯爵家を潰すことをこのとき決めたらしい。


 しかし今回のことはそれが関係していた。ナターシャが没落にはクロードが関わっているとどういうわけか知ってしまったのだ。

 アシュリーが幸せなことがもとより許せないナターシャは、野盗を雇って馬車を襲うように仕向けたようだ。


 これがバレたらただでは済まないのだが、そこまで頭が回っているのかいないのか。没落間近で焦っているのか。


 エリオットにその情報が入ってきたのはもうアシュリーとシェリルが王都を出発した後だった。


 エリオットはすぐにクロードへの手紙を託し馬車を追った。


 エリオットが馬車に追いついた時にはまさに野盗に襲われているときだった。クロードが選んだ精鋭の騎士たちもしっかり応戦していたが、対する野盗の数がとても多かった。


 馬車が野盗にこじ開けられたときと、エリオットがやっとの思いで馬車にたどり着いたのは同時だった。


 しかしそのときアシュリーの魔力暴走は起こってしまった。


 それに巻き込まれたエリオットとシェリル。エリオットは咄嗟にシェリルを抱き抱え、水魔法で相殺したののかそれも気持ちばかり。近くにいた野盗たちはおそらくーー


 エリオットは血まみれで倒れて動けなくなり、腕には気絶してしまったシェリルがいた。


 エリオットから手紙を受け取り、すぐに騎士を率いて飛び出したクロードが到着したのはそのときだった。


 エリオットは魔力暴走が起こったこと、シェリルはおそらく無事なこと、家族のことを頼むといって息を引き取った。


 そしてクロードは遺言通りアスターたちを探すも、ハーディング家でも探して見つけられないよう隠れていたこともあり、見つけるのに2年もの月日がかかかった。そのときにはもうエリオットの妻は亡くなってしまった。


 その間にクォーツ伯爵家がハーディング公爵夫人を害そうとしたことは、たまたま少し離れた場所で様子を伺っていた野盗のリーダーが、怪我はしていたが気絶した状態で発見されたことで明らかにされた。


 そして調べていくうちに不自然な点が多く、ナターシャをそそのかした黒幕の影がちらついた。ナターシャ自身は誘導された自覚はなかったため有力な証言は得られなかった。


 そしてクォーツ伯爵夫妻とナターシャは処罰された。

 家は取り潰されて今はもうない。


 そしてシェリルは直近1年ほどの記憶がなくなった。おそらく魔力暴走のときの魔力に当てたのだろうとは医者の見解。


 そしてまたクロードは宰相補佐からランドルフの戴冠に伴い宰相になり、膨大な業務をこなしながらこの事件の黒幕を追った。

 そのタイミングで両親からも公爵家当主の座を奪い取った。シェリルを守るためには公爵子息という肩書だけでは不足していると考えたようだ。


 敵が国王の側近の公爵家と敵対することが選択肢に入るほど力を持っていることは想像に難くない。


 クロードはこの事件で大切に思っている人たちを亡くし、もうシェリルしか残っていなかった。


 まだ黒幕が判明しないなか、黒幕の本当の標的がまだ子供とはいえシェリルではない、とは言えない状況では安心できなかった。


 そして守りを固めるために、宰相になってからまずは王宮に所属している魔法騎士を王宮以外にも所属できるよう規則を変えた。

 

 記憶がなくなってしまったシェリルはそもそもまだ3歳と言う年齢だったため、クロードとの思い出も忘れてしまっていた。

 また野盗に襲われたせいか男の人を怖がるようになった。


 しばらく様子を見て男性を近づかないようにし、距離を置くと次第に落ち着いていった。しかしそのときにはもう人間関係全般不得手なクロードは、前とは少し変わってしまった娘にどう接すればいいかわからなくなってしまった。


 そして頑張っても必要最低限の交流しかできず、アスターを迎え入れてさらに関係が拗れていった。


 クロードはこの12年ずっと事件のことを調べている。裏で教会派の貴族が手を引いていることがわかり、黒幕の目星もついているが証拠がでてきてきない状況だそうだ。




読んでいただきありがとうございます。

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