25、お見舞い
いいねやブクマなどありがとうございます!
とても嬉しく励みになります!
あの事故から3日──
私は王宮の皇太子妃の部屋にいる。
王宮で保護──もとい閉じ込められているのかもとも思う。
アレク様は何をしているか。聞いた話だと今回の事故と事件のため奔走しているとのことだった。
私のところまでは事件の情報はきていない。部屋から出れていないからというのもあるけれど。
アレク様の現状は人づてに聞いた。
何故、人づてにきいているのかというと、事故の日に私をここに送り届けてから会っていないから。
ーーーーーーー
あのあと、雨はすぐに止んだ。
私は暗殺の標的だったとして保護されることになり、王宮に連行された。アレク様によって。
通された部屋は今まで入ったことがなく、クリーム色とピンク系統の色を基調とした可愛い感じで上品にまとまっている豪華な部屋だった。
後ほど知ったが、邸が近いため王宮に泊まったことがない私はとても豪華な客室なのかと思っていた。しかしまさかの王太子妃の部屋だった。
『雨にあたったから体を温めてゆっくり休ませてあげてほしい。医者も手配して診てもらってくれ』
待機していた侍女らは泥だらけの私たちをみて驚いていたが、さすがは城の侍女なのかすぐに動いてくれた。
そしてアレク様は私のお世話を命じて足早に去ろうとした。
『アレク様、待っ『すまないシェリル。今は冷静に話せそうにない。また今度話そう』
アレク様は扉の方を向き私に背を向けたまま、私の言葉を遮ってそう言い放ち今度こそ出ていった。
疲労感はとても大きく抵抗する気もなかったため、仕方なくそのままお風呂に連れて行かれ世話をされ、寝間着を着せられてベッドに横になるよう促されるままに従った。
侍女たちにはふらふらしていて顔色がとても悪いと心配された。甲斐甲斐しくお世話をやかれているときに高齢と見受けられる医者が来た。
私のことよりも気になっていたことを先に聞くことにした。
『あの、お父様…ハーディング公爵の容体は…』
『…ああ、大丈夫ですよ。少し血を多く流したことと、魔力枯渇を起こしたことでしばらく安静が必要ですが、命に別状はありません。聖魔法での処置が早かったからですね。今はまだ眠っていますが、じきに目を覚ますでしょう』
医者は安心していいですよ、というかのようににこやかに笑って教えてくれた。
その言葉にほっとして体の力が抜ける。
私の診察をしてくれた医者は王宮医であった。魔力が大幅に減っているが、それ以外は大丈夫とのことで、2.3日の安静を言いつけられた。
2日ほどは魔力も大量に消費した疲労からか眠気が強くほぼ寝ていたのだが、3日目ともなるとだいぶ回復し動き回れるようになった。
そして現在──
お父様の容体が気になり、王宮で療養していることは聞いていたため部屋を聞いてお見舞いに行こうと思い立った。扉をあけて部屋を出ようとしたところ、扉の横で警護していた女性騎士にとても申し訳なさそうに止められてしまう。
「ハーディング公爵令嬢、申し訳ありません。部屋からは一歩もだすなとのことでして…」
「あ、そう、ですか…」
とても申し訳なさそうに言う女性騎士には、おそらく命令されているだろうから何も言えず。お父様のお見舞いに行きたい旨を伝えると、アレクシス殿下に確認してからではないと…との回答だった。
すぐに確認してみますと言ってくれたので、少し待つことなったのだ。
保護されていると思っていたけれど…それは部屋の外にもでてはいけないものなのだろうか。
保護されたことは今まで経験はないが、部屋から一歩も出してもらえないとは。
ーー閉じ込められている?
それは返答次第か、という結論に至る。
そして思考はお父様の方へ。
毎日、朝と夕方に医者が来て診察してくれていたためお父様の状況は聞いていた。
お父様はいまだ目を覚ましていないそうだ。
いまだにお父様に会う心の準備はできていない。
安静にしている間、ずっと考えていた。お父様がどうしてあんな行動にでたのか。答えは出なかったけれども。
今のお父様に対しては困惑の気持ちが大きいが、私を庇ってくれたのは間違いない。
無事なことを一目でもみて安心したかったため、お見舞いに行きたいと思った。
しばらく待つと、ノックの音が響き、ドアをあけると先ほどの女性騎士だった。アレク様から許可がおりたそうで行けることになったそうだ。
こんなときでもアレク様は現れなかった。忙しいのかもしれないけれど。
こんな状況を少し寂しく思ってしまっている私は、もう──
そして廊下に出たとき、斜め前と斜め後ろにそれぞれ2人ずつ、計4人の女性騎士に囲まれた。なんでも安全のためなんだとか。この王宮で一体何があるというのか。聞くとやっぱりアレク様の指示だった。
この状況でお父様の部屋に行くのは少し居心地が悪い。
まるで犯罪を犯して連行されている人みたいで。手錠とかはもちろんしていないのだけれど。
お父様の眠っている部屋に案内された。私がお見舞いに行きやすいように配慮されたのか、程なくしてついたのは王族の親族用の客室らしい。クリーム色と淡い緑色でまとまっている落ち着いた部屋だった。
ノックをすると内側から扉が開かれた。お父様が寝ているであろう天蓋付きのベッドに近づくと先客がいたことに気づいた。
とてつもなく圧倒的なオーラと暴力的な美しさ。太陽のように輝く金髪に王族だけが受け継ぐとされる黄金色の瞳。貫禄があり、アレク様が年を取るとこうなるのかなと思わせる。
そう、そこにいたのはまさかの国王陛下だった──
読んでいただきありがとうございました。




