10、王子の誕生日パーティー②
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「は!?待ちなさいよ!まだ言いたいことがあるのよ!!アレクセイ第一王子の婚約者の座は私のものだから邪魔はしないことね!そんな卑しい庶子と仲良くするような女に劣るとは思わないけど、同じ公爵家ということで一応忠告しておくわ!私はもうアレクセイ殿下と交流しているんだから!」
一方的に捲し立てられ、謎のマウントを取られる。
アスターとつないだ手から、アスターが震えていることがわかる。一刻も早くここから離れなくてはかわいそうだ。
「そうですか。お好きにどうぞ。それでは」
王子には興味がないため、適当に返事をして今度こそ、その場を去ろうとする。同じ公爵家というが、マナーはどうなっているんだ。
そんな態度が気に入らないのかヴァネッサは顔を真っ赤にし、近くのテーブルに置いてあったぶどうジュースをつかみこちらにむけて、中身をぶちまけた。
「!!」
「お姉さま!!」
顔面にぶどうジュースをかけられた。びっくりしすぎて言葉がでない。アスターは先ほどからの顔色をさらに悪くしていたが、ドレージュをキっと睨み返した。
「あーらごめんなさい。転びそうになって誤ってかかってしまったわね。…庶子ごときが、そんな目で私を見るなんて許されないことよ。庶子はマナーも何もなっていないのね」
「ドレージュ様の視界に入るだけでもどうかと思うのに」
「本当に。庶子はこれだからいやですわ」
ドレージュはアスターの視線に不快そうな顔をするも、3人はくすくす笑いながら、口先だけの謝罪とも言えない謝罪を述べている。
この期に及んでアスターへのさらなる暴言を吐いていることで、子供だからと思っていたのが飛んでいった。にっこり笑ってドレージュたちを見返す。
「…ドレージュ公爵家か何か知りませんが。人にジュースをかけることがマナーの一環とは初めて知りましたわ」
「はぁ?転びそうになったと言ったじゃない」
自分の過ちも認めないこんな奴が公爵家令嬢か。世も末だ。話が通じるとは思わないが、腹が立ったため言いたいことを言うことにする。
「それが本当かどうかはどうでもいいわ。初対面の人に暴言をはき、ジュースをかけた。これがあなたたちが私たちにしたこと。アスターに対しても庶子庶子って…バカの一つ覚えみたいに。アスターがあなた方に何かしました?少なくとも一方的に人を罵倒してジュースをかけたりなんてことはしていない。それに庶子で生まれたことはアスターが悪いわけではないわ。アスターはただ生まれただけ。それだけですごいことなのよ。アスターに非は何もない。庶子の何が悪いのか私は少しもわからないわ。子供は親を選べないのよ。もしそれでも責めたいのであれば原因である親を責めるべき。そんなこともわからないでよく馬鹿にできたものね。1から学びなおしたほうがいいのではないかしら?」
「…な、なんて失礼な!!あなた頭おかしいのではなくて!?」
捲し立て返すと、私の勢いに押されたのか理解が追い付かなかったのか。一瞬ぽかんとしたが、ドレージュは顔を真っ赤にして怒鳴った。
「そもそもマナーも何もなっていないのはあなた方のほうでしてよ。頭がおかしいというなら、違う人に判断を仰ぐことに致しますわ。幸い、証人はたくさんいらっしゃいますし」
周りをチラッとみると、ヴァネッサたちはハッとしたように周りを見渡した。周りはヒソヒソと小声ではあるが、ヴァネッサたちを非難する会話が聞こえる。隣のミリアとアマリアは顔を青くした。
「この件は、お父様に報告して正式に家から抗議させていただきますので、悪しからず」
私に興味のないお父様ではあるが、家門を馬鹿にされたのであれば、しかるべき措置をとるだろう。
「な、なんで…!親に言うなんて卑怯よ!」
「どうして子供の私が親に報告しないと思ったのかはわからないけれど...。妹は何も悪くないのに、傷つけるような言葉をたくさん喚き散らして…」
にっこり微笑んでいた表情を消し、ヴァネッサを見据える。
「妹をあなたに侮辱される謂れはないわ」
ヴァネッサは顔を真っ青にして2人をつれて慌てて去っていった。
その後、慌てて給仕の人がきて、控室に案内されシャワーと着替えを貸してくれた。
ついでにお父様への連絡もお願いした。王子に会いたくなかったので、アスターと会わせてあげることは出来なかったがこれ幸い、と王子に会う前にお暇することにした。
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